◯朝・メイの自宅
森の中に住んでいるメイ。
煙突がある赤い屋根の小さい家。
※ログハウスのような温かみのある家。
庭でメイが洗濯物を干している。
自然豊かな森と小鳥が窓際に飛んでくる描写。
メイ「よしっ」
※汗を拭うようなポーズを取る。
空になった洗濯かごを持って家に帰ろうとした時、ギルファに声をかけられる。
ギルファ「メイ」
丘を越えて歩いてくるギルファ。※隣に翔がいる。
メイの前で立ち止まる。
ギルファ「正式に許可が降りた」
ギルファ「今日からここがお前の家だ」
※2人に伝えるように翔の肩に手を置くギルファ。
メイ「お父様は何か言ってた?」
顔を背けるギルファに“わかっていた”ような顔をするメイ。※少し悲しそうな表情
メイ(何も言えないよね…)
ガサッと懐から少し大きめの茶封筒を取り出す。
ギルファ「調べた内容がここに入っている」
メイにそれを渡す。
メイ「ありがとう」
ゆっくり受け取るメイ。
※少し間を空けたコマを入れて、表情は見えない引きのアングルで雰囲気を出す。
ギルファ「何かあったら言ってくれ」
メイ「わかったわ」
笑顔を見せるメイに対して、切ない顔をするギルファ。
メイ「もう、お兄様ったら心配性ね」
ふふっと可愛い笑いを見せるメイ。
それに対して、逃げるように背をむけるギルファ。
丘を降りて行こうとするギルファに向かって、メイは大声を出す。
メイ「私のわがままを聞いてくれてありがとう」
※ギルファに向かって手を振る。
ギルファからの返事は無く、ギルファがギリッと拳を握る描写。
◯メイの家の中
玄関近くに立ち、全く動かない翔。
メイ「ここはもうあなたの家だから、好きにしていいのよ」
翔「あなたが新しいご主人様ですか?」
※目にハイライトが無い&感情がない声
メイ「え…?」
翔「さっきの人は違うって言ってました」
翔「あなたが新しいご主人様ですか?」
※2度目の同じ言葉はアングルアップで虚無感を強調する
なんて答えればいいのかわからず、戸惑うメイ。
無言を肯定とみなした翔は頭を直角に下げる。
翔「何なりとお申し付けください。ご主人様」
メイ「ち、ちがっ…」
否定しようとするが瞳にハイライトが無い翔にたじろぐメイ。
突然、ビリビリと自分の服を破き出した翔。
破いた布で床を掃除し始める。
メイ「ちょ、何してるの!?」
驚いた様子で急いで翔を止める。
翔「掃除は必要なかったですか?」
翔「じゃあ」
立ち上がる翔。
翔「水を汲みに行ってきます」
奴隷感が抜けてない翔に、メイは目を見開いて再び驚く。
外に出ていこうとする翔を慌てて止める。
メイ「ちょっと待って!」
メイ「一旦そこに座ってて!」
近くのイスに翔を座らせる。
次のコマに疲れてため息をつくメルの描写を入れる。
※翔のターンから別の話に変える為なので、軽い感じの絵でOK
ギルファからもらった書類を封筒から取り出すメイ。
イスに座り、テーブルの上に書類を並べる。
おとなしくしているか、チラリと翔を確認するメイ。
履歴書みたいな紙に翔の情報が載っている。
(本名)木村 翔
※苗字は対して必要じゃないので、隠れている等で名前だけがわかる絵でもOK
翔の出身地、家族構成等の情報記載。←雰囲気が出ていればOK
楓村滅失事件の被害者。
父・母 死亡
子2人 行方不明
↑この情報の下に手書きで『奴隷として誘拐された可能性有り』と書かれた文字。
メイ(この事件知ってる…)
〇3年前の回想シーン・メルの自宅 朝
ロッジ風のオシャレなリビング。
コーヒーを持ってテーブルに向かうメイ。
※テーブルの上には新聞紙がある。
コーヒーを飲みながら新聞紙を開くメイ。
次のコマでその動きが止まる。
【一晩にして村が消える】新聞の一面を飾る。
コーヒーをテーブルの上に置いて、真剣な眼差しで読むメル。
メル「何者かによる放火によって死亡者多数…」
メル「住人と遺体の数が不一致。焼け跡の大きさからして亡くなったのは大人」
メイ「行方不明になった子供の捜索が続く」
メイ「何…これ…」
怒りから新聞を持つ手に力が入る。
・回想シーン終わり
メイ(あの時の子供の中に翔が居たっていうこと?)
