消えた教室

Scene 1
 2024年5月22日——満月の夜。午後8時34分。
 二年B組の教室に、私たちは集まっていた。蒼太と私。たった二人だけ。
 机の上には、パソコンとスマホが並んでいる。特設サイトのカウントダウンが、ゼロになろうとしていた。
https://kieta-kyoushitsu.com/return/countdown
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【満月の夜】
║ The Night of Full Moon

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カウントダウン】 ⏰
00:00:03
00:00:02
00:00:01
00:00:00
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2024年5月22日 午後8時34分】
二年B組が戻ってきます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 午後8時34分——ちょうどその時。
 教室の空気が、変わった。
 窓から差し込む満月の光が、一瞬強く輝いた。
 そして——
 私たちは、確かに感じた。
 春野さんたちが、戻ってきた。
 記憶だけじゃない。
 今度は、存在として。
 廃病院で「それ」が言った通り。
 私たちは、本物の場所を作れたんだ。
 だから、彼女たちは戻ってこれた。
 教室には誰もいない。ただ、確かに彼女たちの存在を感じる。空気の中に、思い出の中に、そして私たちの心の中に。
 その瞬間、パソコンの画面が切り替わった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【おかえりなさい】
║ Welcome Back

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
二年B組のみんなへ
おかえりなさい。
あなたたちの場所は、ここにあります。
完璧じゃなくていい。
辛い時は「辛い」と言える。
助けて欲しい時は「助けて」と言える。
そんな教室が、ここにあります。
もう、誰も消えない。
もう、誰も透明にならない。
あなたたちは、ここにいる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全国からのメッセージ】 💬
2,891件のメッセージが届いています
[メッセージを見る →]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 私は蒼太を見た。彼も私を見ている。
「戻ってきた……」
 声が震える。蒼太の目にも、同じ感情が宿っていた。
「ああ。戻ってきた」
 彼の声は、いつもの冷静さとは違う。安堵と、喜びと、そして少しの戸惑いが混ざっていた。
 私たちは、しばらくその場に立ち尽くしていた。満月の光が、教室を銀色に照らしている。
 明日、学校に来れば——春野さんたちに会える。
 その確信が、胸の中にじわりと広がっていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 翌朝——5月23日。
 私は、いつもより早く学校に着いた。心臓が早鐘を打っている。本当に、戻ってきたのだろうか。昨夜の出来事は、夢じゃなかったのだろうか。
 二年B組の教室に向かう。廊下を歩く足が、自然と速くなる。
 ドアの前で、一瞬立ち止まる。深呼吸をして、ドアノブに手をかけた。
 ドアを開けると——
 教室には、春野さん、中村さん、田中くん、佐藤さん——みんなが、自分の席に座っていた。
「おはよう、楓」
 春野さんが笑顔で手を振った。その笑顔は、以前と変わらない。でも、どこか違う。作られた笑顔じゃない。本当の、心からの笑顔だ。
「おはよう……美咲」
 私の声は震えていた。涙が溢れそうになるのを、必死で堪える。
 戻ってきた。本当に、戻ってきたんだ。
 中村さんが、不思議そうに首を傾げた。
「楓、どうしたの? 泣きそうな顔して」
「ううん、なんでもない」
 私は首を横に振った。
