全身が強張って、かすれた声が涙とともに流れ落ちる。
「泣か……いで……?」
雨に濡れっぱなしの蛍が私の袖を引き、何度も引っ張ってくる。
これでも喋ってくれるようになった方だ。
傷ついてるのは蛍のはずなのに、私を気にかけてくるいじらしさに目頭が熱くなって、上から縋るように抱きしめた。
「貴方様を頼るのは間違いでしょう。それでも私は信じたいんです……」
汗と涙で濡れた手のひらが顔を覆い隠す。
とめどなく溢れる涙はそのままに、どこにも頼れない背筋だけを伸ばして消え入る声で叫ぶ。
「楓が子どもを見捨てるなんてありえない。何かあるんだって。絶対に……絶対に楓は薄情な父親じゃない」
一番楓を信じるべきは自分だと、私はようやくこんがらがっていた感情をまとめて言葉に変えた。
蛍を解放すると、青年を見上げて泥水に膝を着くと額をゆっくり沈めていき、恥じらいもなく早口に願い出た。
「蛍ちゃんを守りたいです! それに楓の潔白を証明したい! だけど南条家でそれは叶わない! な、何の手違いかはわかりませんが、妻にと望まれるならいくらでもこの身は好きにして構いません。貞操は保証致します。駄目なら下仕えでも構いません! ここに置いてはくれませんか? どうか、蛍ちゃんを傍に置くことをお許して――」
「なるほど。それもそうか。身分を隠しての金だけで強引に娶っているからな」
「えっ……?」
ふわっ。
青年は戯れのように軽々と私の身体を抱き上げる。
器用に蛍までも抱きあげ、私に抱っこさせて二人を抱えて空へと急上昇した。
「泣か……いで……?」
雨に濡れっぱなしの蛍が私の袖を引き、何度も引っ張ってくる。
これでも喋ってくれるようになった方だ。
傷ついてるのは蛍のはずなのに、私を気にかけてくるいじらしさに目頭が熱くなって、上から縋るように抱きしめた。
「貴方様を頼るのは間違いでしょう。それでも私は信じたいんです……」
汗と涙で濡れた手のひらが顔を覆い隠す。
とめどなく溢れる涙はそのままに、どこにも頼れない背筋だけを伸ばして消え入る声で叫ぶ。
「楓が子どもを見捨てるなんてありえない。何かあるんだって。絶対に……絶対に楓は薄情な父親じゃない」
一番楓を信じるべきは自分だと、私はようやくこんがらがっていた感情をまとめて言葉に変えた。
蛍を解放すると、青年を見上げて泥水に膝を着くと額をゆっくり沈めていき、恥じらいもなく早口に願い出た。
「蛍ちゃんを守りたいです! それに楓の潔白を証明したい! だけど南条家でそれは叶わない! な、何の手違いかはわかりませんが、妻にと望まれるならいくらでもこの身は好きにして構いません。貞操は保証致します。駄目なら下仕えでも構いません! ここに置いてはくれませんか? どうか、蛍ちゃんを傍に置くことをお許して――」
「なるほど。それもそうか。身分を隠しての金だけで強引に娶っているからな」
「えっ……?」
ふわっ。
青年は戯れのように軽々と私の身体を抱き上げる。
器用に蛍までも抱きあげ、私に抱っこさせて二人を抱えて空へと急上昇した。



