翌朝。
雫は昨夜の夢を思い出していた。
『やっとあえた』
夢の中の少女。
そして。
『りゅうさま』
その言葉に、雫は胸を押さえる。
雫モノローグ「どうしてこんなに苦しいんだろう」
雫モノローグ「どうして懐かしいんだろう」
そこへ侍女がやって来る。
侍女「雨嫁様。龍神様がお呼びです」
龍神が待っている蓮池は、朝日を受けてキラキラと
輝いている。
龍神「来たか」
雫「話があります」
龍神「奇遇だな。私もだ」
雫「私……夢を見ました」
龍神の瞳が揺れる。
雫「小さな女の子がいました。あなたに、龍神様に会いたがっていました」
雫「雨童って……誰なんですか」
二人の間に風が吹くと、龍神は静かに目を閉じる。
龍神「私の大切な子だ」
雫「……」
龍神「誰よりも優しく」
龍神「誰よりも雨を愛した」
龍神「そして、私のせいで死んだ」
雫「え?」
幼い雨童は龍神の膝の上で、いつもの言葉を笑いながら繰り返す。
雨童『おおきくなったら』
雨童『りゅうさまのおよめさまになるー!』
龍神『童を嫁にはできぬ』
雨童『いつもそのこたえー』
龍神『だから早く大きくおなり』
龍神『待っていてやる』
雨童『やくそくだよ!』
龍神『約束だ』
笑い合う二人。
その光景が砕け散る。
血と、悲鳴。
そして、黒い影。
龍神「私は守れなかった」
龍神「だから、もう二度と失いたくない」
そう言いながら、龍神の手が雫の頬に触れる。
雫は胸が締め付けられる。
理由は分からない。
けれど涙が溢れる。
雫「……どうして、こんなに悲しいんでしょうか……」
晴香に問いかける蛇神。
朱雀「会いたいか姉に」
晴香「会えるの?」
朱雀「できるとも」
朱雀が手を差し出す。
朱雀「この手を取れば、お前も選ばれる側になれる」
晴香「……」
朱雀「姉の代わりにな」
晴香の瞳が揺れる。
風が吹き、池には波紋が広がり、蓮の花びらが揺れる。
脳裏に流れ込む記憶。
幼い少女が銀髪の青年に向かい、手を伸ばす。
雨童『りゅうさま!だいすきー!!』
雫「!!」
頭を押さえる。
涙が零れる。
雫「りゅう……さま……?」
龍神が目を見開く。
雫の瞳から大粒の涙が落ちる。
雫「どうして……私はその名前を知ってるの……?」
暗い祠で朱雀が嗤う。
朱雀「思い出し始めたか」
痛みが走る眼帯に手を添える。
朱雀「ならば今度こそ、私のものにしてやろう」
雫は昨夜の夢を思い出していた。
『やっとあえた』
夢の中の少女。
そして。
『りゅうさま』
その言葉に、雫は胸を押さえる。
雫モノローグ「どうしてこんなに苦しいんだろう」
雫モノローグ「どうして懐かしいんだろう」
そこへ侍女がやって来る。
侍女「雨嫁様。龍神様がお呼びです」
龍神が待っている蓮池は、朝日を受けてキラキラと
輝いている。
龍神「来たか」
雫「話があります」
龍神「奇遇だな。私もだ」
雫「私……夢を見ました」
龍神の瞳が揺れる。
雫「小さな女の子がいました。あなたに、龍神様に会いたがっていました」
雫「雨童って……誰なんですか」
二人の間に風が吹くと、龍神は静かに目を閉じる。
龍神「私の大切な子だ」
雫「……」
龍神「誰よりも優しく」
龍神「誰よりも雨を愛した」
龍神「そして、私のせいで死んだ」
雫「え?」
幼い雨童は龍神の膝の上で、いつもの言葉を笑いながら繰り返す。
雨童『おおきくなったら』
雨童『りゅうさまのおよめさまになるー!』
龍神『童を嫁にはできぬ』
雨童『いつもそのこたえー』
龍神『だから早く大きくおなり』
龍神『待っていてやる』
雨童『やくそくだよ!』
龍神『約束だ』
笑い合う二人。
その光景が砕け散る。
血と、悲鳴。
そして、黒い影。
龍神「私は守れなかった」
龍神「だから、もう二度と失いたくない」
そう言いながら、龍神の手が雫の頬に触れる。
雫は胸が締め付けられる。
理由は分からない。
けれど涙が溢れる。
雫「……どうして、こんなに悲しいんでしょうか……」
晴香に問いかける蛇神。
朱雀「会いたいか姉に」
晴香「会えるの?」
朱雀「できるとも」
朱雀が手を差し出す。
朱雀「この手を取れば、お前も選ばれる側になれる」
晴香「……」
朱雀「姉の代わりにな」
晴香の瞳が揺れる。
風が吹き、池には波紋が広がり、蓮の花びらが揺れる。
脳裏に流れ込む記憶。
幼い少女が銀髪の青年に向かい、手を伸ばす。
雨童『りゅうさま!だいすきー!!』
雫「!!」
頭を押さえる。
涙が零れる。
雫「りゅう……さま……?」
龍神が目を見開く。
雫の瞳から大粒の涙が落ちる。
雫「どうして……私はその名前を知ってるの……?」
暗い祠で朱雀が嗤う。
朱雀「思い出し始めたか」
痛みが走る眼帯に手を添える。
朱雀「ならば今度こそ、私のものにしてやろう」