ふと、見ている書類(履歴書みたいなやつ)の中に『妹 行方不明』の文字を見つけた。
妹の上には『兄 行方不明』と書かれており、行方不明のところに×→保護と変更されている。
メイ「翔!翔!」
おとなしくイスに座っている翔を何度も呼ぶ。
メイ「妹ってまだ見つかってないの?」←全く悪気無い
メイの問いに翔がピクリと反応する。
一旦間を置く。
翔「妹は…」「死にました」
※ハイライトが無く、感情も読み取れないような顔。奴隷生活のせいで感情を表に出さなくなった。
動揺を隠せないメイ。
メイ「え…」「どういうこと?」
翔「ご主人様の機嫌を損ね、殺されました」
ドクンとメイの心臓が鳴る。
メイ「あなた達、2人とも同じ所にいたの?」
声を出さない代わりに頷く翔。
メイ(嘘…)(もしかして…目の前で殺された…?)
メイ(だから主人の機嫌を損ねないように、掃除とか仕事をしようとしてるの?)
1話の『俺はここで死ぬんだ!』と翔が言うシーンを思い出す。
メイ(今は従順だけど…あの時の言葉が、本音…)
奴隷解放しても翔の家族がいないと言う事実に胸を痛めるメイ。
何かを決意したようにキリッとした顔をするメイ。
メイ「翔、あなたお遣いには行ける?」
翔「はい」
メイ「じゃあ村に行ってこれを買ってきてほしいの」
買ってきてほしいものが書いてあるメモ用紙を渡す。
その紙を見つめる翔。※字が読めない。
もしかして。とメイが気付き、口頭で伝える。
(卵、にんじん等)←外につれ出す口実なのでなんでも良い。
翔「わかりました」
ぺこりと頭を下げて家を出る翔。
〇山のふもとにある村・お店が並ぶ繁華街みたいな所
頼まれた物を買っている翔の描写。
モブ「ちょいとあんた聞いたかい?」
※店主に話しかける女の人。
モブ「昨日も夜狐が出たみたいじゃないか」
店主「本当か!?」
モブ「うちの夫が見たって言うんだから本当だよ」
店主「こりゃーまた不吉だな」
店主からお釣りを受け取る翔。
※話は聞いているが全く反応しない。
店主「俺らも時間の問題だな」
モブ「この村はもう助からないのかもしれないねぇ」
2人の話を最後に店を出ていく翔。
メイの家に向かって歩いている翔の描写。
※舗装された山道を歩く。
丘の上にあるメイの家が見える。
買った物が汚れてないか確認して、玄関のドアを開ける翔。
メイ「おかえり!翔!」※笑顔。
翔の母親と姿が重なって見える。
パッと顔を逸らし、買った物を前に出す。
翔「あ…これ…」
歩き出した所で翔が躓き、盛大に転ける。
そして買った物を床にぶち撒ける。
※卵等がぐしゃぐしゃ。
一瞬にして翔の顔が青ざめる。
すぐに起き上がった翔は頭を床に付けて土下座をする。
翔「も、申し訳ごさいません!申し訳ございません!」
※肩が震えている。
次のコマでポタッと床に血が落ちる。
※転けた時に顔面強打したせいで鼻血が出ている。
ビリビリと自分の服を破り、汚れた床を拭く。
翔「申し訳ございません」
奴隷生活が抜けてない翔を見ていられなくなったメイは、床を拭く翔の手を掴む。
メイ「もうやめて!」
メイ「あなたは保護されたの!」「何も怯えなくていいの!」
※悲しい顔をして訴えるメイ。
メイ「もう主人の言うことを聞く奴隷じゃないわ」
翔がメイの顔をまっすぐ見る。
※若干のハイライト有り。
翔の鼻に無理やりタオルを当てるメイ。それを自分で持つ翔。
メイ「来て」
翔の腕を掴んだまま半分強引にリビングに連れていく。
リビングには風船等の誕生日パーティーみたいな飾り付けがされている。
テーブルには少し歪なホールケーキや、北京ダック等ご馳走様が並べてある。
※全部メイの手作り。
メイ「今日はあなたのパーティーをしようと思ってたの」「翔が家族になったお祝いよ」
