(ちょっと早く来すぎちゃったかな)
気持ちが先走って、十一時待ち合わせなのに十時半には着いてしまった。
あんまり早く来すぎてもダメだろうと思ったけど、どうしても家でジッとしていられなかったからしょうがない。
(遅れるよりも早いほうがまだいいよね。遅刻して嫌われたくないし。早希さんいつ来るかなー? でも、もし来なかったらどうしよう)
期待と不安で私はそわそわしながら駅前の待ち合わせの場所で待っていると、まだちょっと待ち合わせよりも早い時間に早希さんが待ち合わせ場所までやってきた。
早希さんがちゃんと来てくれたことに、私は内心ホッとする。
「おはようございます」
「おはようございます。早希さん」
「待ちました? すみません、早く来たつもりなんですが」
「いえ、今来たところです」
ちょっとだけ嘘をつく。
待ち合わせでよくある定番の言い回しだ。
「それならよかった」
ホッとした様子の早希さんに、ちょっと嘘をついて正解だったと嬉しくなる。そして、まずは待ち合わせで躓かなくて私も早希さん同様ホッとした。
(てか、早希さん可愛い)
早希さんは薄い黄色のブラウスに、コバルトブルーの長いプリーツスカートで春らしい色合いで、可愛らしい格好をしていた。
私はと言えば、ただのTシャツにジーパン。
色々悩んだくせにそもそも洋服を全然買ってなかったせいで無難すぎるコーディネートになってしまったことに恥ずかしくなってくる。
「どうしました?」
「いや、早希さん可愛い格好だなって」
「そうですか? ありがとうございます! 麻衣さんもシンプルコーデで、大人っぽくていいと思いますよ」
「そうですか? でも私、退院してからあんまり服とか買ってなくて」
「なら、もし良ければあとで一緒に買いに行きます? 私おススメのショップとかありますよ!」
「でもお金が……」
「大丈夫です! リーズナブルなお店ですし、今日は見るだけでもいいですから! そもそも私も薄給なので、いつもあんまり買えないんですよー。あ、薄給って私が言ってたって、図書館の方には秘密ですよー!」
とりあえず立ち話もなんですし、お店入りましょうかと促されて駅前から離れて店に向かう。そして着いた店の中はとてもお洒落で、そういえばこういうお店に入ったの初めてだと気付いて、ちょっと戸惑った。
「こういうとこって何を頼めばいいですか?」
「? 好きなもので大丈夫ですよ。ここはパスタとピザが有名なんですけど、もし良ければシェアします? 私もあんまりいっぱい食べれる方じゃないんですけど、でも色々なもの食べたいので、よければ!」
「では、それで」
早希さんが店員さんに注文してくれる。
何もかも初体験な私にとって、早希さんは色々なことに小慣れててすごいなって思った。
(そうだよね。これから、こういうのも経験していかないといけないよね)
小学生のころの自分の生活と今と生活とのギャップが想像よりもたくさんあることに気づく。
未経験なことが多すぎて、様々な選択を周りと合わせることの難しさについ悶々と考えてしまう。
「大丈夫ですか? すみません。私、あんまり空気とか読めない方なので、もし嫌なことあったらその場でじゃんじゃん言ってくださいね」
「いえ、嫌なこととかないです! すみません、気を遣わせてしまって。私、十年ずっと寝てたままでそのまま人生がぽっかり空いちゃった状態なので、こういう色々なことに慣れてなくて」
(こんなこと言っても大丈夫かな。引かれちゃったりしないかな)
不安ながらそろっと早希さんを見ると、彼女は顎に手を当てて、うーんと何かを考えているようだった。
「なるほど。そうですよね、いきなり十年後の世界に飛び込めって言われても難しいですよね。でも、無理はしなくていいと思います。私も、こういう性格なのであんまり友達とかいないし、仕事とかも全然ですし。だからそういう不安はなんとなくでしかないけど、わかります。だけど、すぐには進化できないけど、毎日ちょっとずつレベルアップしていければいいかなって思ってます」
「毎日、レベルアップ……」
「そうです。ゲームで例えると、私達はまだレベル一だけど、レベル二になるまでの経験値が非常に多くかかると思えばいいんです。いずれレベル二にはなれるけど、そのスピードが他のキャラクターと違うだけ、っていうか」
「なるほど」
「というか、せっかく仲良くなれたんですし、ちょっと敬語やめましょう。って私もまだ敬語使っちゃってるな。というか失礼かもだけど、麻衣さんって年いくつ?」
「私は、二十才だよ」
「あ、私と同い年! やっぱり! もしかしたら同い年かなーってちょっと思っていたんですよー! って、やっぱり私のほうが敬語抜けてない!」
「あははは」
(こんなに話したのなんかいつぶりだろう)
ちょっとずつ、ぎこちないながらも色々な話をするのは楽しかった。
お互い同い年ということもあって、私の事故当時に流行っていたものなどの話で盛り上がって、だんだんとタメ口にも慣れていった。
その後、ランチを食べて約束通り参考書をもらったあとに服を見に行って、その日はとても楽しい一日になった。
