あらくも、みやびに

「彼、結婚するらしいよ。」
「ふーん。」
同窓会。興味なさげに返す私に、つまらなそうな顔をする友人。彼は私の昔馴染み。と言っても小学生の高学年になる頃には、ほぼ話すことはなくなった。長い間、私に片想いをしてくれていたらしい彼。私は私で別の人に片想いしていたため、それぞれの気持ちは一方通行のまま消えてしまった。そんな彼は、小学生から高校生まで、人気だったので結婚に驚きはない。
「相手の写真、見る?」
「ん…。」
友人がスマホを出してくる。反射で覗くが、微妙な反応をしてしまう。彼の歴代の彼女を全員知っているわけではないが、なんとなく好みを知っていて、どうしても自分との共通点というか、自分のかけらを感じてしまった。
「好きそうだね。」
「ね〜。」
私の反応に友人が同意する。私は大人になり、雰囲気をガラリと変えた。イメチェンってやつだ。大人数の中、中心にいる彼は私を見ない。そのことに少し安心した。一言も話すことなく同窓会は終盤を迎える。
「最後に写真撮ろうよ!」
誰かが言ったその言葉で、全員集まり写真を撮る。その後、数人ずつで写真を撮り合うことになった。
「次、そこの6人で!」
そう言われ、友人に引っ張られながら並ぶ。斜め後ろから遠慮なくジッと見られている気配を感じた。伏し目で斜め後ろの相手の服を見る。彼だった。短いはずの時間が重く長くなる。「あんまり見ないで。」そう思う私は彼の視線に、振り返ることはなかった。