あまつさえ、愛だとか。

歩き慣れた通学路を二階堂先輩と並んで歩く。
しとしとと降り続ける小雨。
むわっとした空気に包まれる中で隣を見れば、そこだけ映画のワンシーンに見える。



「今日は一日中雨模様だねぇ」


「まぁ、梅雨ですから…」


「ふはっ、そりゃそーだ」


「…今の笑うとこありました?」


「俺にとっては、戸張くんの全てがツボなんです」


「え…ちょっとわかんないです」


「っふ、あはは…!そーゆとこだよ」



んー……?
なんか、違う…。

俺が思っていた何十…何百倍もほのぼのとしている。
いや、決して険しい雰囲気になりたいわけではない。
そんな稀有なやつ、なかなかいないだろう。
でも…そろそろさすがに、察してもらえたらなとは思う。

だって、話が違うじゃん────!!

あんな誘い方をしておいて、ずっと本題に入る余地が見当たらない。
そりゃ、すぐに話し始めるとは思ってなかった。
だって二階堂先輩だから。
ただ…校門を出てからかれこれ20分が過ぎようとしているのはどういうわけか。



「戸張くんは本当に面白いね。よく言われるでしょ?」


「言われませんよ…。二階堂先輩だけですから、そんなこと言うのは」


「じゃあ、みんなは戸張くんの魅力に気づいてないんだ?勿体ない…」


「そんな魅力が会ったなんて初耳なんですが…?」



俺も自ら聞き出す勇気は持てず、気づけば駅前にまで来ていた。