正反対な僕たちは

文化祭の喧騒が嘘のように消え去り、静まり返った夕暮れの教室。
橙色の光が窓から差し込み、二人の長い影を床に伸ばしていた。

「......これで、実行委員の反省ノートの記入もすべて完了しました」

パタン、とノートを閉じる音。葵は「完璧な優等生」としての冷徹な声を意識して発した。
けれど、机の下で握りしめた手は、微かに震えていた。

(......これで、本当に終わっちゃった)

補習の勉強会、そして文化祭の実行委員。
二人を結びつけていた「口実」が、ついにすべて終わってしまったのだ。

「翔太くん、提出用の書類はまとめておきましたから。......それじゃあ私、これで失礼しますね」

葵は必死に冷静な顔を作ると、冷めきった態度を装ってカバンを持ち、翔太の横を通り過ぎようとした。

(引き止めてよ、バカ......。このまま『じゃあね』なんて言われたら、私......)

胸が引きちぎられるように痛い。自分から「これからも放課後一緒にいよう」なんて言う勇気もプライドもなくて、葵は必死に唇を噛みしめて足早に歩みを進めた。