あまつさえ、愛だとか。


「っ…俺も、好きです。二階堂先輩のことが、大好きで、愛しくて、堪らなくて…このままどうにかなりそうだった」


言葉にした途端、ぼろぼろと涙が頬を伝う。
せき止めていた思いが溢れ出して、止まらない。




「…戸張くん、こっち見て」


「っ…はい」



涙を拭っていた手を退けて、言われるがままに先輩を見上げて。



「付き合って欲しい。こんな俺でも、愛してくれる?」


「っそんなの…当たり前です…っ」



俺を見つめる、甘さを孕んだ瞳を見つめ返した。
どちらともなく近づく手のひら。
頬に触れれば、燃えるように熱い。

けれど、この手を離したくない。



「ずっとずっと…俺だけに、先輩を愛させてください」


「っほんと、かっこいいなぁ…。でも───」



“そんなところが、愛しくてたまらない”



甘く響く低い声が耳元に落ちて、目を瞑った。

憧れは、いつの間にか形を変えていた。
けれど、案外大きく変わっていないのかもしれない…なんて。



「…戸張くん、なに笑ってるの」


「っふ…いえ、ただ…好きだなぁって思って」



ゆっくり重ねたひとつのキスが、そう思わせてくれた。