「推し」の待ち受け画面をご本人に見られました

いつになく肩を落として家に帰ってスマホを開いたら、いつものホーム画面とは違った。


「…俺…?」


本来ならアメリカ代表、**選手のダンクシュートの待ち受けのはずなのに。

このスマホの待ち受けは明らかに俺がバスケをしているところだ。



「間違えた…?」



1番初めに思いついたのは、俺が誰かのスマホを間違えて持ってきてしまったということだ。

でも、それだと俺のスマホとこのスマホの2台がないとおかしいか。

ということは…



「入れ替わった…?」


今日いたのは基本屋上、会ったのは



「成瀬くん…」


今日話したのは成瀬くんしかいない。

つまりこれは成瀬くんのスマホ…?待ち受けが…俺?

全く状況が掴めない俺は明日聞いてみることにした。もしかして、その、もしかしての期待を込めて今日は眠った。








「俺のこと好きなの?」


スマホ取り違えの次の日、俺は案外冷静になっていた。

目の前にあの成瀬くんがいるというのに。なんでこんなにそっけない態度をしてしまうんだろう。

というか、怯えてる?流石に先輩に呼び出されたら怖いのか。スマホの待ち受け画面を俺が見てしまったから怯えているのか…



「あ、はい、そりゃもちろん大好きですよ。最推しですから。」



最推し…??

長年の俺の恋は、今どうなった?確かに、成瀬くんの口から「大好き」という言葉を聞いた。『最推し』というおまけ付きで。



推しって、その、アイドルとかキャラクターとかだよな…

俺の好きと成瀬くんの好きは…違う。



成瀬くんが俺のことを好きかもしれないなんて、そんなこと絶対ないと思ってたけど、まさかの俺を『最推し』として追っていてくれたみたいだ。

そんな、夢見たいな。

まだ言わない。俺のこの気持ちは、まだ言えない。

成瀬くんのことをもっと知らないといけない。俺のこと、もっと知ってもらわないといけない。



この数日後、俺と成瀬くんの推し活が始まった。

推し。

成瀬くんが俺を推しとして見てくれるうちは、成瀬くんは俺だけを見ている。

他の誰でもなく、俺をただひたすらに…