──
「小鳥ー!連絡しろよー!待ってたんだぞ」
教室に入った瞬間に駆け寄ってくるなり俺の肩をぱしぱし叩くのは誠也。
「ごめん、宿題が全然終わらなくて」
新学期。久しぶりの制服と教室、そして誠也。長いと思っていた夏休みも気づいたら終わって、先輩との旅行から三週間が過ぎていた。
「いーや!それだけじゃないだろ絶対!どうだったんだよ」
「どうだったって何が?」
「誤魔化すな!キャプテンのばあちゃん家!」
「楽しかったよ。すごく」
カバンの中から取り出した少し大きめの画用紙を誠也に差し出す。
「これ書いてて、宿題溜めちゃってさ」
画用紙を見て「うわ、こりゃまたすげぇな」って目を見開く誠也。
誠也に渡したのはゴリラ研究部の新聞。校内の部活紹介の掲示板に貼るために、二週間かけて作った。果実園にいたゴリラ達はもちろん、先輩と過ごした四泊五日を合宿という名目で詰め込んだ。
「うー!!やっぱ俺も行きてー!でもキャプテン、毎年来るなって言うんだ。てか柔道部のやつらみんな羨ましがるぜ」
誠也はいたずらっぽく笑ったあと、「やっぱすげえわ」って再び画用紙に視線を戻した。
「……え?それって先輩が断るってこと?」
「ああ、後輩も同級生もみんな」
そんなの知らなかった。
……じゃあ、なんで俺は?
「まっ、小鳥だけって事だな」
それだけ言って俺の肩をぽんっと叩くと誠也はさっさと自分の席に戻っていく。
俺だけ……。
その理由は、先輩にしかわからない。
だから、聞きたい。
それに、誰よりも先輩に見て欲しくて作ったこの新聞。掲示板に貼り出すよりも先に先輩に見て欲しい!!
教室を飛び出して向かったのは先輩の教室。なのに先輩の姿はどこにもなくて、「黒沼?見てないぞ」「朝練か?」と教えてくれた先輩達にお礼を言って、柔道部の部室へ向かった。
でも、今日は新学期が始まって一日目。朝練は、なかったらしい。鍵すら開いていなかった。
そういえば、誠也も教室にいたしな。
なんて肩を落として教室に戻る途中、ホームルームを告げるチャイムが鳴った。
──
「小鳥、朝どこ行ってた?お前出てってすぐキャプテン来てお前のこと探してた」
新学期初日も授業は淡々と進み、気付けばもう昼休み、誠也の言葉に驚いた。
「え?!……すれ違い!?」
先輩も俺を探してた?
一体どこですれ違ったんだ。
固まっている俺に、「ま、今日放課後部活あるから」なんていいながら、俺の弁当箱を二度見する誠也。
「てか、小鳥が弁当!?しかも、めっちゃうまそー」
俺に許可を取る前に唐揚げをひとつ奪っていく。
「うんまっ!」って幸せそうに唐揚げを頬張る誠也にお弁当を差し出した。
「よかったら好きなだけ食べて」
唐揚げを入れすぎたお弁当。
『また先輩と一緒に食べれるかも』なんて考えてたらつい唐揚げばかりになった。
それに、母の助けがなくても作れるようになんて思って、夏休み中練習しすぎたせいで俺は最近唐揚げを食べ過ぎている。
「うおー!まじ!?さんきゅ」ってパクパク食べてくれる誠也を見ながら、新幹線で初めて先輩と食べたお昼を思い出した。
「小鳥ー!連絡しろよー!待ってたんだぞ」
教室に入った瞬間に駆け寄ってくるなり俺の肩をぱしぱし叩くのは誠也。
「ごめん、宿題が全然終わらなくて」
新学期。久しぶりの制服と教室、そして誠也。長いと思っていた夏休みも気づいたら終わって、先輩との旅行から三週間が過ぎていた。
「いーや!それだけじゃないだろ絶対!どうだったんだよ」
「どうだったって何が?」
「誤魔化すな!キャプテンのばあちゃん家!」
「楽しかったよ。すごく」
カバンの中から取り出した少し大きめの画用紙を誠也に差し出す。
「これ書いてて、宿題溜めちゃってさ」
画用紙を見て「うわ、こりゃまたすげぇな」って目を見開く誠也。
誠也に渡したのはゴリラ研究部の新聞。校内の部活紹介の掲示板に貼るために、二週間かけて作った。果実園にいたゴリラ達はもちろん、先輩と過ごした四泊五日を合宿という名目で詰め込んだ。
「うー!!やっぱ俺も行きてー!でもキャプテン、毎年来るなって言うんだ。てか柔道部のやつらみんな羨ましがるぜ」
誠也はいたずらっぽく笑ったあと、「やっぱすげえわ」って再び画用紙に視線を戻した。
「……え?それって先輩が断るってこと?」
「ああ、後輩も同級生もみんな」
そんなの知らなかった。
……じゃあ、なんで俺は?
「まっ、小鳥だけって事だな」
それだけ言って俺の肩をぽんっと叩くと誠也はさっさと自分の席に戻っていく。
俺だけ……。
その理由は、先輩にしかわからない。
だから、聞きたい。
それに、誰よりも先輩に見て欲しくて作ったこの新聞。掲示板に貼り出すよりも先に先輩に見て欲しい!!
教室を飛び出して向かったのは先輩の教室。なのに先輩の姿はどこにもなくて、「黒沼?見てないぞ」「朝練か?」と教えてくれた先輩達にお礼を言って、柔道部の部室へ向かった。
でも、今日は新学期が始まって一日目。朝練は、なかったらしい。鍵すら開いていなかった。
そういえば、誠也も教室にいたしな。
なんて肩を落として教室に戻る途中、ホームルームを告げるチャイムが鳴った。
──
「小鳥、朝どこ行ってた?お前出てってすぐキャプテン来てお前のこと探してた」
新学期初日も授業は淡々と進み、気付けばもう昼休み、誠也の言葉に驚いた。
「え?!……すれ違い!?」
先輩も俺を探してた?
一体どこですれ違ったんだ。
固まっている俺に、「ま、今日放課後部活あるから」なんていいながら、俺の弁当箱を二度見する誠也。
「てか、小鳥が弁当!?しかも、めっちゃうまそー」
俺に許可を取る前に唐揚げをひとつ奪っていく。
「うんまっ!」って幸せそうに唐揚げを頬張る誠也にお弁当を差し出した。
「よかったら好きなだけ食べて」
唐揚げを入れすぎたお弁当。
『また先輩と一緒に食べれるかも』なんて考えてたらつい唐揚げばかりになった。
それに、母の助けがなくても作れるようになんて思って、夏休み中練習しすぎたせいで俺は最近唐揚げを食べ過ぎている。
「うおー!まじ!?さんきゅ」ってパクパク食べてくれる誠也を見ながら、新幹線で初めて先輩と食べたお昼を思い出した。



