君のいる宇宙は遠い。

(かける)!かえで!優佑(ゆうすけ)!久しぶり」
「久しぶり、莉央(りお)
 江川(えがわ)莉央(りお)
 幼なじみ。
 カナダで生活していた。
「おかえり、莉央(りお)
 大村(おおむら)かえで。
 幼なじみ。
「おひさー」
 松野(まつの)優佑(ゆうすけ)
 幼なじみ。
 俺は、二階堂(にかいどう)(かける)
 市内の公立高校に通うごくごく普通の高校2年生だ。
「……ごめんね、みんな。遅くなっちゃって。……海春(みはる)の葬儀にも行けなくて……」
「……莉央(りお)……」
 海春(みはる)……。
 三野(みつの)海春(みはる)は、一年前、この世を去った。
 事故だった。
 居眠り運転をしていた車が赤信号の交差点に突っ込んできた。
 ……海春(みはる)は、俺の目の前で車に轢かれた。
 デートに行くはずだった。
 俺の誕生日だった。
「大丈夫だって。海春(みはる)だよ?怒ってるわけないじゃん!」
「そう、だよね……」
 海春(みはる)は、誰よりも優しかった。
 めったに怒らなかった。
(かける)も、ごめんね。約束、守れなくて」
「ああ、いや、別に、大丈夫だよ」
 約束……海春(みはる)の誕生日前には帰れるだろうから、一緒に誕プレを選ぼう。
 それは、莉央(りお)の急用でダメになった。
 ……正直、もう忘れていた。
「……じゃあ、私、今日はおばあちゃんち行くから。荷解きが終わったら、海春(みはる)のお母さんに挨拶行くね」
「うん、そうだね。今日はゆっくり休みな」