…あたしはいいんだよ。
あたしは、みんなよりもつらくない。みんなは本当につらくて、苦しみのど真ん中に座っている。
自己満足なんかじゃない。自分で自分のことを認めてあげたいわけじゃない。
本気なんだよ。あたし。
「馬鹿じゃない。あたしは、ほしかげ界隈が悪い集団になってほしくないんだよ。恩返しがしたいんだよ」
あたしが一番つらくて、苦しくて、真っ暗闇にいたときに。
たくさんの人があたしの話を聞いて、寄り添ってくれた。まるで夜空の星のような、柔らかな光で包み込んでくれた。
あたしは、そのあたたかさがここにはあるって、信じているんだよ。
「でも、結局何も変わんないよ。そんなちっぽけなことの積み重ねで、人の何かが変わるとでも思ってんの?」
唾を飲み込む。こんな言葉で、あたしの意思が変わるものか。
絶対、ニアの思い通りにはさせない。あたしは何と言われようと、これを続ける。
「思ってるよ」
あたしがそう言うと、ニアが鼻で笑う。
「あたしのことは何も変えられなかったやつが?」
「うるさいな…!」
あたしは気がつけば、そう怒鳴っていた。
どうして否定し続けるのか。どうしてあたしのことばかり執着するのか。
あたしたち、最初はこんなんじゃなかったよね。
同じ時期にここへ来て、最初は二人で過ごして。一人称だって同じにした。
それでも、ニアはあたしが先輩たちのもとへ行こうとしても、一人暗い路地裏に行こうとしてさ。
いつの間にか、関係に亀裂が入っていた。
ニアの悪い噂が流れ始めて、あたしはニアを救い出すことに必死だった。なんであんなやつと変わらず仲良くしようとするのかと、先輩たちに少し避けられた時期もあった。
みんな、自分を守ることに必死なんだよ。
そんな中でもあたしはニアを助けようとしたのに。
そもそもここへ来た目的が、違ったんだ。
悔しくてどこにもぶつけようのない感情が皮膚のすぐ下で暴れ回る。ぷち、とどこかの管が切れてしまえばいいのに。
あたしは、何がしたい?
どこまでも中途半端で、進んだと思えば身体はずっとここにいて、心もまたここへ回帰しようとする。
やるなら全力でやれよ。自分を犠牲にしろよ。あたし。
なんで、それができないんだよ。
あたしも、最後は「自衛」という言葉で終わらせられるの?
「恩返しなら勝手にしろ」
ニアが冷たい声で言う。
「今更どうにかしようと思ってるわけじゃないし。もうこんなとこ来ねえよ」
「…来なくていいよ」
最後に、あたしはそう言った。
その言葉が、今向き合うべきものから逃れようとしているようにも、本心のようにも思えて、俯く。
こんなことをみんなに知られたら、どうなるだろう。ゆのあやるのあは、一体どんな表情を…。
こういうときは、ひかげくんやかかしくんに相談したくなる。
いや、今一番頼りたいのは、本当はさなだ。
ニアが立ち上がって、あたしを見つめる。
久しぶりに、ふっと柔らかく笑った。噓じゃない、心の底からの笑顔。
笑みには、ごめんねという言葉が表れているようで、その柔らかな笑顔を信じ、もう一度君に手を差し伸べたくなる。
強がらないでよ、ニア。
その笑顔のまま、ニアは言った。
「あたしたちは、もう普通じゃないんだから」
どこかの暗闇に向けて歩き出すニアを止めることはできなかった。
ただ、その言葉がずっとあたしの心に引っかかっていて。
周りの星々と同じように輝こうとする様が、どうにももどかしかった。
あたしは、みんなよりもつらくない。みんなは本当につらくて、苦しみのど真ん中に座っている。
自己満足なんかじゃない。自分で自分のことを認めてあげたいわけじゃない。
本気なんだよ。あたし。
「馬鹿じゃない。あたしは、ほしかげ界隈が悪い集団になってほしくないんだよ。恩返しがしたいんだよ」
あたしが一番つらくて、苦しくて、真っ暗闇にいたときに。
たくさんの人があたしの話を聞いて、寄り添ってくれた。まるで夜空の星のような、柔らかな光で包み込んでくれた。
あたしは、そのあたたかさがここにはあるって、信じているんだよ。
「でも、結局何も変わんないよ。そんなちっぽけなことの積み重ねで、人の何かが変わるとでも思ってんの?」
唾を飲み込む。こんな言葉で、あたしの意思が変わるものか。
絶対、ニアの思い通りにはさせない。あたしは何と言われようと、これを続ける。
「思ってるよ」
あたしがそう言うと、ニアが鼻で笑う。
「あたしのことは何も変えられなかったやつが?」
「うるさいな…!」
あたしは気がつけば、そう怒鳴っていた。
どうして否定し続けるのか。どうしてあたしのことばかり執着するのか。
あたしたち、最初はこんなんじゃなかったよね。
同じ時期にここへ来て、最初は二人で過ごして。一人称だって同じにした。
それでも、ニアはあたしが先輩たちのもとへ行こうとしても、一人暗い路地裏に行こうとしてさ。
いつの間にか、関係に亀裂が入っていた。
ニアの悪い噂が流れ始めて、あたしはニアを救い出すことに必死だった。なんであんなやつと変わらず仲良くしようとするのかと、先輩たちに少し避けられた時期もあった。
みんな、自分を守ることに必死なんだよ。
そんな中でもあたしはニアを助けようとしたのに。
そもそもここへ来た目的が、違ったんだ。
悔しくてどこにもぶつけようのない感情が皮膚のすぐ下で暴れ回る。ぷち、とどこかの管が切れてしまえばいいのに。
あたしは、何がしたい?
どこまでも中途半端で、進んだと思えば身体はずっとここにいて、心もまたここへ回帰しようとする。
やるなら全力でやれよ。自分を犠牲にしろよ。あたし。
なんで、それができないんだよ。
あたしも、最後は「自衛」という言葉で終わらせられるの?
「恩返しなら勝手にしろ」
ニアが冷たい声で言う。
「今更どうにかしようと思ってるわけじゃないし。もうこんなとこ来ねえよ」
「…来なくていいよ」
最後に、あたしはそう言った。
その言葉が、今向き合うべきものから逃れようとしているようにも、本心のようにも思えて、俯く。
こんなことをみんなに知られたら、どうなるだろう。ゆのあやるのあは、一体どんな表情を…。
こういうときは、ひかげくんやかかしくんに相談したくなる。
いや、今一番頼りたいのは、本当はさなだ。
ニアが立ち上がって、あたしを見つめる。
久しぶりに、ふっと柔らかく笑った。噓じゃない、心の底からの笑顔。
笑みには、ごめんねという言葉が表れているようで、その柔らかな笑顔を信じ、もう一度君に手を差し伸べたくなる。
強がらないでよ、ニア。
その笑顔のまま、ニアは言った。
「あたしたちは、もう普通じゃないんだから」
どこかの暗闇に向けて歩き出すニアを止めることはできなかった。
ただ、その言葉がずっとあたしの心に引っかかっていて。
周りの星々と同じように輝こうとする様が、どうにももどかしかった。