「ただ……みんなに会えて、嬉しくて」
 田中くんが目を丸くした。
「なんだよ、昨日も会ったじゃん」
 昨日も会った——彼らにとっては、そうなのだろう。彼らの記憶の中では、ずっとこの教室にいたのだろう。消えていた時間は、まるで最初から存在しなかったかのように。
 でも、それでいい。大切なのは、今、ここにみんながいるということ。
 壁には、あのクラス目標が貼られている。
【二年B組 クラス目標】
完璧じゃなくていい。
辛い時は「辛い」と言える。
助けて欲しい時は「助けて」と言える。
そんなクラスにしよう。
#消えない教室
 教室の後ろには、『気持ちボックス』が置かれている。誰でも匿名で、自分の気持ちを書いた紙を入れられるボックスだ。
 予鈴が鳴り、他の生徒たちも登校してくる。
 ホームルームが始まった。
「おはよう、みんな」
 春野さんがクラス委員として、いつもの位置に立つ。
「今日も一日、頑張ろう。でも、無理はしないで。辛い時は、ちゃんと言おうね」
 クラスメイトたちが、それぞれの表情で応える。その顔には、もう完璧な笑顔はない。でも、本当の笑顔がある。
 私は自分の席に座りながら、改めて教室を見回した。
 ここに、二年B組がある。
 ここに、みんながいる。
 もう、誰も消えない。
Scene 2
 一週間が経った。
 春野さんたちには、消えていた記憶がない。
 彼女たちにとって、二年B組はずっとここにあった。『#消えない教室』の活動も、最初からクラス全体でやっていたことになっている。
 私と柊くんだけが知っている。あの一ヶ月間、二人だけで必死に活動していたこと。春野さんたちを取り戻すために、記憶のカケラを集めたこと。満月の夜、二人だけで教室で待っていたこと。
 でも、それでいい。
 私たちが始めた『#消えない教室』は、今ではクラス全体の活動になっている。
 誰が始めたかなんて、重要じゃない。大切なのは、この想いが続いていくこと。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 二年B組は、すっかり「いつもの教室」に戻っている。朝のホームルーム前、生徒たちがそれぞれの席で雑談している。窓からは、初夏の風が吹き込んできて、カーテンを揺らしている。
 休み時間、佐藤麗奈が春野さんに話しかけている。
「ねえ、昨日のテスト……私、全然できなくて」
 以前なら、こんなこと絶対に言えなかった。成績優秀な佐藤さんが、できなかったなんて認めるはずがなかった。
 春野さんの顔が、ふっと緩む。
「私も! 数学の最後の問題、時間足りなかった」
「え、美咲もそうなの?」
 佐藤さんの表情が、ほっとしたように和らいだ。肩の力が抜けていく。
「安心した」
「完璧じゃないんだよ、私。できない時もあるし、わからない時もある」
 二人は顔を見合わせ、声を立てて笑った。その笑い声は、教室に温かく響いた。作られた笑顔じゃない。本当の、心からの笑顔だ。
 窓際では、田中くんが友達と話している。
「田中、最近変わったよな」
「え、そう?」
 田中くんは少し驚いたように目を瞬かせた。
「なんていうか、自然体っていうか。以前は、無理して明るく振る舞ってる感じがしたけど、今は違う」
 田中くんは照れくさそうに頭を掻いた。
「そうかもな。前は、『面白い田中』を演じてた。でも今は、素の自分でいられる」
 彼は窓の外を見た。新緑の木々が、風に揺れている。
「落ち込んでる時は落ち込んでるって言えるし、辛い時は辛いって言える。それって、すごく楽なんだ」
 友達は深く頷き、ポンと彼の肩を叩いた。
「わかる。最近、このクラスの雰囲気が変わったよな。みんな本音で話せるっていうか」
 予鈴が鳴り、一時間目の授業が始まった。
 授業が終わり、休み時間になると、私の席に蒼太がやってきた。
「これ、見た?」
 蒼太はスマホの画面を私に向けた。そこには、『#消えない教室』のハッシュタグがついた投稿がたくさん並んでいる。
https://kieta-kyoushitsu.com/campaign/growth
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【#消えない教室プロジェクト】
║ 全国への広がり

