Break beat

空腹の話


マキシ「レイマ、レイマー」

礼真「……」

マキシ「レイマ!」

礼真「ん?なに?」

マキシ「いや、もういいや。それよりどうかした?元気ない?」

礼真「元気はあるかも」

マキシ「レイマ!所長が言ってたでしょーちょっとでも違和感あったら言えって」

礼真「あ…うん」

マキシ「まだ人形に魂入れて2週間なんだからね!体と魂がなじませてる大事な時期なの!ほら、ちゃんと言って!」

礼真「うっうん、その…お腹空いた…かも」

マキシ「ま?」

礼真「いや、おかしいよな!何も食べなくてもいい体をなのに。それなのに、食べたいなんて思うのいやしいのな」

マキシ「レイマ…」

礼真「ごめん、変なこと言った。まだこの体に慣れてなからだと思う。マキシもそうだっただろ?」

マキシ「俺は…」

礼真「たぶんもうちょっとしたら、なんも感じなくなるよな。」

マキシ「……」




マキシ「所長!レイマが大変!」

花子「?!なんかあったのか?」

マキシ「元気ない!」

花子「……それはお前の主観だろ」

マキシ「いや、本当に!お腹空いたって!」

花子「気のせいだ」

マキシ「それはわかるけど、実際そう感じてるんだから!」

花子「はぁ…あれだな、幻肢痛のようなもんか」

マキシ「手とか足とか切断したあとにないはずの手足が痛むってあれ?」

花子「ないはずの胃が空腹をうったえる…か」

マキシ「あー」

花子「あいつは最初から人形の体への魂の馴染み方が異常に早かったからな。」

マキシ「一日で目覚ましたもんねー俺は1カ月ー」

花子「お前、いつまでもそれ気にしてるな」

マキシ「所長が言うからでしょー目が覚めるまで1カ月、動けるまで1カ月って」

花子「それはお前は500年肉体から離れていたからだ。礼真は、肉体から離れてすぐに人形に入ったからなぁ。そのへんもそういう誤認識が生じるている原因かもしれんな、実に面白い」

マキシ「黒板にいきなり数式書いたりしないたでね。けど、どうにかしてあげてよー!」

花子「どうにかと言ってもどうにもならんだろ。消化器官を作れと?」

マキシ「それは無理でしょ」

花子「わかってんなら、お前が相談にのってやれ、人形の先輩としてな。」

マキシ「俺、空腹の感覚とかわかんないですもん。多分、常時腹減ってた」

花子 ふぅーーー。

マキシ「腹いっぱいもわかんないし、食欲とかもわかんない。美味しいも…あっドングリは多分美味しい方?」

花子「お前を見てると、お前が生きていたのが500年前だったってことを忘れる。」

マキシ「ま?イケてるってこと?」

花子「不気味なくらい令和に馴染んでいるってことだ」

マキシ「それはーディスられている?」

花子 ふぅーーー

マキシ「それより、礼真のお腹…あっ!それ!」

花子「なんだ?」

マキシ「タバコ!って煙!亡くなった人は線香の「香り」を食べるとかいうじゃん!」

花子「食香(じきこう)か」

マキシ「そうそう!だから煙たべられないかな?」

花子「それなら電子タバコはどうだ?種類によってはいろんかフレーバーがあるぞ」

マキシ「電子タバコ!」


翌日

マキシ「レイマーはい、プレゼント」

礼真「?プレゼント?」

マキシ「電子タバコだよー」

礼真「?俺、18才だけど」

マキシ「そこー?俺ら法律適応外の存在ですがー?」

礼真「あ…そっか」

マキシ「けど、ニコチン入ってないヤツ18才でもセーフだよー」

礼真「そうなんだ。えっでもなんで電子タバコ?」

マキシ「礼真、お腹空いたって言ってたでしょ?煙っていうか香りって魂のご飯になるらしいからさ、試してみない?」

礼真「え?ご飯?」

マキシ「そう、ご飯ーってもフルーツとかデザートとかの匂いだから、そのー礼真が食べたいのはちがうかもだけどー」

礼真「いいよ!甘いの好き!どれにしようーいろいろあるー悩むー」

マキシ「ゆっくり選びなー♪」

礼真「これにする、バニラ」

マキシ「悩んだわりに定番すぎる」

礼真「いいの!……おーバニラーあまーうまー」

マキシ「美味しい?お腹空いたのなおった?」

礼真「うん、治った!腹いっぱいーって感じてじゃないけど、美味いもん食べてあー美味かったー幸せーって感じ!」

マキシ「よかったー俺も幸せー」

礼真「ありがと、マキシ。幸せ」

マキシ「ん」

礼真「マキシも吸う?」

マキシ「俺はいいよー」

礼真「なんで?美味いよーマキシにも味わって欲しい、ほら!ほら!」

マキシ「うーん、じゃあ、いただいまーす!?うま!なに?これっうまーい!」

礼真「すごい、テンションあがってんじゃん。そんなに美味い?」

マキシ「美味いーレイマも、どーぞ」

礼真「ん、うん、バニラだー」

マキシ「これがバニラかー」

礼真「そう、これがバニラ、はい、マキシ」

マキシ「んーうま。次なに味にする?」

礼真「なにする?」

マキシ「礼真が選んでよ」

礼真「マキシが選んでいいよ」


花子「ゲロ甘い…な」

ベア吉「♪」



See you next beat!!