「さな。この人は、ひかげくん。ほしかげ界隈の中では一番年上って言われてて、あたしが頼りにしてる人」
いくつかのグループを回り、しばらくすると、みゆは二人組の男の人に話しかけた。
黒い髪の毛の男の人は、ひかげくん。
ダボダボとした洋服の色まで黒い。全身真っ黒だ。笑顔も少なくて、少しだけ怖い。
「ひかげです。あ、悪い人じゃないよ?怖がらせてたらごめんね」
私のことはみゆから聞いていたようで、私ははじめましてと挨拶をした。
少しだけほっとしたような顔で、ひかげくんは笑った。怖かったはずの自分が、逆に少しほっこりしている。
声が小さくて、なんだか今にも消えてしまいそう。落ち着きがあり、他のほしかげ界隈の人とは一線を画しているように思える。
「俺はみゆが来る前からここにいるから、色々知ってんの。ちなみにこいつも」
そう言ったひかげくんにつられて横を見ると、輝かしい金髪が目に入った。
「どーも、さーなちゃん!」
うげ、とみゆが険しい顔をする。ひかげくんが、両手で顔を覆う。
私は後ずさりをしたが、その度に、男の人も前進してくる。
この人、何…!?
「俺はー、かかしって名前なんだけどー、その名前にした理由がさ?まじウケるから聞いてほし…」
「この人は、かかしくん。今お酒入っててこんなんなってるんだけど、普段はこんなんじゃないから。もっとドライな人だから」
みゆがかかしくんの言葉を遮る。ひかげくんと、何か小声で話し始める。
今日はお酒やめさせてって言ったじゃないですか。ごめん、気がついた頃にはコンビニで買ってた。もう、これだから本当に…。
そんな会話が聞こえてくる。
まーまー、と言って、かかしくんがガシッとひかげくんの肩を組む。
「俺らのことはおにーさんだと思ってくれたらいいから!」
えぇ、お兄さん…!?
みゆが大きなため息を吐いて、かかしくんの頭を軽く叩いた。
「お兄さんなんて言うには早すぎでしょ。ひかげくんはいいんだよ、でもこっちの金色はお酒飲んだらただの…」
「はいはい、もう終わり」
そんな三人の様子を見ていると、段々とおかしくなってきて。
「ふはっ!」
と私は、気がつけば笑っていた。
なんだろう。この、兄弟ができて、家がわちゃわちゃするような感じ。
ひんやりとした夜の街なんて冷たいのに、ここだけ、家のようにあたたかい。
二人が本当にみゆのお兄さんのように見えて、みゆの一つ一つの行動から、信頼が垣間見えていた。
「…今は頼りなく見えるかもしれないけど、本当はちゃんとしたお兄さんたちだから」
「うん、わかるよ!みゆが心を開いてるなっていうのも、見てるとわかる」
そう、とみゆが安心しきったような顔でふわりと笑う。
それを見たひかげくんも、少しだけ笑っていた気がした。
「こいつも今はなかなかだけど、俺だって普段はただのヤニ中だし。困ったらおいで」
「や、やに…?」
言葉の意味が分からず困惑する私を見て、みゆが今度はひかげくんをぺしっと叩く。
「ひかげくんまで、そういうこと言うのやめてください。この子は何にも知らないの」
少し驚いた顔をしてから、私にごめんと言うひかげくん。
ひかげくんは不思議だ。
笑顔こそ少ないものの、頼りたくなるような、そんなあたたかい雰囲気もある。
そして、少し冷たい雰囲気も。
今日はその二人と話し終えてから、家に帰った。
どんどん、私の仲間が増えていく。
…みゆだけじゃなくて、仲間も救えたら。
そう思って眠りについた、夜だった。
いくつかのグループを回り、しばらくすると、みゆは二人組の男の人に話しかけた。
黒い髪の毛の男の人は、ひかげくん。
ダボダボとした洋服の色まで黒い。全身真っ黒だ。笑顔も少なくて、少しだけ怖い。
「ひかげです。あ、悪い人じゃないよ?怖がらせてたらごめんね」
私のことはみゆから聞いていたようで、私ははじめましてと挨拶をした。
少しだけほっとしたような顔で、ひかげくんは笑った。怖かったはずの自分が、逆に少しほっこりしている。
声が小さくて、なんだか今にも消えてしまいそう。落ち着きがあり、他のほしかげ界隈の人とは一線を画しているように思える。
「俺はみゆが来る前からここにいるから、色々知ってんの。ちなみにこいつも」
そう言ったひかげくんにつられて横を見ると、輝かしい金髪が目に入った。
「どーも、さーなちゃん!」
うげ、とみゆが険しい顔をする。ひかげくんが、両手で顔を覆う。
私は後ずさりをしたが、その度に、男の人も前進してくる。
この人、何…!?
「俺はー、かかしって名前なんだけどー、その名前にした理由がさ?まじウケるから聞いてほし…」
「この人は、かかしくん。今お酒入っててこんなんなってるんだけど、普段はこんなんじゃないから。もっとドライな人だから」
みゆがかかしくんの言葉を遮る。ひかげくんと、何か小声で話し始める。
今日はお酒やめさせてって言ったじゃないですか。ごめん、気がついた頃にはコンビニで買ってた。もう、これだから本当に…。
そんな会話が聞こえてくる。
まーまー、と言って、かかしくんがガシッとひかげくんの肩を組む。
「俺らのことはおにーさんだと思ってくれたらいいから!」
えぇ、お兄さん…!?
みゆが大きなため息を吐いて、かかしくんの頭を軽く叩いた。
「お兄さんなんて言うには早すぎでしょ。ひかげくんはいいんだよ、でもこっちの金色はお酒飲んだらただの…」
「はいはい、もう終わり」
そんな三人の様子を見ていると、段々とおかしくなってきて。
「ふはっ!」
と私は、気がつけば笑っていた。
なんだろう。この、兄弟ができて、家がわちゃわちゃするような感じ。
ひんやりとした夜の街なんて冷たいのに、ここだけ、家のようにあたたかい。
二人が本当にみゆのお兄さんのように見えて、みゆの一つ一つの行動から、信頼が垣間見えていた。
「…今は頼りなく見えるかもしれないけど、本当はちゃんとしたお兄さんたちだから」
「うん、わかるよ!みゆが心を開いてるなっていうのも、見てるとわかる」
そう、とみゆが安心しきったような顔でふわりと笑う。
それを見たひかげくんも、少しだけ笑っていた気がした。
「こいつも今はなかなかだけど、俺だって普段はただのヤニ中だし。困ったらおいで」
「や、やに…?」
言葉の意味が分からず困惑する私を見て、みゆが今度はひかげくんをぺしっと叩く。
「ひかげくんまで、そういうこと言うのやめてください。この子は何にも知らないの」
少し驚いた顔をしてから、私にごめんと言うひかげくん。
ひかげくんは不思議だ。
笑顔こそ少ないものの、頼りたくなるような、そんなあたたかい雰囲気もある。
そして、少し冷たい雰囲気も。
今日はその二人と話し終えてから、家に帰った。
どんどん、私の仲間が増えていく。
…みゆだけじゃなくて、仲間も救えたら。
そう思って眠りについた、夜だった。