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【活動開始から1ヶ月】 📊
参加学校数: 53校
投稿リーチ数: 456,892人
メッセージ数: 12,456件
共感総数: 89,234回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【全国からの声】 💭
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
📍 北海道・札幌東高校
「私たちの学校でも『話す会』を始めました」
📍 大阪府・天王寺中学校
「教室に『気持ちボックス』を設置しました」
📍 福岡県・筑紫丘高校
「誰でも本音を話せる場所ができました」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[全国マップを見る →]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「すごい……まだ増えてる」
 私は画面に見入った。
「ああ」
 蒼太は画面をスクロールしながら、眼鏡の奥の目を細めた。
「今、全国で五十三校が、同じような取り組みを始めてるらしい」
 様々な学校からの投稿が流れていく。それぞれの場所で、それぞれの想いが生まれている。
「私たちの行動が、ここまで広がるなんて」
「ああ。でも、これはまだ始まりだ」
 蒼太は真剣な表情で私を見た。その瞳に、強い意志の光が宿っている。
「もっと広げたい。学校だけじゃなく、社会全体に」
「社会全体……」
「『消えたい』と思ってる人は、学生だけじゃない。大人だって、同じように苦しんでる人がいる。その人たちにも、届けたい。『一人じゃない』って」
 私は深く頷いた。蒼太の言う通りだ。この活動は、学校の中だけで終わらせるべきじゃない。もっと多くの人に、届けなければ。
 昼休み、私たちは中庭のベンチで昼食を取っていた。春野さん、中村さん、田中くん、佐藤さん、そして私と蒼太。いつものメンバーだ。
「ねえ、楓」
 春野さんが不思議そうに首を傾げた。
「私、ときどき変な感覚があるの。何か大切なことを忘れてるような……でも、思い出せない」
 私の心臓が、一瞬跳ねた。
「そう……なんだ」
「うん。でも、今はこうしてみんなと一緒にいられる。それが一番大切なことだって、なんとなくわかる」
 春野さんは目を細めて、穏やかに微笑んだ。
 私は心の中で呟いた。
(そうだよ、美咲。それが一番大切なこと)
「ねえ、みんなに相談があるんだけど」
 春野さんがお弁当を食べながら切り出した。
「実は、テレビ局から取材の依頼が来てるの」
「テレビ?」
 田中くんが箸を止めて、驚いたように顔を上げた。
「うん。『#消えない教室』の活動を、ニュース番組で取り上げたいって」
 一瞬、全員の動きが止まった。
「すごいじゃん!」
 田中くんが興奮気味に声を上げる。
「でも、どうしよう。顔、出すの?」
 中村さんが心配そうに眉を寄せた。
「それは、選べるらしい。顔出しNGでもいいって」
「どうする?」
 私が聞くと、春野さんは少し考え込むように視線を落とした。数秒の沈黙。そして、顔を上げる。
「私は、出たい。顔も出す」
「美咲……」
「だって、本当の自分を見せるって決めたから。隠さないって決めたから」
 春野さんは私たち一人一人の顔を、ゆっくりと見回した。
「それに、テレビに出れば、もっと多くの人に届く。『消えたい』って思ってる人に、『一人じゃない』って伝えられる」
「私も出る」
 中村さんが決意を込めて、春野さんの手を握った。
「美咲と一緒に。今度こそ、ちゃんと支えたい」
「俺も」
 田中くんが勢いよく手を挙げた。
「俺たちの経験が、誰かの役に立つなら」
「私も」
 佐藤さんも静かに、でもはっきりと頷いた。
「完璧じゃない自分を、ちゃんと見せたい」
 みんなの視線が、私と蒼太に向けられた。
「私たちも、もちろん」
 私が答えると、蒼太も眼鏡を直しながら同意を示した。
「ああ。やろう」
 こうして、私たちはテレビ取材を受けることになった。
Scene 3
 取材は、週末に行われた。カメラクルーが学校にやってきて、二年B組の教室で撮影が行われた。ディレクターの女性は、三十代くらいで、優しそうな雰囲気の人だった。
「今日は、『#消えない教室』の活動について、お話を聞かせてください」
 ディレクターは私たちに向かって、穏やかに語りかけた。
「まず、春野さん。この活動について、教えてください」
 春野さんは深呼吸をした。胸が上下する。そして、ゆっくりと話し始めた。
