「いらっしゃいませ〜〜」
水族館入場の時にも思ったが、水族館のスタッフ皆、鷲宮先輩に視線をとらわれている。
きっと自分たちは気づいていない。
この人は俺の推しなんだーとメガホンをもって叫びたい。
「2名様ですね!今月はこのカフェでは夏季休暇直前フェアで、きょうだい割、カップル割キャンペーンを行なっています!ご利用されますか?」
きょうだいかカップルか…推しとオタク割はないのか、と訳のわからないことを心の中でぼやく。
「カップル割で。」
「「え…………」」
俺とスタッフさんの声が重なった。
今、なんて言いました?鷲宮先輩?まあ、安いからいいか。
鷲宮先輩ときょうだいとして入るには逆に恐れ多すぎる。
「あ、はい!かしこまりました!カップル割で3割引となります。番号札を持ってお待ちください!」
またもや状況理解不可なまま席へ案内される。
「今日撮った写真、鷲宮先輩を推している友達に送ってもいいですか…?あの、最強に盛れてるの渡します!」
「友達、ってこの前いた女子?」
「あ、そうですそうです!神原ってやつで、俺と同時期に鷲宮先輩推し始めてて、鷲宮先輩のこと語りだすとほんとに止まらなくなるんですけど、結構いいやつですから安心してください!あ、また喋りすぎた…」
「ふっ、可愛いじゃん」
「え」
鷲宮先輩の突飛な発言に、今日は何回か振り回されている気がする。
「だめ。それはお前だけが持ってて」
鷲宮先輩がイタズラっぽく笑った。
「………………はい。」
なんだ、なんだ、この雰囲気は。
「お待たせしました〜!カップル割限定ダブルブルーベリーオーシャンスムージーです!」
2人分のスムージーは、2人分が一つのグラスに入って、日本の青いストローがささっていた。
流石にこれは…鷲宮先輩も俺なんかと飲みたくないだろ…
「もしよろしければお写真お撮りしましょうか?初デートの記念に!」
“初デート“という言葉に飲んでいた水を吹き出しそうになった。
「いや別に…」
「あ!失礼いたしました!あまりにも初々しかったので初かと!」
失礼しました、と言って去ろうとするスタッフをまさかの鷲宮先輩が呼び止めた。
「じゃあ、お願いします。」
そう言って鷲宮先輩は自分のスマホをスタッフさんに差し出した。
俺のスマホで撮って欲しかったのに…
「さあ!寄って寄って〜〜」
俺たちを完全にカップルだと思い込んでいるスタッフさんは俺たちにいかにもこの世のカップルがしそうなポーズを要求してきた。
カシャ、カシャ、と何枚も撮った後、もう一度考え込んでとんでもない提案をしてきた。
「あの、右側に座ってる彼氏さん、彼氏さんのほっぺつんってしてみてください!」
「え?」
俺が困惑していると右側に座っている鷲宮先輩の手が伸びてきて、俺の頬を触った。
推しに顔を触れられている…
今にも気が動転しそうな状況に俺はなんとか表情を保った。
はて、鷲宮先輩はこんなことして楽しいのか…?ふとこんな疑問が湧いた。
今日一日俺がずっと鷲宮先輩の写真を撮っていただけ、まあ、鷲宮先輩は水族館好きみたいだし、でもそれなら彼女とか誘ったほうが…いや、でも推しに彼女が、とか考えられない!
えでもそれってリアコ(リアルに恋するオタク)に入る?!
先輩からして俺はただのキモいオタクなのでは?!