気持ちが先走って、十一時待ち合わせなのに十時半には着いてしまった。
あんまり早く来すぎてもダメだろうと思ったけど、どうしても家でジッとしていられなかったからしょうがない。
(遅れるよりも早いほうがまだいいよね。遅刻して嫌われたくないし。早希さんいつ来るかなー? でも、もし来なかったらどうしよう)
期待と不安で私はそわそわしながら駅前の待ち合わせの場所で待っていると、まだちょっと待ち合わせよりも早い時間に早希さんが待ち合わせ場所までやってきた。
早希さんがちゃんと来てくれたことに、私は内心ホッとする。
「おはようございます」
「おはようございます。早希さん」
「待ちました? すみません、早く来たつもりなんですが」
「いえ、今来たところです」
ちょっとだけ嘘をつく。
待ち合わせでよくある定番の言い回しだ。
「それならよかった」
ホッとした様子の早希さんに、ちょっと嘘をついて正解だったと嬉しくなる。そして、まずは待ち合わせで躓かなくて私も早希さん同様ホッとした。
(てか、早希さん可愛い)
早希さんは薄い黄色のブラウスに、コバルトブルーの長いプリーツスカートで春らしい色合いで、可愛らしい格好をしていた。
私はと言えば、ただのTシャツにジーパン。
色々悩んだくせにそもそも洋服を全然買ってなかったせいで無難すぎるコーディネートになってしまったことに恥ずかしくなってくる。
「どうしました?」
「いや、早希さん可愛い格好だなって」
「そうですか? ありがとうございます! 麻衣さんもシンプルコーデで、大人っぽくていいと思いますよ」
「そうですか? でも私、退院してからあんまり服とか買ってなくて」
「なら、もし良ければあとで一緒に買いに行きます? 私おススメのショップとかありますよ!」
「でもお金が……」
「大丈夫です! リーズナブルなお店ですし、今日は見るだけでもいいですから! そもそも私も薄給なので、いつもあんまり買えないんですよー。あ、薄給って私が言ってたって、図書館の方には秘密ですよー!」
とりあえず立ち話もなんですし、お店入りましょうかと促されて駅前から離れて店に向かう。そして着いた店の中はとてもお洒落で、そういえばこういうお店に入ったの初めてだと気付いて、ちょっと戸惑った。
「こういうとこって何を頼めばいいですか?」
「? 好きなもので大丈夫ですよ。ここはパスタとピザが有名なんですけど、もし良ければシェアします? 私もあんまりいっぱい食べれる方じゃないんですけど、でも色々なもの食べたいので、よければ!」
「では、それで」
早希さんが店員さんに注文してくれる。
何もかも初体験な私にとって、早希さんは色々なことに小慣れててすごいなって思った。
(そうだよね。これから、こういうのも経験していかないといけないよね)
小学生のころの自分の生活と今と生活とのギャップが想像よりもたくさんあることに気づく。
未経験なことが多すぎて、様々な選択を周りと合わせることの難しさについ悶々と考えてしまう。
「大丈夫ですか? すみません。私、あんまり空気とか読めない方なので、もし嫌なことあったらその場でじゃんじゃん言ってくださいね」
「いえ、嫌なこととかないです! すみません、気を遣わせてしまって。私、十年ずっと寝てたままでそのまま人生がぽっかり空いちゃった状態なので、こういう色々なことに慣れてなくて」
(こんなこと言っても大丈夫かな。引かれちゃったりしないかな)
不安ながらそろっと早希さんを見ると、彼女は顎に手を当てて、うーんと何かを考えているようだった。
「なるほど。そうですよね、いきなり十年後の世界に飛び込めって言われても難しいですよね。でも、無理はしなくていいと思います。私も、こういう性格なのであんまり友達とかいないし、仕事とかも全然ですし。だからそういう不安はなんとなくでしかないけど、わかります。だけど、すぐには進化できないけど、毎日ちょっとずつレベルアップしていければいいかなって思ってます」
「毎日、レベルアップ……」
「そうです。ゲームで例えると、私達はまだレベル一だけど、レベル二になるまでの経験値が非常に多くかかると思えばいいんです。いずれレベル二にはなれるけど、そのスピードが他のキャラクターと違うだけ、っていうか」
「なるほど」
「というか、せっかく仲良くなれたんですし、ちょっと敬語やめましょう。って私もまだ敬語使っちゃってるな。というか失礼かもだけど、麻衣さんって年いくつ?」
「私は、二十才だよ」
「あ、私と同い年! やっぱり! もしかしたら同い年かなーってちょっと思っていたんですよー! って、やっぱり私のほうが敬語抜けてない!」
「あははは」
(こんなに話したのなんかいつぶりだろう)
ちょっとずつ、ぎこちないながらも色々な話をするのは楽しかった。
お互い同い年ということもあって、私の事故当時に流行っていたものなどの話で盛り上がって、だんだんとタメ口にも慣れていった。
その後、ランチを食べて約束通り参考書をもらったあとに服を見に行って、その日はとても楽しい一日になった。