「私、ずっと『完璧な春野美咲』を演じてきました。成績も良くて、明るくて、友達も多い。でも、それは全部、演技でした」
 カメラが、春野さんの表情を捉えている。その顔には、もう嘘がない。作られた笑顔も、完璧な仮面もない。ただ、本当の春野美咲がいる。
「本当は、いつも不安で。失敗したらどうしよう、期待を裏切ったらどうしようって。そして、ある日……消えたいって思いました」
 春野さんは一瞬視線を落とした。その目に、かすかに涙が滲む。そして、また顔を上げた。
「でも、私は一人じゃなかった。クラスメイトのみんなも、私と同じように苦しんでた」
 春野さんは一瞬視線を落とし、それからクラスメイトたちを見回した。
「その時、気づいたんです。お互いに支え合えるって。完璧じゃなくてもいいって。弱さを見せてもいいって。それを、このクラスで学びました」
 春野さんは私たちを見た。その目には、感謝の色が浮かんでいる。
「だから、このクラスを変えたいと思いました。誰でも本当の気持ちを話せる場所にしたいって」
 次に、中村さんが話した。
「私は、美咲の親友でした。でも、本当は……美咲に嫉妬してました」
 中村さんの声は震えていた。拳を握りしめている。
「いつも比べられて、『中村さんも春野さんみたいになれたらいいのに』って言われて。その気持ちを、美咲に言えなかった。親友なのに」
 中村さんは春野さんを見た。二人の目が合う。
「でも、この活動を通して、やっと言えました。本当の気持ちを。そして、美咲も同じように苦しんでたって知って……私たち、やっと本当の親友になれた気がします」
 田中くんも話した。
「俺は、いつも明るく振る舞ってました。『ムードメーカーの田中』って呼ばれて」
 田中くんは少し苦笑いを浮かべた。
「でも、本当は違った。本当の自分を見せるのが怖くて、明るいキャラを演じてた。春野のことが好きだったけど、それも言えなかった」
 田中くんは一瞬、春野さんの方をちらりと見た。春野さんは静かに微笑んでいる。
「でも、今は違う。ちゃんと本音を言える。この前、思い切って告白してみたんです」
 田中くんは照れくさそうに頭を掻いた。
「フラれちゃったけど、後悔してない。本当の自分でいられることが、どれだけ楽か。それを、このクラスで学びました」
 佐藤さんは静かに話した。
「私は、期待に応えることに必死でした。親の期待、先生の期待、自分自身の期待」
 佐藤さんは手を組んだ。指が白くなるほど、強く握っている。
「でも、完璧じゃない自分を、誰も受け入れてくれない気がして。今は違います。テストで悪い点を取っても、『できなかった』って言える。それだけで、すごく楽になりました」
 最後に、私と蒼太が話した。
「私たちは、気づくのが遅かったです」
 私は正直に言った。
「クラスメイトが苦しんでることに、もっと早く気づくべきでした。でも、遅くても気づけて良かった。そして、今は一緒に前に進んでいます」
 蒼太が続けた。
「この活動は、特別なことじゃない。ただ、お互いの本音を聞く。それだけです。でも、それがどれだけ大切か。それを、みんなに知ってほしい」
 取材は、三時間近く続いた。
 撮影が終わると、ディレクターは私たちに向かって深く頭を下げた。
「素晴らしいお話でした。きっと、多くの人の心に届くと思います。放送は、来週の木曜日。夜七時のニュースです。楽しみにしててください」
 私たちはカメラクルーを見送った。
「緊張したね」
 春野さんが大きく息を吐いた。肩の力が抜けていく。
「うん。でも、ちゃんと言えた気がする」
 中村さんが春野さんの肩に手を置いた。
「これで、もっと多くの人に届くといいな」
 田中くんが空を見上げた。青い空に、白い雲が流れている。
「届くよ。きっと」
 私は、そう信じていた。
Scene 4
 放送の日、木曜日。私たちは、春野さんの家に集まって、一緒にニュースを見ることにした。春野さんの両親も、リビングで一緒に見てくれることになった。
 午後七時、ニュースが始まった。最初は、政治や経済のニュース。そして、スポーツのニュース。私たちは、固唾を呑んで待っていた。
 そして——
「続いて、今、若者の間で広がっている『#消えない教室』という活動について、お伝えします」
 アナウンサーの声が響く。画面が切り替わり、私たちの教室が映し出される。
https://kieta-kyoushitsu.com/media/tv-broadcast
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【テレビ放送アーカイブ】
║ TV Broadcast Archive