ぐるぐる渦巻く考えに百面相していると、スムージーをすすっていた鷲宮先輩に呼ばれた。
「大丈夫か?」
「はい、なんか色々考えちゃって」
「考え?」
「俺は鷲宮先輩推しだからこの上なく楽しませていただいてますけど、鷲宮先輩は今日俺と水族館なんて来て楽しんでるのかなーって心配で。カップル割とかポーズとか要求されたり。俺の自己満でしかない気がして…」
「ふは、何それ。」
「え?」
「俺も楽しんでるよ、水族館、好きだし。」
さっきまでそっけなかった先輩が少しだけ笑ってどこからかトクンと音がした。
あれ、なんだろう。今、先輩が笑ってくれて嬉しいって思った気がする。
まあ、推しが笑っていて嬉しいのは当然か。今日の写真のコレクションを鷲宮先輩に見せ始めた。
水族館入場の時にも思ったが、水族館のスタッフ皆、鷲宮先輩に視線をとらわれている。
きっと自分たちは気づいていない。
この人は俺の推しなんだーとメガホンをもって叫びたい。
「2名様ですね!今月はこのカフェでは夏季休暇直前フェアで、きょうだい割、カップル割キャンペーンを行なっています!ご利用されますか?」
きょうだいかカップルか…推しとオタク割はないのか、と訳のわからないことを心の中でぼやく。
「カップル割で。」
「「え…………」」
俺とスタッフさんの声が重なった。
今、なんて言いました?鷲宮先輩?まあ、安いからいいか。
鷲宮先輩ときょうだいとして入るには逆に恐れ多すぎる。
「あ、はい!かしこまりました!カップル割で3割引となります。番号札を持ってお待ちください!」
またもや状況理解不可なまま席へ案内される。
「今日撮った写真、鷲宮先輩を推している友達に送ってもいいですか…?あの、最強に盛れてるの渡します!」
「友達、ってこの前いた女子?」
「あ、そうですそうです!神原ってやつで、俺と同時期に鷲宮先輩推し始めてて、鷲宮先輩のこと語りだすとほんとに止まらなくなるんですけど、結構いいやつですから安心してください!あ、また喋りすぎた…」
「ふっ、可愛いじゃん」
「え」
鷲宮先輩の突飛な発言に、今日は何回か振り回されている気がする。
「だめ。それはお前だけが持ってて」
鷲宮先輩がイタズラっぽく笑った。
「………………はい。」
なんだ、なんだ、この雰囲気は。
「お待たせしました〜!カップル割限定ダブルブルーベリーオーシャンスムージーです!」
2人分のスムージーは、2人分が一つのグラスに入って、日本の青いストローがささっていた。
流石にこれは…鷲宮先輩も俺なんかと飲みたくないだろ…
「もしよろしければお写真お撮りしましょうか?初デートの記念に!」
“初デート“という言葉に飲んでいた水を吹き出しそうになった。
「いや別に…」
「あ!失礼いたしました!あまりにも初々しかったので初かと!」
失礼しました、と言って去ろうとするスタッフをまさかの鷲宮先輩が呼び止めた。
「じゃあ、お願いします。」
そう言って鷲宮先輩は自分のスマホをスタッフさんに差し出した。
俺のスマホで撮って欲しかったのに…
「さあ!寄って寄って〜〜」
俺たちを完全にカップルだと思い込んでいるスタッフさんは俺たちにいかにもこの世のカップルがしそうなポーズを要求してきた。
カシャ、カシャ、と何枚も撮った後、もう一度考え込んでとんでもない提案をしてきた。
「あの、右側に座ってる彼氏さん、彼氏さんのほっぺつんってしてみてください!」
「え?」
俺が困惑していると右側に座っている鷲宮先輩の手が伸びてきて、俺の頬を触った。
推しに顔を触れられている…
今にも気が動転しそうな状況に俺はなんとか表情を保った。
はて、鷲宮先輩はこんなことして楽しいのか…?ふとこんな疑問が湧いた。
今日一日俺がずっと鷲宮先輩の写真を撮っていただけ、まあ、鷲宮先輩は水族館好きみたいだし、でもそれなら彼女とか誘ったほうが…いや、でも推しに彼女が、とか考えられない!
えでもそれってリアコ(リアルに恋するオタク)に入る?!
先輩からして俺はただのキモいオタクなのでは?!
ぐるぐる渦巻く考えに百面相していると、スムージーをすすっていた鷲宮先輩に呼ばれた。
「大丈夫か?」
「はい、なんか色々考えちゃって」
「考え?」
「俺は鷲宮先輩推しだからこの上なく楽しませていただいてますけど、鷲宮先輩は今日俺と水族館なんて来て楽しんでるのかなーって心配で。カップル割とかポーズとか要求されたり。俺の自己満でしかない気がして…」
「ふは、何それ。」
「え?」
「俺も楽しんでるよ、水族館、好きだし。」
さっきまでそっけなかった先輩が少しだけ笑ってどこからかトクンと音がした。
あれ、なんだろう。今、先輩が笑ってくれて嬉しいって思った気がする。
まあ、推しが笑っていて嬉しいのは当然か。今日の写真のコレクションを鷲宮先輩に見せ始めた。