メイ「内緒で準備したかったから村に行かせたけど…」「こんなことになるなら頼まなきゃ良かった」
ポロッと翔の目から涙が溢れる。
慌てて拭い、泣かないように我慢をする。
翔の母『美味しそうに焼けたわ』
ミトンを付け、笑顔でスポンジケーキを持っている翔の母親。※楽しかった昔の記憶を思い出す。
メイ「我慢しなくていいよ」「泣きたかったら泣いて」
翔を優しく抱きしめるメイ。
翔の目がうるうるとして、次のコマで子供みたいに声を上げて泣く。
翔「妹が泣いてたんです。帰りたいって」「そしたら主人に殺されて」
翔「お父さんとお母さんに会いたいよ」
※泣きながら話す。
もう会えない人達の名前に、抱きしめる力を強くするメイ。
メイ「よく頑張ったね」
翔をなだめるように優しく頭を撫でる。
余韻を残して次のコマでパーティーを始める。
ご馳走が並べてあるテーブルにつく2人。
メイ「改めてよろしくね翔!」※満面笑み。
照れくさそうに「うん」と小さく頷く翔。
その日は楽しくパーティーをして終わり。
次のコマで1ページ分、翔とメイの日常を絵だけで表す。
(服を新調する・一緒に洗濯物を干す・料理を作る・昼寝をする・おねしょをして怒られている・楽しそうに笑っている)
〇数日後 メイの家 昼過ぎ
テーブルの上で木の実の殻を剥いている2人。
メイ「ねえ翔」「あなたやりたいこととか無いの?」
翔「え…何、急に」
警戒するような顔でメイを見る。
メイ「将来の夢よ。私が翔くらいの歳だったころはあったわよ?」
翔「無いよ。そんなの」「俺、奴隷だったしそんなこと考える余裕なかった」
確かに。と納得するメイ。
翔「でも強くなりたいかなー?そしたら…」
翔の言葉にメイの動きが止まる。
それに気付いた翔は言葉を止めた。
翔「俺なんか変なこと言った?」
ハッと我に返ったように、遅れて笑顔を見せるメイ。
メイ「頼もしい夢だなーって思っただけ」
翔「な、何だよ!絶対バカにしてるだろ!」
恥ずかしさから顔を赤くする。
メイ「そんなことないよ」※まだ笑顔。
翔「最悪。言うんじゃなかった」※メイの笑顔にバカにされてると思ってる。
フイッとそっぽを向く翔。ムキになって可愛いなと感じたメイはクスクスと笑う。
次のコマで俯き加減のメイの描写。少し切なそう。
顔を上げたメイは再びニッコリ笑う。
メイ「翔。ちょっと散歩に行かない?」
〇同日 山道
少しバテ気味の翔。
若干息が上がっている。
翔「メイさん、どこまで歩くの?」
メイ「もう少しよ。頑張って」
翔「どこに行く気なの…」
独り言のように不満を漏らす。
進んでる感を出すために山道を歩く描写を入れる。
メイ「着いたわ」
その言葉に顔を上げる翔。風が翔に吹き付ける。
たどり着いた場所を見て、翔の動きが止まる。
平地一面に墓がある。
※メイが連れてきたのは墓場。
メイ「ここ、村の人のお墓なの」
翔「…結構多いんだね」
メイ「この村は…」「今も疫病に脅かされてる」
翔「……」
メイ「あら。驚かないのね?」
翔「メイさんがお遣いを頼んだ時に、実は噂を聞いたんだ。夜狐が出るって」「その時の帰り道に病気で苦しむ人達も見て…」
メイ「そう…」
墓地に向かって歩き始めるメイ。翔はその後ろを着いて行く。
1つの墓の前で手を合わせるメイ。
翔「これは?」
メイ「私の知り合い」「この人も疫病に感染しちゃったの」
メイの切なそうな顔を見て、隣で同じように手を合わせる翔。
手を合わせ終えたメイがはぐらかすようにグーと伸びをする。
メイ「翔の夢、本当にカッコいいなーって思ったんだよ」
翔がメイの顔を見る。
サァッと風が吹く。
メイ「この村を守れるくらい強くなってね」
笑顔のメイ。
その言葉の真相はまだ翔にはわからない。