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ニュース番組】 📺
「若者たちの挑戦 〜#消えない教室〜」
放送日: 2024年6月6日
放送局: ○○テレビ
視聴率: 12.3%
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[▶ 放送を視聴する]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【インタビュー抜粋】 🎤
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
春野美咲さん (17歳・高校2年生)
「私、ずっと『完璧な春野美咲』を
演じてきました。成績も良くて、
明るくて、友達も多い。
でも、それは全部、演技でした。
本当は、いつも不安で。
失敗したらどうしよう、
期待を裏切ったらどうしようって。
そして、ある日……
消えたいって思いました」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中村陽菜さん (17歳・高校2年生)
「私は、美咲の親友でした。
でも、本当は……
美咲に嫉妬してました。
いつも比べられて、
『中村さんも春野さんみたいに
なれたらいいのに』って言われて。
その気持ちを、美咲に言えなかった。
親友なのに」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
田中健人さん (17歳・高校2年生)
「俺は、いつも明るく振る舞ってました。
『ムードメーカーの田中』って呼ばれて。
でも、本当は違った。
本当の自分を見せるのが怖くて、
明るいキャラを演じてた」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[全インタビューを読む →]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【反響】 📊
放送直後の反応:
Twitter投稿数: 23,456件
ハッシュタグトレンド: #1位
特設サイトアクセス: 89,234件/時
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【視聴者の声】 💬
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
👤 視聴者 #0892 (2分前)
「泣きました。私も同じでした。
完璧を演じることに疲れてました」
♥ 共感 1,247 💬 返信 89
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
👤 視聴者 #2341 (5分前)
「中学生です。いじめられてて、
消えたいって思ってました。
でも、この番組を見て、
もう少し頑張ってみようと思います」
♥ 共感 2,891 💬 返信 156
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
👤 視聴者 #5678 (8分前)
「社会人です。仕事のプレッシャーに
押しつぶされそうでした。
でも、『完璧じゃなくてもいい』って
言葉に救われました」
♥ 共感 4,523 💬 返信 234
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[もっと見る (12,456件)]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【あなたの体験をシェアする】 ✉️
この番組を見て、あなたは何を感じましたか?
┌─────────────────────────

