王子の俺よりも、さらにイケメンな転校生がやってきました

六月

「王子ーっ!」

女子の大きな声援が背中を押してくる。体育祭だからだろうか。

俺は全速力でフィールドを駆け抜ける。現役陸上部員、一条累。高校二年生。

通称"王子"

俺はそのあだ名の通り、かっこいい顔、抜群の運動神経、そこそこ勉強ができる頭を持っている。

現在、告白された人数は50人を超えている。

俺は、一位でゴールテープを切る。

「きゃああぁぁぁ!」

女子が叫んでいる。俺はその声援に応える。

「ありがとう!みんなの応援があったから一位だ!」

と。すると、女子からは、

「黄色万歳!累くん最高!」

と言う声が聞こえてきた。俺は手をひらひらを振って、自分の応援席に戻る。

「累ってやっぱかっけ」

友達にそう言われた。

そう、俺はきっとかっこいい存在なのだ。


「王子…ねぇ……」

俺にその一言は聞こえなかった。