◯バッドエンドバージョン件、プロローグ
メイを殺してしまった翔。
翔「何で……」
苦しみと悲しみの感情でメイを抱きしめる。
※この時表情は見えなくて泣いているようにも感じ取れたら◎
フードを被ったメイの心臓は動いていない。
※フードに隠れて耳は見えていないし、読者側からはメイの顔もはっきり見えない。
2人のそばには、ボロボに欠けた半面狐のお面が転がっている。
【人間と妖が共存する時代】
【この村は妖狐の縄張りとし、お互いが助け合いながら生活をしていた】
◯現在→オークション会場
森の奥のさらに奥。一見ただの洞窟のような場所。
違法な売買を行っているという噂を聞いて、オークション会場を突き止めたメイ。バレないように周囲を気にしながら前に進む。←受付や通路に客あり
※その時のメイはフードが付いた羽織を着て顔を隠している。
ステージ上にはサングラスにスーツ姿の“いかにも”な男性が場を盛り上げる。
※人間の姿に近付けた鴉天狗。
サングラスの司会者
「大変長らくお待たせしました!」
「本日も皆様方に気に入っていただける品が集まっておりますので、是非ともチャンスをものにしてください!」
観客席には鴉天狗、鬼、人間等いろいろな種族がいる。
バレないように隅の方に隠れながら様子を伺うメイ。
小さい妖(狐や猫、座敷わらしみたいな子供)が次々に競り落とされていく。
ステージ上が真っ暗になり、観客席がザワザワし出す。
サングラスの司会者が再び会場を盛り上げるように暗闇の中、声を上げる。
サングラスの司会者
「それでは本日の目玉商品です!!」
ステージに灯りがつき、岩のように頑丈な首輪を付けている翔に視線が集まる。
※9歳の翔の目には生気が無い。
寿命が長い妖に対し、すぐに老いて死んでしまう人間は絶滅危惧種として稀少な価値とされている。
特に人間の子供は主人の好みに染め、奴隷にさせる傾向があるため、子供の誘拐が社会問題とされている。
人間の子供がいる事に、すぐさまメイが反応する。
メイ(子供!?)
驚いているメイを他所に、翔の競りが始まる。
次々に飛び交う高額な金額と、盛り上がる会場。
メイは狐火とまやかしを使い、会場を混乱状態にする。競りが中断し、逃げ惑う観客達。ステージ上で固まる奴隷達。
司会者の鴉天狗がメイの存在に気付き、会場をめちゃくちゃにしたことに対してブチギレる。
サングラスの司会者
「貴様ぁ!!!」
※羽を生やし、一目散に飛んでくる。
鴉天狗がメイの目の前に来た瞬間、
ギルファ「動くな!」
※鋭い剣のような氷を鴉天狗の喉元に近付ける。
ギルファの後ろには複数人の警備隊が。
別のコマには警備隊によって捕まる、闇オークションの関係者。
メイの狐火とまやかしは警備隊に突入の合図を送るものだった。
ギルファ「お前が首謀者か?」
不機嫌そうに両手を上げるサングラスの司会者。
※サングラスの司会者は返事無し。
ギルファはチラリと視線を後ろに持っていく。
ギルファ「奴隷達の保護を優先し、観客含め誰一人として逃すな」
ギルファの後ろにいた警備隊がステージ上に向い、奴隷達を保護し始める。翔も保護されるが目が虚。
※メイは奴隷のそばにいる。
サングラスの司会者は両手を後ろで縛られる。
警備隊A「こちら保護完了しました」
※敬礼している。
警備隊B「隊長。別室にて待機組が居た模様で、こちらも保護が完了しました」
※耳打ちするように話す。
ギルファ「そうか、ご苦労」
逃げないように、警備隊によって囲まれているサングラスの司会者。
※サングラスの司会者はその中心に座っている。
突然、サングラスの司会者がニヤリと笑う。
ギルファ「何がおかしい」
ギルファがそう聞くと、囲っていた警備隊の1人がバタリと倒れる。
ギルファ「どうした!?」
サングラスの司会者※悪い笑み
「俺が何の準備もせずここに居ると思う?」
その言葉にまた1人倒れる。
囲っていた警備隊が一斉にサングラスの司会者に向かって、妖力を使う体制を取る。
ギルファ(何が起こっているんだ?)
