「よし、じゃあ今年の文化祭の実行委員だが......挙手制にするか?」
ホームルームの時間。担任の言葉に、教室全体にどこかソワソワとした、祭りの前のような浮ついた空気が流れる。誰もが「やりたいけど、自分から手を挙げるのはちょっと照れくさい」という顔で互いを見合わせている。
「先生!日向が良いと思いまーす!こいつクラスのムードメーカーだし!」
「お、いいね!翔太やってよー!」
男子グループからのガヤに、翔太は苦笑いしながら立ち上がった。
「え〜俺?!いや、盛り上げるの得意だけど、書類仕事とか絶対にやらかすぞ?」
「大丈夫だ日向、お前ならやれる!で、もう一人はどうする?書類仕事が得意なヤツがいいな......」
担任の視線が、クラス全体をすーっと巡り、窓際の最前列で止まった。
「一ノ瀬、お前やってくれないか?日向の暴走を止められるのは、学年首位のお前くらいだ」
教室が一瞬、静まり返る。
「え、一ノ瀬さんが?」「あのふたり、接点なくない?」というコソコソ話が聞こえてくる。
(......接点、ありますよ。ものすごく)
葵は心の中で小さく呟きながら、ちらりと翔太を見た。翔太もまた、目を丸くして葵を見つめている。
クラスのみんなには「住む世界が違うふたり」に見えているはずだ。まさか昨日の夜、ベッドの中で遅くまでメッセージをやり取りしていたなんて、誰も知る由もない。
葵はゆっくりと立ち上がり、いつも通りの冷静な声で答えた。
「......分かりました。日向くんが書類をなくさないように、しっかり管理します」
「ぷはっ!一ノ瀬さん毒舌!」「でもお似合いのペアじゃん!」
クラスにどっと笑いが起きる。
翔太が胸に手を当てて「一ノ瀬先生、手加減してください〜」とおどけてみせたが、葵と目が合った一瞬、クラスの誰にも見えない角度で「よろしくね」と口パクで微笑んだ。
葵の胸が、ドクンと大きく跳ね上がった。
ホームルームの時間。担任の言葉に、教室全体にどこかソワソワとした、祭りの前のような浮ついた空気が流れる。誰もが「やりたいけど、自分から手を挙げるのはちょっと照れくさい」という顔で互いを見合わせている。
「先生!日向が良いと思いまーす!こいつクラスのムードメーカーだし!」
「お、いいね!翔太やってよー!」
男子グループからのガヤに、翔太は苦笑いしながら立ち上がった。
「え〜俺?!いや、盛り上げるの得意だけど、書類仕事とか絶対にやらかすぞ?」
「大丈夫だ日向、お前ならやれる!で、もう一人はどうする?書類仕事が得意なヤツがいいな......」
担任の視線が、クラス全体をすーっと巡り、窓際の最前列で止まった。
「一ノ瀬、お前やってくれないか?日向の暴走を止められるのは、学年首位のお前くらいだ」
教室が一瞬、静まり返る。
「え、一ノ瀬さんが?」「あのふたり、接点なくない?」というコソコソ話が聞こえてくる。
(......接点、ありますよ。ものすごく)
葵は心の中で小さく呟きながら、ちらりと翔太を見た。翔太もまた、目を丸くして葵を見つめている。
クラスのみんなには「住む世界が違うふたり」に見えているはずだ。まさか昨日の夜、ベッドの中で遅くまでメッセージをやり取りしていたなんて、誰も知る由もない。
葵はゆっくりと立ち上がり、いつも通りの冷静な声で答えた。
「......分かりました。日向くんが書類をなくさないように、しっかり管理します」
「ぷはっ!一ノ瀬さん毒舌!」「でもお似合いのペアじゃん!」
クラスにどっと笑いが起きる。
翔太が胸に手を当てて「一ノ瀬先生、手加減してください〜」とおどけてみせたが、葵と目が合った一瞬、クラスの誰にも見えない角度で「よろしくね」と口パクで微笑んだ。
葵の胸が、ドクンと大きく跳ね上がった。



