「......ごめんなさい、私、別に行くところがあるので」
他クラスの男子たちの誘いをきっぱりと断り、葵は人混みをかき分けて翔太を探した。
(なんで走っていっちゃうのバカ......っ。私は、あなたと一緒じゃないと意味がないのに)
中庭、体育館、校舎の廊下。探し回ってようやく見つけたのは、校舎裏の大きな楠の木の木陰だった。
翔太はポツンと一人でベンチに座り、落ち葉を足でつついている。その背中は、驚くほど小さく見えた。
「......翔太くん」
名前を呼ばれ、翔太がハッと顔を上げた。
「あ......葵ちゃん。なんでここに......?さっきの男子たちと、中庭に......」
「行くわけないでしょ、そんなの......っ」
葵は少し息を乱しながら、翔太の目の前まで歩み寄った。
そして、俯きがちな翔太の前に立つと、ぎこちない手つきで自分の制服の裾をギュッと握りしめた。
「......葵ちゃん?」
翔太がパチクリと目を丸くする。
葵の耳は、みているこちらまで熱くなりそうなほど真っ赤に染まっていた。
視線を泳がせ、何度も深呼吸したあと、葵は意を決したように翔太の目をまっすぐ見つめた。
「......私、あなたと一緒に回りたいです」
「......え?」
「他の誰でもなくて......翔太くんと、一緒に文化祭を回りたい。......ダメ、ですか?」
上目遣いで、照れくさそうに、けれど必死に想いを伝えてくる葵。
普段のクールな優等生の面影なんてどこにもない。自分だけに見せてくれる、世界で一番可愛い表情。
(......っ!!!)
翔太の脳内で、何かが弾けた。
ドクン、と心臓が跳ね上がり、顔が一気に沸騰する。
(やっばい......!!なにこれ、可愛すぎて無理......!!)
さっきまでの嫉妬も、弱気な気持ちも、全部一瞬で吹き飛んだ。あまりのキュン死寸前の破壊力に、翔太は思わず両手で顔を覆ってその場にしゃがみ込みそうになった。
「しょ、翔太くん......!?おかしくなっちゃいましたか......!?
「おかしくなりそうだよ!!てか、もうなってる!!」
顔を真っ赤にしたまま立ち上がった翔太は、葵の手首を優しく、でも離さないようにしっかりと掴んだ。
「ダメなわけないじゃん!!俺も......俺も、葵ちゃんと回りたかったんだよ!!」
「......本当ですか?」
「本当!!だから、行こう!!焼きそばも、お化け屋敷も、全部葵ちゃんと一緒に行く!!」
パッと花が咲いたような翔太の満面の笑みに、葵もほっと胸を撫で下ろし、ふっと柔らかく微笑んだ。
「はい。行きましょう、翔太くん」
ざわめく校内へと歩き出すふたり。
繋いだ手と手から伝わる熱が、言葉以上に「お互いにとって一番特別な存在」であることを教えてくれていた。
他クラスの男子たちの誘いをきっぱりと断り、葵は人混みをかき分けて翔太を探した。
(なんで走っていっちゃうのバカ......っ。私は、あなたと一緒じゃないと意味がないのに)
中庭、体育館、校舎の廊下。探し回ってようやく見つけたのは、校舎裏の大きな楠の木の木陰だった。
翔太はポツンと一人でベンチに座り、落ち葉を足でつついている。その背中は、驚くほど小さく見えた。
「......翔太くん」
名前を呼ばれ、翔太がハッと顔を上げた。
「あ......葵ちゃん。なんでここに......?さっきの男子たちと、中庭に......」
「行くわけないでしょ、そんなの......っ」
葵は少し息を乱しながら、翔太の目の前まで歩み寄った。
そして、俯きがちな翔太の前に立つと、ぎこちない手つきで自分の制服の裾をギュッと握りしめた。
「......葵ちゃん?」
翔太がパチクリと目を丸くする。
葵の耳は、みているこちらまで熱くなりそうなほど真っ赤に染まっていた。
視線を泳がせ、何度も深呼吸したあと、葵は意を決したように翔太の目をまっすぐ見つめた。
「......私、あなたと一緒に回りたいです」
「......え?」
「他の誰でもなくて......翔太くんと、一緒に文化祭を回りたい。......ダメ、ですか?」
上目遣いで、照れくさそうに、けれど必死に想いを伝えてくる葵。
普段のクールな優等生の面影なんてどこにもない。自分だけに見せてくれる、世界で一番可愛い表情。
(......っ!!!)
翔太の脳内で、何かが弾けた。
ドクン、と心臓が跳ね上がり、顔が一気に沸騰する。
(やっばい......!!なにこれ、可愛すぎて無理......!!)
さっきまでの嫉妬も、弱気な気持ちも、全部一瞬で吹き飛んだ。あまりのキュン死寸前の破壊力に、翔太は思わず両手で顔を覆ってその場にしゃがみ込みそうになった。
「しょ、翔太くん......!?おかしくなっちゃいましたか......!?
「おかしくなりそうだよ!!てか、もうなってる!!」
顔を真っ赤にしたまま立ち上がった翔太は、葵の手首を優しく、でも離さないようにしっかりと掴んだ。
「ダメなわけないじゃん!!俺も......俺も、葵ちゃんと回りたかったんだよ!!」
「......本当ですか?」
「本当!!だから、行こう!!焼きそばも、お化け屋敷も、全部葵ちゃんと一緒に行く!!」
パッと花が咲いたような翔太の満面の笑みに、葵もほっと胸を撫で下ろし、ふっと柔らかく微笑んだ。
「はい。行きましょう、翔太くん」
ざわめく校内へと歩き出すふたり。
繋いだ手と手から伝わる熱が、言葉以上に「お互いにとって一番特別な存在」であることを教えてくれていた。