※行動には出さないが表情は焦っている。
警備隊C「毒…ガス……です」
※倒れた警備隊Cが苦しそうに声を出す。
その瞬間、サングラスの司会者はジャンプをするようにフワリと飛び、囲っている警備隊から逃げる。そして近くの観客席の上に足を下ろす。
※後ろで縛られていた縄は外れている。
ガスマスクをつけるサングラスの司会者は、見下すようにギルファを見る。
メイ「お兄様!!」
声を張り上げるメイ。近くでは苦しそうに膝をついている奴隷達。
ギルファ「持っている予備のマスクを渡せ!」
ギルファ含め、警備隊の人達は奴隷、倒れている同士にガスマスクをつける。
ギルファ「くそっどこから…!」
※袖で口を押さえ、ガスを吸わないようにしている。
周囲を見渡したところで吸気口を見つけるギルファ。
ギルファ「ここか」
状況からして、マスクをしてない人はだいぶ危ない。
※マスクをしてない人が苦しむコマを3つくらい。
ギルファ「早く外に逃げるんだ!ここは危険だ!」
ギルファの声に、動ける警備隊は奴隷達や倒れた同士を担ぎながら部屋から出ていく。
ギルファが、サングラスの司会者がいた観客席を見るがいなくなっている。
今は命が優先。これ以上探すのはやめ、ギルファと警備隊は中にいる人を外に誘導する。
逃げ道を警備隊が誘導する中、奴隷達の中に翔がいないことに気付くメイ。
すぐに探しに行こうと来た道を引き返そうとすると、ギルファに止められる。
ギルファ「どこに行くんだ!」
メイ「1人足りないの…!」
メイ「すぐに戻ってくるから、お兄様は先にあの人達を安全な場所に」
その言葉を残してメイは走り出した。
先程の部屋に戻ると、ステージ上にポツンと立ち尽くす翔がいた。
メイ(いた!)
翔のそばに行き、同じ目線になって声をかけるメイ。
相変わらず翔の瞳は虚。
メイ「ここは危険よ」「早く外に…」
※渡したはずのマスクをしていない翔に驚く。
メイ「あなたマスクは?」
※翔の肩を力強く掴む。
ビクリと驚く翔はメイの腕を払った。
翔「離して!」「俺はここで死ぬんだ!」
次のコマで、(どこにいるのかもわからない)サングラスの司会者がニヤリと笑う。
次の瞬間オークション会場内で爆発が起きる。
「キャー」とモブ(観客)が悲鳴を上げる。
バラバラと崩れる天井に噴煙。
間一髪の所で警備隊と逃げたみんなは無事。
ごつごつした木の枝に止まるサングラスの司会者。
サングラスの司会者
「証拠は消さないと」「ね」
不適な笑みを残したまま、サングラスの司会者(鴉天狗)は羽を広げ何処かに飛んでいく。
◯崩れたオークション会場の近く(森)
警備隊A「隊長」
※警備隊Aを先頭にギルファの元に集まる警備隊。
ギルファ「みんな無事か?」
警備隊A「怪我人は出ていますが無事です」
警備隊A「しかし…何名か取り逃してしまいました」
ギルファ「そうか…」
メイのことを思い出して、ハッとするギルファ。
ギルファ「メイを見なかったか?」
顔を合わせる警備隊AとB。
警備隊B「一緒に逃げなかったんですか?」
ギルファ「途中、引き返したんだ。1人足らないと言って」
警備隊A「もしかして、まだ中に」
瓦礫のように崩れ去ったオークション会場。
その中に再び入ろうとしたところで、少し離れた所にメイが居るとこに気付くギルファ。
※怪我をしたメイと翔が木陰にいる。
ギルファ「メイ」
メイ「逃げ遅れちゃった」
※へへっと苦笑いをする。
ギルファ「大丈夫か?」
メイ「平気よ」「それよりお兄様」
※メイの手がギルファのふところにあるマスクを取り出す。
メイ「マスクを」
ギルファ「あぁ」
チラリと、隣に座っている翔を見るギルファ。
ギルファ「無事助けられたみたいだな」
ギルファ「一旦そいつはうちで預かる」
メイ「その後どうなるの?」
ギルファ「人間の子供は保護対象……」「施設行きだ」
※後味悪そうに目を伏せる。
翔「次のご主人様はあなたですか?」
生気の無い翔がギルファに向かって声をかける。
翔を見て、メイの方を向くギルファ。
ギルファ「マスクは?」
※真剣な表情
メイ「それが…」
※言葉を選ぶように一旦止める。
メイ「この子、もしかしたら」「毒が効かないのかも」
メイの言葉に驚くギルファ。
メイ「確信はないけど…」
※チラリと翔を見る。
メイ「1つも苦しがる素振りを見せなかったの」
ギルファ「どう言うことだ?」
メイ「わからない」「だけど、私のマスクを渡そうとしたとき」
◯逃げるときの回想シーン
爆風後。擦り傷程度の怪我をした2人。
メイ「これを付けて」
※翔にマスクを渡す。
翔「大丈夫です」「苦しくありません」
・回想シーン終わり
メイ「(断るのは)奴隷だったころの癖かもしれないし」「実際のところわからないわ」
メイ「もしかしたらこの村を…」
ギルファが悲しそうな顔をしていた。
だから、そこまで言ってメイは口を閉じた。
2人の間に風が吹く。
メイ「お兄様、お願いがあるの」
メイ「この子、私に預からせて」
ギルファ「なっ…!保護対象なんだぞ」
メイ「わかってる!」「でもお願い」
メイ「今の希望は…この子だけ」「私の手で育てたいわ」
ギルファ「…」
ギルファ「わかった」
※仕方なく許可する。
ギルファ「だが今日はうちで預かる」
ギルファ「身元を調べ、問題なければ明日にでも連れてくる」
メイ「ありがとう、お兄様」
フイッと顔を背けて翔の腕を引くギルファは、そのまま警備隊達がいる元へ帰っていく。
メイのいる森から小さな村が見える。
メイ(やっと、この村に希望が差し込んだ)
次のコマでは病気で苦しむ村人の描写。

