泣く。泣く。泣く。泣く。泣き続ける。
顔はぐちゃぐちゃ。頭も顔も痛い。
それでも、私はずっと声を殺しながら泣いて泣いて泣き続けた。
事故のあとに泣いたことなどたくさんあったが、こんなに泣いたのなんて初めてかもしれない。
それくらい、悲しくて悲しくてどうしようもなかった。
(何で。どうして……!)
苦しくて、つらくて、胸が張り裂けそうだった。
大事なものを取られてしまったような感覚。今の私の、唯一の友達を知らない誰かに取られるなんて。
私だけの早希なはずなのに。私の大事な友達なのに。
(どうして私に連絡しないで遊びに行ってたの! 一言くらい連絡してくれてもいいんじゃないの……!?)
こんなことを思うのは、自分のワガママなことはわかっている。
でも、それでも、私は我慢できなかった。納得できなかった。
連絡もしないで、私の知らない友達と一緒にいて、楽しそうにしてて、私だけの友達だと思っていたのに。
まさしく独占欲。
早希は誰のものでもないのに、私以外の誰かと仲良くしているのが悔しくて憎かった。私の唯一の友達なんだから、私だけと仲良くして欲しかった。
(私には、早希しかいないのに……!)
理不尽だとわかっていても、感情が止められなかった。
◇
__ピロン
視線を落とすと、スマホにまた通知が来てるのが見える。指でロックを外してアプリ画面を見れば、未読通知が溜まっていた。
あれから早希から連絡がたくさん来ているけど、返す余裕がない。
自分は連絡が欲しいって思っていたのに、自分は返さないなんてワガママ過ぎると思うけど、それでも私はどうしても返す気にはなれなかった。
(そもそも、何て言えばいいのかわからない)
お母さんもあれから私がおかしいのに気づいて、当たり障りないことしか聞いてこない。
でも、私が早希の話をしなくなったせいか、早希と何かあったことは察したらしい。だから、あえてその話題は出さないようにしているみたいだった。
(勉強しよ)
勉強を始める。勉強は余計なことを考えなくていいから好きだ。勉強さえしていれば、現実逃避ができた。
(えっと、参考書、参考書……)
そう思って取り出すと、出てきたのは早希からもらった参考書。それを見るなり、私はその参考書を衝動的に壁に向かって投げつける。
バンッ!!
壁に当たった参考書は大きな音を立てて壁にぶつかり、そして重力に従って床に落ちた。
(もう、やだ……)
勉強に逃げようとしたはずなのに、逃げられなくて自暴自棄になる。こんな自分が情けなくてどうしようもなくて、苦しい。
そもそも、私は何のために勉強をしているんだろう?
何で生きているんだろう。
あのとき、どうして死ななかったのだろう。
(何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で)
頭をぐしゃぐしゃに掻き毟る。
考えても考えても、わからない。本当ならごく普通の生活をして、家族揃って、楽しく、時にはつらいことがありながらも、ただ何でもない毎日を過ごしていたはずなのに。
どうして、どうして、こんなことになっちゃったのかわからない。
(生きているのがつらい)
十年。
十年が抜け落ちた私の人生は一体どうすればいいの。
この十年、どうやって取り戻せばいいの?
わからない。わからない。
(どうして、何で、私だけがこんな目に合わなきゃいけないの? 私が何をしたって言うの!?)
キッチンにフラフラと歩いて行き、包丁を取り出す。
(これで首やお腹を切ったら死ねるだろうか。でも、痛いのは嫌だなぁ)
そう思って包丁は元の位置に戻す。ならばと今度は戸棚の前に行く。取り出したのは風邪薬だった。
(これを、いっぱい、飲めば……)
ジャラジャラジャラと瓶に入った錠剤を手に出す。
そして、それを口いっぱいに入れると、水を取り出してどんどんとゆっくり飲み込んでいく。
(これで、死ねる、かな)
時間が経つと、だんだんと眠くなってくる。
(あぁ、気持ち悪い。でも、とっても、……眠い)
意識が遠のいていく。
だんだんと身体から力が抜けていくのを感じながら、私はそのまま意識を手放した。
顔はぐちゃぐちゃ。頭も顔も痛い。
それでも、私はずっと声を殺しながら泣いて泣いて泣き続けた。
事故のあとに泣いたことなどたくさんあったが、こんなに泣いたのなんて初めてかもしれない。
それくらい、悲しくて悲しくてどうしようもなかった。
(何で。どうして……!)
