その日はとびきり寒い日だった。
寒がりの私には耐えきれない気候。片思いをしている君と一緒に帰っているのにガタガタとただ震えるだけ。その様子を見かねて、君は話しかけてきた。
「俺のポケットぬくいよ?手、入れる?」
付き合っていないのに、そんな提案をされるとは。しかし、想い人である君に近づくことが出来るチャンスを逃すわけにはいかない。
「お邪魔しまーす…。」
「なんだ、それ。」
私の言葉に、ふっと笑う君。そっと君の上着のポケットに手を入れる。手を握るのもなんだか違う感じがして、同じポケットに手が2つ、という変な状態になった。
「あっ、ほんとだ!ぬくい!」
「でしょ?」
そう言いながら、歩く。身長差のせいで、ポケットの中で手がモゴモゴと動く。不意にお互いの指の腹が触れた。一瞬、すり、と触れ合った指先はなんだか、キスをしたように気まずい。
「ごっ、ごめんね〜…。」
ボッと熱くなる顔で、へらりと笑いながら、君の顔を見た。横を向いていて、表情があまり見えない君。
「その…俺は…手を繋ぎたいと思ってるんですが…。」
遠慮気味にそう言った彼の耳は、熱を感じるほど赤くって。私はもう一度、ポケットの中でぴとりと指の腹をくっつけるのだった。
寒がりの私には耐えきれない気候。片思いをしている君と一緒に帰っているのにガタガタとただ震えるだけ。その様子を見かねて、君は話しかけてきた。
「俺のポケットぬくいよ?手、入れる?」
付き合っていないのに、そんな提案をされるとは。しかし、想い人である君に近づくことが出来るチャンスを逃すわけにはいかない。
「お邪魔しまーす…。」
「なんだ、それ。」
私の言葉に、ふっと笑う君。そっと君の上着のポケットに手を入れる。手を握るのもなんだか違う感じがして、同じポケットに手が2つ、という変な状態になった。
「あっ、ほんとだ!ぬくい!」
「でしょ?」
そう言いながら、歩く。身長差のせいで、ポケットの中で手がモゴモゴと動く。不意にお互いの指の腹が触れた。一瞬、すり、と触れ合った指先はなんだか、キスをしたように気まずい。
「ごっ、ごめんね〜…。」
ボッと熱くなる顔で、へらりと笑いながら、君の顔を見た。横を向いていて、表情があまり見えない君。
「その…俺は…手を繋ぎたいと思ってるんですが…。」
遠慮気味にそう言った彼の耳は、熱を感じるほど赤くって。私はもう一度、ポケットの中でぴとりと指の腹をくっつけるのだった。



