人間×白狐


〇メイの家 昼を少し過ぎた時間帯

洗濯物を取り込んでいるシーン。

メイから洗濯物を受け取る翔。
※手を伸ばしている。


メイ「翔、ずっと気になってたんだけどそのアザどうしたの?」
翔「アザ?」
メイ「そう。ここ」
翔の左腕を指で差す。
※伏線回収で今までの翔のシーンにアザが入ってたら◎

翔「……」
思い出すように無言のコマを入れる。

翔「前のご主人様が奴隷全員に薬を投入してたんだ」
腕を優しく撫でる。
翔「たぶん、実験してたんだと思う」「何人かはおかしくなってたから…」

あり得ない言葉に動揺するメイ。
メイ「翔は大丈夫なの?」
翔「最初は味覚とか感じなくなったけど…今は大丈夫」「頻度が少なかったから、すぐに戻った」

悲しそうな顔をするメイ。
翔「……」
その顔を黙ったまま覗き込む。

翔「昔に比べてアザも薄くなってきてるし全然問題ないよ」
気を使う翔にハッとして急いで笑顔を見せるメイ。
メイ「そうね。翔を奴隷から解放できて良かったわ」

どこか余所余所しいメイ。
何か言いたそうな顔をしている。

メイ「ねえ翔。またお遣い行ってくれない?」
翔「えーーまたぁ?」※嫌そうな顔。
翔「メイさんはいつになったら一緒に買い物行ってくれるの」
メイ「ほら、私、晩御飯の準備しないといけないし、洗濯物も片付けないと」※苦笑い。

不服そうに頬を膨らませる翔。
※まだ9歳なので可愛らしく。

翔「新しい服買う時も俺1人だったし…」※独り言のような不満を漏らす。
メイ「お願い。翔」
両手を合わせてお願いするメイ。
翔「わかったよ。何買ってくればいいの」
メイ「ありがとう!」「洗濯物を洗う石鹸がなくなったから——」
※色々買ってくる物を頼む描写。


次のコマでギルファがメイの家に向かって歩いてくる。それに気付くメイ。
※翔と入れ違い。

家の中のシーンに移る。

ギルファにコーヒーを出すメイ。
メイ「お仕事は?」
ギルファ「今日は非番だ」「それよりあのガキは?」
メイ「買い物に行ってるわ」
ギルファ「1人でか?」

沈黙が流れる。

メイ「仕方ないじゃない」「一緒に行けないんだもの」
ギルファ「…わるい」
※コーヒーを一口飲む。

メイ「お兄様もお兄様よ。いつもマスクしてないんだから…気をつけて」「呪われるわ」

コーヒーを一旦テーブルの上に置く。
ギルファ「あのガキは大丈夫なのか?」

再び沈黙が流れる。

ギルファ「?」
メイ「あの子、薬漬けにされてたみたい…」
ギルファ「はぁ!?どういうことだ?」
メイ「腕にアザがあったの」「本人は頻度が少なかったって言ってるけど、味覚障害が出たくらいだから相当な量だったと思うわ」

ギルファ「アザがあるのは気付いていた…それが薬だったとはな…」←オークション会場から逃げる時に負ったケガかと思っていた。

メイ「それと」
メイ「あの子には呪いが効かない」
ギルファ「……は?」

衝撃な事実を話しているので、引きアングルのコマを追加したりしてそれっぽい雰囲気を出す。

メイ「確信ではないけど、今のところ症状が出てないの」「もしかしたら…その薬で翔の身体の中で耐性ができてるのかも」
メイ「翔なら、この村を守ることが…私を殺すことが…できるわ」

間を作ってギルファが話し出す。
ギルファ「なるほどな…」

メイ「それにあの子、強くなりたいっていってたの」「だから、もしものときはお願い」

まっすぐ、真剣な表情をするメイ。

ギルファ「うってつけってことか…」

頷くメイ。
深いため息をつくギルファ。

ギルファ「その時は掛け合ってみるよ」「満場一致で反対する奴はいないと思うがな」
ギルファ「表向きは村を守るために戦闘用に育て」「裏の顔は…」
メイ「私を殺す為に戦闘用に育てた」「それでいいの…」



〇翔視点 村

翔(買い忘れは無いよな)
風呂敷に最後の荷物を入れて、それを背負う。

少し歩いた所で疫病で苦しむ村人が複数道端にいる。※翔が色々買った店とは違う場所。

翔(この辺は多いんだ…)


翔の目の前から医者(らしき人)が歩いてくるのが見えた。※実際は旅人。隣には女性。
その旅人に向かって道端にいた疫病達が集まってくる。

モブA「先生ぇ…助けてくれ」
モブB「助けて」
モブC「先生ぇ」
旅人「うわぁ…!なんだこいつら!」
女性「きゃあ!!」
モブD「助けてくれぇ」
旅人「やめろ!近付くな!!」

アタッシュケースを使って、集まってきた疫病達を追い払う旅人。

旅人「どけ!」
翔「わっ!」
近くにいた翔を押して、バタバタと走り去って行く旅人と女の人。

旅人「この村は呪われている」
と言う言葉を吐き捨てて。

追いかける体力が無い疫病達はその場に崩れ落ちる。

モブA「お終いじゃ」
モブC「姫様はもう何年も姿を見せていない」「きっと姫様も呪いにかけられているんだ…」※涙を流す

その姿に心を痛めながら、翔は家に帰るために再び歩き始める。


道端に倒れている疫病患者が少なくなったころ、翔の足が再び止まる。

翔よりもっと小さい子供2人が泣いている。
※オークション会場にいた商品の子供達。警備隊と一緒に家に戻っていた所。

子供「お父さん!お母さん!」
※大泣き。死んだ妹を重ねて見てしまう。

警備隊A「子共が奴隷として連れ去られた親の生存率は低いからな…」
警備隊B「口封じの為とは言え…酷すぎる」

親の遺体を回収する警備隊。
それを追いかけようとする子供達。


翔の表情が読み取れる描写無し。
一目散に走って家に帰る。



〇同日 メイの家

バンッと、勢いよく玄関のドアが開く。

メイ「ぅわっ!びっくりした」「どうしたの?翔」
晩御飯の準備をしていたメイはお玉を持ったまま玄関に向かう。

背負っていた風呂敷を肩から下ろしながら
「俺、強くなる」
真剣な眼差しでメイに伝える翔。

翔「強くなって、これ以上誰も悲しませない」←さっきの子供を見て、より一層強くなりたいと思った。これ以上同じ悲しみをもつ子供を増やしたくない。


メイ(お兄様、準備が整いそうだわ)