高校に入学して、初めて穂高健吾君のバスケをする姿を見た瞬間。
僕の人生は大きく変わった。
長身から繰り出されるキレのあるパスに、ボールがゴールに吸い込まれるような美しいシュート。
一年のときから公式戦はもちろん、練習試合や朝練まで隠れて何度も観に行ったが、三年になった今でも僕の存在は彼に気付かれていない。
だって、あんなに眩しくてカッコいい存在の人に声をかけるなんて、僕なんかには許されるはずがない。
だから、ただ遠くから応援しているだけで十分だと思っていた。
思っていたのに、僕はどうしてもやらなければいけない出来事が起こったのだ。
「穂高健吾君にー! エールを送るー!」
昼休み、僕、七瀬朔太郎は高校の中庭で大声を上げた。
僕の声は学校中に響き渡り、校内にいる生徒は廊下の窓を開けて何事かと覗き込んでくる。
「フレー! フレー! 穂高君ッ! フレフレ穂高君ッ! フレフレ穂高君ッ!」
春も終わりを告げ、初夏に向かおうとする季節。
照りつく太陽のせいだけではなく、僕は緊張から汗が全身に吹き出す。
引っ込み思案で根暗ないつもの僕なら、全校生徒から集まるこの視線だけで卒倒してしまうだろう。
だが、僕は必死に叫び続けた。
僕のこの声と気持ちが、穂高健吾君へ届くように。
僕の人生は大きく変わった。
長身から繰り出されるキレのあるパスに、ボールがゴールに吸い込まれるような美しいシュート。
一年のときから公式戦はもちろん、練習試合や朝練まで隠れて何度も観に行ったが、三年になった今でも僕の存在は彼に気付かれていない。
だって、あんなに眩しくてカッコいい存在の人に声をかけるなんて、僕なんかには許されるはずがない。
だから、ただ遠くから応援しているだけで十分だと思っていた。
思っていたのに、僕はどうしてもやらなければいけない出来事が起こったのだ。
「穂高健吾君にー! エールを送るー!」
昼休み、僕、七瀬朔太郎は高校の中庭で大声を上げた。
僕の声は学校中に響き渡り、校内にいる生徒は廊下の窓を開けて何事かと覗き込んでくる。
「フレー! フレー! 穂高君ッ! フレフレ穂高君ッ! フレフレ穂高君ッ!」
春も終わりを告げ、初夏に向かおうとする季節。
照りつく太陽のせいだけではなく、僕は緊張から汗が全身に吹き出す。
引っ込み思案で根暗ないつもの僕なら、全校生徒から集まるこの視線だけで卒倒してしまうだろう。
だが、僕は必死に叫び続けた。
僕のこの声と気持ちが、穂高健吾君へ届くように。