│ あなたの名前(任意・匿名可):
│ ┌───────────────────────┐ │

│ └───────────────────────┘ │

│ メッセージ:
│ ┌───────────────────────┐ │




│ └───────────────────────┘ │

│ [投稿する]

└─────────────────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[SNSでシェア] [友達に教える]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 春野さんのインタビューが流れる。
 中村さん、田中くん、佐藤さん、そして私と蒼太のインタビューも流れる。
 ナレーションが入る。
「今、全国の学校で、同じような取り組みが広がっています。『完璧じゃなくてもいい』『辛い時は辛いと言える』。そんな場所を、生徒たち自身が作り始めているのです」
 画面には、他の学校の取り組みも紹介される。北海道の高校。『話す会』を開いている様子。大阪の中学校。『気持ちボックス』を設置した教室。福岡の高校。壁一面に貼られた、生徒たちのメッセージ。
 全国で、同じような活動が広がっている。
 最後に、春野さんのメッセージが流れる。
「もし、今『消えたい』って思ってる人がいたら、伝えたい。あなたは一人じゃない。話を聞いてくれる人は、きっとどこかにいる。だから、諦めないで」
 ニュースが終わった。リビングに、静寂が戻る。
 春野さんのお母さんが、涙を流していた。
「美咲……そんなに辛かったのね。お母さん、全然気づかなくて……」
 春野さんは、お母さんを抱きしめた。
「大丈夫。もう、大丈夫だから」
「ごめんね。完璧であることを、求めすぎてた」
「ううん。お母さんのせいじゃない。私が、言わなかっただけ」
 春野さんのお父さんも、娘の頭を撫でた。その手は、少し震えていた。
「美咲は、本当に強い子だ。自分の辛さを乗り越えて、他の人も助けようとしてる。誇りに思うよ」
 私たちは、その様子を見ていた。家族の絆が、修復されていく瞬間。それは、とても美しい光景だった。
 その夜、私のスマホには、たくさんの通知が届いた。『#消えない教室』のハッシュタグで、投稿が爆発的に増えている。
「テレビ見ました。勇気もらいました」
「私も同じでした。完璧を演じることに疲れてました」
「これから、本当の自分を出していきたい」
 コメントは、数千、数万と増え続けている。
Scene 5
 翌日の金曜日、学校は大騒ぎだった。廊下を歩くと、至る所で『#消えない教室』の話をしている生徒たちがいる。
「昨日のニュース見た?」
「見た見た! 二年B組、すごいよね」
「うちのクラスでも、同じことやりたい」
 職員室では、先生たちも話し合っていた。
「生徒会から、正式な提案が来ています」
「『気持ちを話せる場所』を、学校の恒久的な取り組みにしたいと」
「いいんじゃないでしょうか。生徒たちが、自主的に動いている」
 昼休み、生徒会長が二年B組の教室にやってきた。
「春野さん、ちょっといい?」
「はい」
 生徒会長は真剣な表情で、まっすぐ春野さんを見つめた。
「生徒会で話し合ったんだけど、『#消えない教室』の活動を、学校全体で取り組みたい。各クラスに『気持ちボックス』を設置して、月に一度、学年ごとに『話す会』を開く。それに、カウンセリングルームとは別に、生徒同士で支え合える『フリースペース』を作りたい。協力してくれる?」
 春野さんはクラスメイトたちを見回した。みんな、静かに頷いている。
「もちろんです。ぜひ、やりましょう」
「ありがとう」
 生徒会長は握手を求めてきた。春野さんがその手を取ると、生徒会長の顔がほころんだ。
「君たちの活動が、この学校を変える。いや、もう変わり始めてる」
 その日の放課後、生徒会室で会議が開かれた。生徒会のメンバーと、私たち二年B組の代表が集まっている。
「まず、『気持ちボックス』の設置から始めましょう」
 生徒会長がホワイトボードに、要点を書き込んでいく。マーカーの音が、静かな部屋に響く。
「各クラスに一つずつ。匿名で気持ちを書き込める」
「次に、『話す会』。月に一度、学年ごとに開催。希望者が参加できる形で」
「そして、『フリースペース』。旧音楽室を改装して、いつでも誰でも立ち寄れる場所にする」
 春野さんが手を挙げた。
「『フリースペース』には、常に誰かがいる方がいいと思います。話を聞ける人が」
「そうだね。当番制にしよう。生徒会と、二年B組のメンバーで交代で」
 蒼太が眼鏡を直しながら提案した。
「先生たちにも協力してもらえないかな。カウンセラーの先生だけじゃなく、普通の先生も」
「いい案だね。職員会議で提案してみる」
 会議は、二時間近く続いた。具体的なスケジュール、予算、運営方法、広報の仕方——細かいことまで、一つ一つ決めていく。
「じゃあ、来週から準備を始めて、七月から本格的にスタートしよう」
 生徒会長がホワイトボードを見ながら、まとめた。
「みんな、協力してくれてありがとう。この学校を、もっと良い場所にしよう」
 誰からともなく拍手が起こった。パチパチという音が重なり合い、会議室を満たした。温かい拍手だった。
Scene 6
 七月に入り、学校全体での取り組みが本格的に始まった。各クラスに『気持ちボックス』が設置され、旧音楽室を改装した『フリースペース』もオープンした。
https://kieta-kyoushitsu.com/school/free-space
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【フリースペース】
║ Free Space