苦しくて、つらくて、胸が張り裂けそうだった。
大事なものを取られてしまったような感覚。今の私の、唯一の友達を知らない誰かに取られるなんて。
私だけの早希なはずなのに。私の大事な友達なのに。
(どうして私に連絡しないで遊びに行ってたの! 一言くらい連絡してくれてもいいんじゃないの……!?)
こんなことを思うのは、自分のワガママなことはわかっている。
でも、それでも、私は我慢できなかった。納得できなかった。
連絡もしないで、私の知らない友達と一緒にいて、楽しそうにしてて、私だけの友達だと思っていたのに。
まさしく独占欲。
早希は誰のものでもないのに、私以外の誰かと仲良くしているのが悔しくて憎かった。私の唯一の友達なんだから、私だけと仲良くして欲しかった。
(私には、早希しかいないのに……!)
理不尽だとわかっていても、感情が止められなかった。
◇
__ピロン
視線を落とすと、スマホにまた通知が来てるのが見える。指でロックを外してアプリ画面を見れば、未読通知が溜まっていた。
あれから早希から連絡がたくさん来ているけど、返す余裕がない。
自分は連絡が欲しいって思っていたのに、自分は返さないなんてワガママ過ぎると思うけど、それでも私はどうしても返す気にはなれなかった。
(そもそも、何て言えばいいのかわからない)
お母さんもあれから私がおかしいのに気づいて、当たり障りないことしか聞いてこない。
でも、私が早希の話をしなくなったせいか、早希と何かあったことは察したらしい。だから、あえてその話題は出さないようにしているみたいだった。
(勉強しよ)
勉強を始める。勉強は余計なことを考えなくていいから好きだ。勉強さえしていれば、現実逃避ができた。
(えっと、参考書、参考書……)
そう思って取り出すと、出てきたのは早希からもらった参考書。それを見るなり、私はその参考書を衝動的に壁に向かって投げつける。
バンッ!!
壁に当たった参考書は大きな音を立てて壁にぶつかり、そして重力に従って床に落ちた。
(もう、やだ……)
勉強に逃げようとしたはずなのに、逃げられなくて自暴自棄になる。こんな自分が情けなくてどうしようもなくて、苦しい。
そもそも、私は何のために勉強をしているんだろう?
何で生きているんだろう。
あのとき、どうして死ななかったのだろう。
(何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で)
頭をぐしゃぐしゃに掻き毟る。
考えても考えても、わからない。本当ならごく普通の生活をして、家族揃って、楽しく、時にはつらいことがありながらも、ただ何でもない毎日を過ごしていたはずなのに。
どうして、どうして、こんなことになっちゃったのかわからない。
(生きているのがつらい)
十年。
十年が抜け落ちた私の人生は一体どうすればいいの。
この十年、どうやって取り戻せばいいの?
わからない。わからない。
(どうして、何で、私だけがこんな目に合わなきゃいけないの? 私が何をしたって言うの!?)
キッチンにフラフラと歩いて行き、包丁を取り出す。
(これで首やお腹を切ったら死ねるだろうか。でも、痛いのは嫌だなぁ)
そう思って包丁は元の位置に戻す。ならばと今度は戸棚の前に行く。取り出したのは風邪薬だった。
(これを、いっぱい、飲めば……)
ジャラジャラジャラと瓶に入った錠剤を手に出す。
そして、それを口いっぱいに入れると、水を取り出してどんどんとゆっくり飲み込んでいく。
(これで、死ねる、かな)
時間が経つと、だんだんと眠くなってくる。
(あぁ、気持ち悪い。でも、とっても、……眠い)
意識が遠のいていく。
だんだんと身体から力が抜けていくのを感じながら、私はそのまま意識を手放した。



