オレは、おまじないが大好きだ。特に好きなのは、恋のおまじない。聞くとすぐ試してみたくてウズウズする。
その昔。
消しゴムに好きな人の名前を書いて、それが誰にもバレずに使い終わったら恋が叶うなんておまじないを聞いた日には……どれだけ消しカスの山を作ったことやら。(ムダ使いはしてないデスヨ?)
そんなこんなで昨日のこと。
スマホをテキトーにいじっていたオレは、あるおまじないを見つけた。
それは『自分の名前と相手の名前を書いた紙をハートの形に折る。ハートと星の模様が入った袋にお互いの髪とそれを一緒に入れて持ち歩き、その髪が結ばれたら恋が叶う』というもの。
相手の髪を手に入れるとかそれができたらもう既に恋人まで秒読みじゃね?とか思ったけど……新しいおまじないを見つけてしまったオレのウズウズは止まらない。
…………ところがどっこい。現在オレには、好きな人はいない。
おまじないをしたいがために好きな人を作るなんてのは、目的と手段が逆だし。
……あ、そだ!
オレはそのおまじないを、幼なじみである夏(ナツ)に教えることにした。以前、夏には好きな人がいると聞いた。相手は誰だか気になるけれど、幼なじみだからってほどよい距離感は必要だ。だから深くは聞いていない。
でも、心から応援したい気持ちはどんな山よりも高いし宇宙よりも広いし!
「またおまじない?」
帰り道。オレは、隣を歩く幼なじみの仏頂面を見上げる。
「そうなんだよ!!!……そだ、夏これ見て!!」
オレは夏に説明文がよく見えるよう、スマホをつかんだ腕をぐっと伸ばした。
「昔からよく飽きないよな」
そう言いながらも、夏はいつもおまじないに付き合って一緒にやってくれる。一緒に消しカスの山作り競争をしたのもいい思い出だ。(もちろん無駄使いは以下同文)
ということは、夏って結構惚れっぽい性格なんだな……
恋のおまじないをするということは、その度に好きな人がいるってことで……
まぁそのへんは、オレが夏と仲良くするしないの理由にはならない。そういう性格なんだなーと思うくらいだ。
「で?どうせ今回も、もう準備してあんだろ?」
「さすが幼なじみ!わかってるぅ!!」
オレは用意していたチャック付きの袋を、カバンから取り出した。昨日一日探し回ってやっと見つけたやつだ。可愛い便箋も入れておいた。ついでにハートの折り方動画も送る。
「はい」
「ん」
そして夏はいつもの仏頂面で受け取り、カバンにしまう。
「うまくいくといいね!」
「……そうだな」
それから何日か後。
「ねぇ夏。この前のおまじないなんだけどさ。よく考えたら、相手の髪を手に入れるって結構無理あるよねー」
オレは歩きながら、なんの気なしに隣の幼なじみに話しかける。
しかし、夏からは思いもよらない答が返ってきた。
「……もうある」
「えぇ!?」
あまりにも驚いて、オレはつい立ち止まってしまう。
「そそそそそれ、どうやって手に入れたの!?」
「……まぁ、いろいろ」
メチャクチャ気になってキラキラ目で見上げても、振り向きつつ答える夏はいつもの仏頂面で。
「そ、そうか……」
オレはそれ以上詮索するのをやめた。程よい距離感ってやつだ。
ということは、袋には二人の毛が入ってて、おまじないはもうスターとしてるってことで……
オレまでドキドキしてくる。
おまじないって、これがいいんだよね!!
「応援してるから!」
「……ん」
夜。
オレは、いつものようにふとんの上でゴロゴロしながらスマホをいじっていた。もちろん見てるのは、お気に入りのおまじないサイトだ。
そこで、ふと思った。
相手のものをどうにか手に入れて何かするおまじないって、今回が初じゃね?
思い返してみると、今まで試してきたおまじないは、自分の持ち物で試すものばかりだった。だから、やろうと思ったらすぐにでもできた。でも今回は、違う。
そこまでして叶えたい恋って……夏の相手は誰だ?????
