タイムリープ10years

 あのあと、仕事から帰宅したお母さんに図書館であった出来事と早希さんの話をしたら、なんとお母さんは早希さんのことを知っていたらしい。「あの、ちょっとおっちょこちょいの女の子でしょ?」と言われて、思わず笑ってしまった。

「あの子なら連絡しても大丈夫だと思うけど、とりあえず会う時は日中で。会うのはなるべく相手の家とか我が家ではなくて、どこかカフェとかファミレスとかお外でね」

 と、早希さんと会うのにお母さんから条件付きながらもオーケーが出た。

「新しくお友達ができて良かったわね」
「お友達?」
「プライベートで会うならお友達じゃない?」
「確かに……そう、かも……?」

 お母さんに言われて、そこで初めて退院してから初めてお友達というものができたことに気づく。

(いや、どうなんだろう。これって、お友達と言えるのかな。……でも、言えたらいいな)

 私はお友達になりたいけど、早希さんはどうなのかな。私のこと、お友達だと思ってくれるかな。
 ちょっと不安になりながらも、お友達ができたと思うとちょっと嬉しくてはにかむ。

 この大きくなった見た目でできた、初めてのお友達。

(そっか。友達……かぁ……)

 今まで学校ではクラスの同い年の子達がいて、一緒に行動するうちに仲良くなってお友達になるという感じだったから、こうやってお友達ができるっていうのはなんだか新鮮だ。

 多分年齢も近いとは思うけど、もしかしたら違うかもしれない。学校で必然にできるものとは違った新しいお友達。嬉しい。

 そんなふわふわと浮ついた気持ちになりながら、あまり迷惑にならなそうな夜に連絡を取ったところ、早希さんからすぐに返事がきた。でも慌てて打ったのか誤字脱字だらけで、SNSでもリアルと同じような感じでちょっと笑ってしまった。
 本人曰く、やはりちょっとそそっかしい性格らしい。
 その後、バタバタながらも待ち合わせの時間と場所の話をして駅前に十一時にランチしようということを決めてやり取りを終えた。

 無事に約束を取りつけられて、私はまたはにかむ。

「えへへ。お友達と約束しちゃった」

 ただ約束しただけなのに「にへへ」と口が緩む。まだ仲良しとまではいかないけれど、お友達が全然いなかった私にとって、早希さんの存在はそれほど大きかった。

「さて、明日の準備しよ! 何を着て行こうかなー? 今時はお友達で遊ぶときってみんなどういう服着るんだろう」

 私はスマホを片手にファッションについて調べる。
 その後も何を持って行こう、髪型どうしようなどとウキウキしながらわからないことをスマホで調べ尽くすのだった。