その後は、みゆがどうして星霜ビルの広場に来たのかを教えてもらった。
みゆは、お母さんとの大きな喧嘩が原因で、ここへ来たらしい。
私が小さい頃にも、みゆのお母さんは飲み屋さんで働いていて、特に夜は外出しがちだと聞いていた。
しかし、みゆのお母さんは昼間から外出するようになることが増え、家事も溜まっていき、家庭環境が変わっていったという。
どうにかしなければならないのはみゆで、自分から家事を始めたが、それにさえも感謝を言われることはなくなり、寂しさと怒り、そして疲れが積み重なっていく。
そんなある日、お母さんからかけられた一言が、みゆの我慢の糸をぷつりと切った。
そしてみゆは叫ぶように、「私がどれだけ頑張っても褒めてくれなんかしない、私のことなんか愛してないんだ」と言った。
終いには、みゆは夜だったにもかかわらず、家を出たらしい。
家に戻るにも戻れなくなり、ふらふらと夜の街を歩いていると、ほしかげ界隈の人々を見つけたという。
そこで抱えていた気持ちを受け止めてもらったことが、今のみゆの活動のきっかけになっている。
「我ながらしょうもない理由だよね」というみゆの表情は、遠い昔の思い出を話すかのようだった。
ほしかげ界隈の人々の協力もあり、今はもうお母さんとの仲は直ったそうだ。
それでも、星霜ビルの広場に向かうことは習慣であり、生活の一部になっているので、今後も通い続けるつもりだと言っていた。
ほしかげ界隈は、みゆにとって、本当に大切な居場所なのだ。
私は、一番最初に広場でみゆを目にしたときは、信じたくない気持ちが大きかった。
どうしてこんなところに、と、知らない間に自分がほしかげ界隈を危険な場所だと思い込んでいて、みゆを困らせてしまった。
しかし、実際はそんな場所ではない。そんな集団ではない。
居場所のない少年少女が集まって、どこよりもあたたかい場所を作ろうとした。
身を寄せ合って、あたたかさを何度も何度も信じて、光のさす方へ目を向けて、共に同じ歩幅で歩きだせるような場所を。
私なんか来たばかりなのに、もうみんなに名前を覚えてもらっている。話しかけてくれる人もいる。
そこに悪い大人たちが介入してきて、このあたたかさを利用しようとした。
だから今、ほしかげ界隈はより一層世間からの批判を浴びている。
警察や政府がどうにかしろだとか。犯罪がなされるくらいなら施設に入れさせろだとか。
本当に悪い人なんか、きっとほしかげ界隈にはいない。頑張り続けているほしかげ界隈の人々を、どうかそんな風に責めないでほしい。
ニアちゃんも、きっと本当に悪に染まったわけじゃないはずだ。
私は、世間の人々からの偏見と、ほしかげ界隈の中のギャップを痛感していた。
それと同時に、どうやったら世間の人々にわかってもらえるのだろうかと、少しだけ考え始めていた。
みゆは、お母さんとの大きな喧嘩が原因で、ここへ来たらしい。
私が小さい頃にも、みゆのお母さんは飲み屋さんで働いていて、特に夜は外出しがちだと聞いていた。
しかし、みゆのお母さんは昼間から外出するようになることが増え、家事も溜まっていき、家庭環境が変わっていったという。
どうにかしなければならないのはみゆで、自分から家事を始めたが、それにさえも感謝を言われることはなくなり、寂しさと怒り、そして疲れが積み重なっていく。
そんなある日、お母さんからかけられた一言が、みゆの我慢の糸をぷつりと切った。
そしてみゆは叫ぶように、「私がどれだけ頑張っても褒めてくれなんかしない、私のことなんか愛してないんだ」と言った。
終いには、みゆは夜だったにもかかわらず、家を出たらしい。
家に戻るにも戻れなくなり、ふらふらと夜の街を歩いていると、ほしかげ界隈の人々を見つけたという。
そこで抱えていた気持ちを受け止めてもらったことが、今のみゆの活動のきっかけになっている。
「我ながらしょうもない理由だよね」というみゆの表情は、遠い昔の思い出を話すかのようだった。
ほしかげ界隈の人々の協力もあり、今はもうお母さんとの仲は直ったそうだ。
それでも、星霜ビルの広場に向かうことは習慣であり、生活の一部になっているので、今後も通い続けるつもりだと言っていた。
ほしかげ界隈は、みゆにとって、本当に大切な居場所なのだ。
私は、一番最初に広場でみゆを目にしたときは、信じたくない気持ちが大きかった。
どうしてこんなところに、と、知らない間に自分がほしかげ界隈を危険な場所だと思い込んでいて、みゆを困らせてしまった。
しかし、実際はそんな場所ではない。そんな集団ではない。
居場所のない少年少女が集まって、どこよりもあたたかい場所を作ろうとした。
身を寄せ合って、あたたかさを何度も何度も信じて、光のさす方へ目を向けて、共に同じ歩幅で歩きだせるような場所を。
私なんか来たばかりなのに、もうみんなに名前を覚えてもらっている。話しかけてくれる人もいる。
そこに悪い大人たちが介入してきて、このあたたかさを利用しようとした。
だから今、ほしかげ界隈はより一層世間からの批判を浴びている。
警察や政府がどうにかしろだとか。犯罪がなされるくらいなら施設に入れさせろだとか。
本当に悪い人なんか、きっとほしかげ界隈にはいない。頑張り続けているほしかげ界隈の人々を、どうかそんな風に責めないでほしい。
ニアちゃんも、きっと本当に悪に染まったわけじゃないはずだ。
私は、世間の人々からの偏見と、ほしかげ界隈の中のギャップを痛感していた。
それと同時に、どうやったら世間の人々にわかってもらえるのだろうかと、少しだけ考え始めていた。



