「推し」の待ち受け画面をご本人に見られました

「これ、来た高2が鷲宮先輩じゃなかったら要の案は立ち消えてたかもね」

「それな。やっぱ鷲宮先輩は神…」



各班に割り当てられる高2は、有志参加でしかもランダムに割り当てられる。

この班に鷲宮先輩が来たのは奇跡でしかない。

鷲宮先輩の神さを神原と2人で共有していると、要が材料を大量に持って帰ってきた。



「なんか、演劇部が使ってた衣装借りできたんだけど、サイズ的に鷲宮先輩はメイド服入らないっぽいです…てことでごめん!!鷲宮先輩だけタキシードでお願いします!」



ごめん!と両手を合わせて要が鷲宮先輩に謝った。



 メイド服着れなくなって悲しむ人はいないだろうな…



先輩の新ビジュ開拓には至らなかったが、指定の制服以外の服を水族館以来見たことがない俺にとって、タキシードの鷲宮先輩も最高に見てみたい。

絶対かっこいい。



「よし、じゃあ看板作りは鷲宮先輩と成瀬に任せた!」

「お、おう?」

「室内装飾は俺らに任せろ!よろしくな美術選択!」

「…おう」



うちの学校は高校1年生の段階で書道、音楽、美術の三つの中から芸術科目を選択する。

それで俺は美術を選択しているから、看板制作を任されたというわけだ。
 


 でも俺が美術選択にしたのは鷲宮先輩がそうだったからで…



別に好きでもないお絵描きを始めるために要が持ってきた絵の具を溶き始めた。



「鷲宮先輩は、なんで美術選択にしてたんですか?」

「あー…姉貴に勝手に申込書出された。」

「あね…お姉さん?!」

「え、先輩お姉さんいたんですか?!」



装飾班の神原が奇声を上げた。



「うん」



鷲宮先輩は聞き流して黙々と作業をしていた。

いつも神原からの情報提供でしか新情報は得られないのに、直接鷲宮先輩から聞けるなんて、ちょっと不思議だ。鷲宮先輩のこと、もっと知りたい。