翌朝から、何かが変わった。
侍従がミレイユの食事を運んできたとき、後ろにもう一人ついてきていた。
厨房担当の若い料理人だ。少しそわそわした顔で、けれど妙に誇らしげでもある。
「お猫様のお食事を、私が特別に用意させていただきました」
そう言って差し出されたのは、魚のすり身と鶏のスープだった。
昨日までより、明らかに手が込んでいる。
「ニャァ(え、いつの間に)」
「殿下のご命令ではありませんが……お猫様のお食事が毎日同じでは、と思いまして。昨夜考えました」
料理人の目がきらきらしていた。
ここまで期待に満ちた目を向けられると、さすがに少したじろぐ。
ミレイユは戸惑いながらも、差し出された皿へ顔を寄せた。
「ニャッニャニャ!(美味しい……!)」
魚のすり身には、おそらく少しだけ乳が混ざっている。
温かくて、口当たりがやわらかい。
鶏のスープも薄味なのに旨みがしっかりあって、猫の舌にもわかるやさしい味だった。
干し魚を齧っていた一週間前とは、まさに雲泥の差である。
「お口に合いましたか!」
料理人が身を乗り出す。
ミレイユは思わず、ごろごろと喉を鳴らした。
猫の体は、満足したときに本当に勝手に音が出る。
「よかった!では明日は白身魚のムースを」
「ミャァ(え、ムースまで作ってくれるの)」
どうやら、ただの一食では終わらないらしい。
こうして、厨房にも『お猫様ファン』が誕生した。
侍従がミレイユの食事を運んできたとき、後ろにもう一人ついてきていた。
厨房担当の若い料理人だ。少しそわそわした顔で、けれど妙に誇らしげでもある。
「お猫様のお食事を、私が特別に用意させていただきました」
そう言って差し出されたのは、魚のすり身と鶏のスープだった。
昨日までより、明らかに手が込んでいる。
「ニャァ(え、いつの間に)」
「殿下のご命令ではありませんが……お猫様のお食事が毎日同じでは、と思いまして。昨夜考えました」
料理人の目がきらきらしていた。
ここまで期待に満ちた目を向けられると、さすがに少したじろぐ。
ミレイユは戸惑いながらも、差し出された皿へ顔を寄せた。
「ニャッニャニャ!(美味しい……!)」
魚のすり身には、おそらく少しだけ乳が混ざっている。
温かくて、口当たりがやわらかい。
鶏のスープも薄味なのに旨みがしっかりあって、猫の舌にもわかるやさしい味だった。
干し魚を齧っていた一週間前とは、まさに雲泥の差である。
「お口に合いましたか!」
料理人が身を乗り出す。
ミレイユは思わず、ごろごろと喉を鳴らした。
猫の体は、満足したときに本当に勝手に音が出る。
「よかった!では明日は白身魚のムースを」
「ミャァ(え、ムースまで作ってくれるの)」
どうやら、ただの一食では終わらないらしい。
こうして、厨房にも『お猫様ファン』が誕生した。



