夏祭り、君に会えますように

「ただいまー、おばあちゃん」
「おかえりー、みのり」
「……暖翔(だんと)には言ってないんだけど」
「はあ!?お、俺には言ってないの?」
「私はおばあちゃんに言ってるの」
 従兄の姫野(ひめの) 暖翔(だんと)
 家は遠方にあって、この家の近くにある大学に通う為におばあちゃんの家で暮らしている。
 暖翔(だんと)のお母さん・香梨(かおり)さんは、私のお母さん・詩織(しおり)の姉だ。
「おかえり、みのちゃん」
「ただいま、おばあちゃん」
「ねえ、なんで俺には言ってくれないの!?」
「……タダイマ、ダント」
「なんでカタコトなの!?」
 これが、私たちの日常だった。
「……で、どうだった?クラスは」
美怜衣(みれい)と、(あおい)と、さいりと同じクラスだったよ」
「へー。まあ、天﨑(あまさき)と一緒なら、大丈夫だよな」
 美怜衣(みれい)は、私の幼馴染だから、よくおばあちゃんの家に遊びに来ていた暖翔(だんと)とは、顔見知りなのだ。
「そういえば、もうすぐ母さんたちが遊びに来るらしい」
「そうなんだ」
 香梨(かおり)さんはファッションデザイナー。
 いつも忙しそうだった。
「じゃあ、俺、遊びに行ってくるわ」
「うん、イッテラッシャイ」
「だからなんでカタコトなの!?……ばあちゃん、行ってきまーす」
「いってらっしゃい、だんくん」