世界で1番好きでした。

「いつかちゃん!」

もうその声は聞くことがないと思ってた。だから少し驚いた顔で振り返っちゃった。

「あ、やっぱりいつかちゃんだ」

その声だけじゃない、その顔も変わらなくて。にこって柔らかく笑う表情はあの頃のままだった。

園田(そのだ)先輩…」

スーツにネクタイをして、ショート丈のトレンチコートを着た姿はちょっと慣れなかったけど。

「大学の…時、ぶりだよね!」

もうすっかり暗くなった駅前、今日は残業しちゃったせいでいつもより帰りが遅かった。


だから会うことになったのかな。
もう会わないと思ってた、会えないと思ってた。

もう一度、園田先輩に会う日が来るなんて。