その昔。
消しゴムに好きな人の名前を書いて、それが誰にもバレずに使い終わったら恋が叶うなんておまじないを聞いた日には……どれだけ消しカスの山を作ったことやら。(ムダ使いはしてないデスヨ?)
そんなこんなで昨日のこと。
スマホをテキトーにいじっていたオレは、あるおまじないを見つけた。
それは『自分の名前と相手の名前を書いた紙をハートの形に折る。ハートと星の模様が入った袋にお互いの髪とそれを一緒に入れて持ち歩き、その髪が結ばれたら恋が叶う』というもの。
相手の髪を手に入れるとかそれができたらもう既に恋人まで秒読みじゃね?とか思ったけど……新しいおまじないを見つけてしまったオレのウズウズは止まらない。
…………ところがどっこい。現在オレには、好きな人はいない。
おまじないをしたいがために好きな人を作るなんてのは、目的と手段が逆だし。
……あ、そだ!
オレはそのおまじないを、幼なじみである夏(ナツ)に教えることにした。以前、夏には好きな人がいると聞いた。相手は誰だか気になるけれど、幼なじみだからってほどよい距離感は必要だ。だから深くは聞いていない。
でも、心から応援したい気持ちはどんな山よりも高いし宇宙よりも広いし!
「またおまじない?」
帰り道。オレは、隣を歩く幼なじみの仏頂面を見上げる。
「そうなんだよ!!!……そだ、夏これ見て!!」
オレは夏に説明文がよく見えるよう、スマホをつかんだ腕をぐっと伸ばした。
「昔からよく飽きないよな」
そう言いながらも、夏はいつもおまじないに付き合って一緒にやってくれる。一緒に消しカスの山作り競争をしたのもいい思い出だ。(もちろん無駄使いは以下同文)
ということは、夏って結構惚れっぽい性格なんだな……
恋のおまじないをするということは、その度に好きな人がいるってことで……
まぁそのへんは、オレが夏と仲良くするしないの理由にはならない。そういう性格なんだなーと思うくらいだ。
「で?どうせ今回も、もう準備してあんだろ?」
「さすが幼なじみ!わかってるぅ!!」
オレは用意していたチャック付きの袋を、カバンから取り出した。昨日一日探し回ってやっと見つけたやつだ。可愛い便箋も入れておいた。ついでにハートの折り方動画も送る。
「はい」
「ん」
そして夏はいつもの仏頂面で受け取り、カバンにしまう。
「うまくいくといいね!」
「……そうだな」
それから何日か後。
「ねぇ夏。この前のおまじないなんだけどさ。よく考えたら、相手の髪を手に入れるって結構無理あるよねー」
オレは歩きながら、なんの気なしに隣の幼なじみに話しかける。
しかし、夏からは思いもよらない答が返ってきた。
「……もうある」
「えぇ!?」
あまりにも驚いて、オレはつい立ち止まってしまう。
「そそそそそれ、どうやって手に入れたの!?」
「……まぁ、いろいろ」
メチャクチャ気になってキラキラ目で見上げても、振り向きつつ答える夏はいつもの仏頂面で。
「そ、そうか……」
オレはそれ以上詮索するのをやめた。程よい距離感ってやつだ。
ということは、袋には二人の毛が入ってて、おまじないはもうスターとしてるってことで……
オレまでドキドキしてくる。
おまじないって、これがいいんだよね!!
「応援してるから!」
「……ん」
夜。
オレは、いつものようにふとんの上でゴロゴロしながらスマホをいじっていた。もちろん見てるのは、お気に入りのおまじないサイトだ。
そこで、ふと思った。
相手のものをどうにか手に入れて何かするおまじないって、今回が初じゃね?
思い返してみると、今まで試してきたおまじないは、自分の持ち物で試すものばかりだった。だから、やろうと思ったらすぐにでもできた。でも今回は、違う。
そこまでして叶えたい恋って……夏の相手は誰だ?????



