どうか、君が幸せでありますように

汐那(しおな)ー!同じクラスだったね!」
「うん!良かったよー」
汐那(しおな)ちゃーん!美怜衣(みれい)ちゃーん!」
(あおい)!さいり!」
 始業式。
 私たちは、張り出されている名簿を見ながら、笑い合っていた。
「ほんとに良かったよー」
 啓彬館高等学校2年特進科理系コース。
「まあ、2クラスだし、誰かとは一緒になると思ってたけどね」
 しゃべりながら、階段を上る。
「っていうか、美怜衣(みれい)ちゃん。(ほり)くんと同じクラスだったじゃん!」
「そうなんだよー。嬉しい!」
 他愛もない話をしていると、教室に着く。
「でもさー。出席番号が近くないのが悲しいよね」
「それなー」
 天﨑(あまさき)
 紫藤(しとう)
 広川(ひろかわ)
 松浦(まつうら)
「まあ、大丈夫だよ!うちら、それでも1年耐えたんだから」
「だよね!また席替えもあるもんね」
 自分の席に着く。
 前から4番目。
 美怜衣(みれい)は、1番前だ。
「っていうかさ、汐那(しおな)。昨日のストーリー見た?」
「うん、見たよ。(ほり)くんとデートしたんでしょ?」
 まだ誰も座っていない私の前の席に座る。
「……もうすぐさ、和真(かずま)の誕生日なんだよね……。なに買えば良いかな?」
「今までなにあげたの?」
「ハンカチと、文房具と、ブックカバーと栞」
「…………くまのぬいぐるみキーホルダー、とか?この前雑貨屋さんでかわいいの見つけたんだよね」
「なにそれ!どんなの?」
 鞄からスマホを取り出して、写真を見せようとした、その時だった。

「そこ、俺の席なんだけど。どいてくれない?」

 少し無愛想な声が聞こえてきた。
「あ、ごめん」
 顔をあげる。
 ……ドクン。
 綺麗な顔……。
 私の前の席は……確か。
 西園寺(さいおんじ) (いと)
 西園寺(さいおんじ)……。
 まさか、ね。
 そんなわけない。
「な、なに?」
 じっと見られている気がして、思わずたずねてしまった。
 私、なにか顔についてたかな……。
「別に、なんでもないけど」
「そっか……」
 席に座った彼は、鞄から、なにか本を取り出していた。
「じゃあ、私、戻るね」
「あ、うん。また……」