所詮わがまま、されど私の光。

 6月4日木曜日、昼。

 私はある会社に勤めている。
 ウチの会社の駒井課長はパワハラ気質で、現在目をつけられているのは「経理部の大津さん」。長い黒髪を一つにまとめた綺麗で可愛らしい女の子。ずっと助けたいと思いながらも、自分に火の粉が飛んでくるのが怖くて助けることも出来なかった。
 心配しながらも、このままどうしたら良いのか……と不安に思っていた時。何故か今日会社を休んでいる大津さんから一本の電話が入った。

「すみません、駒井課長に電話を代わっていただけますか?」

 いつもの彼女とは思えないほどハキハキとした声でかかってきた電話だった。
 そして、そのまま彼女は課長を激しく非難し、課長は怒鳴りながらもどこか怯えていた。あそこまで怯えれば、もうこれ以上、課長が大津さんをいじめることは出来ないだろう。それほどまでに駒井課長に電話をかけた大津さんは別人で、突然変わり者になってしまったようだった。あまりに変わり者で、彼女のことを駒井課長すら怯えていたから。

 そして、大津さんは最後にこういって電話を切った。電話の声がわずかだけど、私の耳に届くほど、大きくてハキハキした声だった。



『したいことは絶対にするって決めているんです』



 私もそんな生き方がしてみたいと素直に思った。


fin.