式神の従属婚 〜悪辣陰陽師は出来損ないの騰蛇を娶る〜

いつもより深い眠りに落ち、巴が目覚めると外は宵の市の喧噪に溢れていた。

初めて向かい合って抱きしめられ、無意識にその温もりを探したが実弥の姿は無かった。

既に市に出ているのだろうか。
屋敷を探していれば、真人から二日ほど実弥は屋敷を空けると告げられた。
行方は教えてもらえなかったが、直ぐに戻るので心配ないという。

だが、二日後。戻ってきたのは連れ立って出ていた妖の覚だけだった。