先輩と過ごした四泊五日

──

「おーーい、小鳥さん、構ってちょーだいなー」

両手をメガホンみたいに口元に当てながらわざとらしく耳元で俺を呼ぶのは誠也。そんな誠也を横目に、俺はひたすらノートと資料を見ながらペンを走らせる。「最近の小鳥は冷たいんだ」なんて、言いながら諦めた誠也はふて寝する。

こんな昼休みを繰り返すこと数日……ついに、ついに、この時がきた。

「で、できたぁ──!ねぇ誠也!できたよ!」

机に肘をつきながらすやすや眠っている誠也を揺らすと、「ふぁ」とあくびしながらまだ眠そうに目を擦っている。

「これ、見て」

手渡したのは、レポート用紙をホッチキスでまとめたもの。ゴリラについて、柔道に活かせそうな事を知っているだけ書き並べた。おまけに、筋肉を維持するために必要な食事メニューも調べてまとめた。ページにしたら五枚くらい。

「……すげーな。これ、キャプテンに渡すのか?」

「え、あ、うん」

「チラシ配りもしねーし、俺のこともほったらかしだし、なにやってんのかと思ったら……こりゃ昼休み全部使うだけあるわ」

「役に立つ、かな?」

「当たり前だろ!キャプテン、泣くぞ」

作っている時はただ夢中だったのに、いざ渡すとなると一気に不安になってくる。そんな俺を見て誠也はニヤリと笑うと立ち上がった。

「じゃ、渡しに行くか」

「あ、え?い、今から?」

まだ、心の準備とか出来てないんだけど……なんか急に緊張してきた。

「小鳥、早くしろって」

スタスタと歩き出した誠也に呼ばれて慌てて立ち上がる。

黒沼先輩、どんな顔するかな。