║ 誰でも立ち寄れる場所

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ようこそ】 🏠
ここは、誰でも自由に立ち寄れる場所です。
✓ 一人でぼーっとしたい時
✓ 誰かと話したい時
✓ 辛いことがあった時
✓ 嬉しいことを共有したい時
いつでも、どうぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【スペース情報】 📍
場所: 旧音楽室(3階西棟)
開放時間: 平日 12:00-17:00
当番: 生徒会・2年B組メンバー
現在の当番:
・桜井楓(2年B組)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【利用ルール】 📜
誰でも自由に利用できます
話したくない時は、無理に話さなくてOK
他の人の話は、ここだけの秘密
否定しない、笑わない、受け止める
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【統計情報】 📊
今月の利用者数: 234人
今月の相談件数: 89件
主な相談内容:
友達関係: 34件 (38.2%)
勉強の悩み: 23件 (25.8%)
家族の問題: 18件 (20.2%)
進路の不安: 14件 (15.7%)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【利用者の声】 💭
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
📝 匿名 (1年生)
「クラスに馴染めなくて辛かった。
でも、ここで話を聞いてもらって、
少し楽になった」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
📝 M.K (2年生)
「勉強のプレッシャーがきつくて。
でも、同じように悩んでる人がいて、
一人じゃないって分かった」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
📝 T.Y (3年生)
「受験が不安で。
でも、ここで話したら、
少し前向きになれた」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[もっと見る (89件)]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【バーチャル相談室】 💬
来校できない方へ
オンラインでも相談できます
[チャットで相談する →]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ある日の昼休み、私が当番で『フリースペース』にいると、一年生の女子生徒が訪ねてきた。
「あの……ここ、入ってもいいですか?」
 声は小さく、おずおずとしていた。
「もちろん。どうぞ」
 私はソファを勧めた。女子生徒は、緊張した様子でゆっくりと腰を下ろす。
「私……クラスに馴染めなくて。友達もできなくて」
「うん」
 私は彼女の隣に座った。
「毎日、一人でお弁当食べてて。それが辛くて。でも、誰にも言えなくて」
 女子生徒の目には、涙が浮かんでいる。唇を噛みしめている。
「消えたいって、思ったこともあります」
 私は、そっと彼女の手を取った。
「話してくれて、ありがとう。一人で抱え込んでたんだね」
「はい……」
「私も、同じような経験があるよ。私の友達も、そうだった。みんな、何かを抱えてる。でも、言えない。言う場所がない」
 私は彼女の目を見た。
「だから、ここを作ったんだ。話せる場所を」
 女子生徒は涙を拭った。
「でも、どうすれば……友達、作れますか?」
「焦らなくていいよ。友達は、無理に作るものじゃない。自然にできるもの」
 私は優しく彼女の肩に手を置いた。
「でも、一つだけ言えるのは、本当の自分を出すこと。完璧じゃなくてもいい。弱いところも見せていい。そうすれば、本当の友達ができる」
「本当の自分……」
 女子生徒の目に、かすかな光が宿った。
「うん。それに、もしまた辛くなったら、いつでもここに来て。話を聞くから」
 女子生徒は、初めて小さく微笑んだ。
「ありがとうございます。また、来てもいいですか?」
「もちろん。いつでも」
 その週の金曜日、学年ごとの『話す会』が開かれた。二年生は、体育館での開催。希望者が参加する形で、約八十人が集まった。
 春野さんがマイクを持って話し始めた。
「今日は、たくさん集まってくれてありがとう。ここは、誰でも本当の気持ちを話せる場所。辛いこと、嬉しいこと、悩んでること、何でも話していい。誰も笑わない。誰も否定しない。ただ、聞く」
 最初に手を挙げたのは、別のクラスの男子生徒だった。
「俺、勉強ができなくて。周りはみんな賢いのに、俺だけ取り残されてる気がして」
 彼は俯いた。拳を握りしめている。
「それが辛くて、学校来るのが嫌になってた」
 数秒の沈黙。そして、別の生徒が声を上げた。
「わかる。俺も同じだった」
「私も、勉強苦手」
「一人じゃないよ」
 次々と、手が挙がる。家族の問題、友達関係、将来の不安、容姿のコンプレックス——様々な悩みが語られる。そして、その一つ一つに、誰かが共感し、励まし、寄り添う。
 会が終わったのは、午後六時を過ぎていた。参加者たちは、来た時よりも少し明るい表情で帰っていった。
「いい会だったね」
 中村さんがほっとしたように息を吐いた。
「うん。みんな、話せてよかったって言ってた」
 春野さんの声には、安堵と満足が混ざっていた。
「これを、続けていかないとね」
 佐藤さんが空を見上げた。夕焼けが、空をオレンジ色に染めている。
「うん。私たちが卒業しても、この活動が続くように」
Scene 7
 夏休み前の最後の『話す会』が終わった日。
 私たちいつものメンバー——春野さん、中村さん、田中くん、佐藤さん、蒼太、そして私——は、屋上に集まっていた。
 夕日が、西の空を染めている。オレンジ色の空。
「ここ、好きな場所なんだ」
 春野さんがフェンスにもたれながら、遠くを見つめた。
「夕焼けがきれいで。前は、一人でここに来ることが多かった。でも、今は違う」
 春野さんは私たちを見回した。その目は、温かく、柔らかい。
「今は、みんなと一緒にここにいられる。『生きたい』って思う。この仲間と一緒に。明日を迎えたいって思う」
 春野さんは心から微笑んだ。
 中村さんが春野さんの肩を抱いた。
「私たち、やっと本当の親友になれたね」
「うん」
 二人は抱き合った。その背中が、夕日に照らされて輝いている。
 田中くんが空を見上げた。
「俺たち、これから先もずっと一緒だよな」
「当たり前じゃん」
 佐藤さんの顔が、柔らかくほころんだ。
「私たちは、消えない。ここにいる」
「ああ」
 蒼太の瞳に、静かな決意の光が宿った。
「僕たちは、透明じゃない。ちゃんと、存在してる」
 私は、みんなの顔を見回した。春野さんの、本当の笑顔。中村さんの、穏やかな表情。田中くんの、晴れやかな顔。佐藤さんの、リラックスした様子。蒼太の、静かな微笑み。
 みんな、ここにいる。透明だった私たちは、もういない。ここに、確かに存在している。
「ねえ、みんな」
 春野さんが口を開いた。
「約束しよう。これからも、お互いに気づき合おう。誰かが辛そうにしてたら、声をかけ合おう。そして、誰かが透明になりかけてたら、見つけてあげよう」
「約束」
 みんなの声が重なった。
 私たちは手を重ねた。六人の手が、夕日に照らされて温かい。
「消えない」
「消えない」
「消えない」
 その声は、屋上に響き渡った。そして、夕日の中へと消えていった。
 でも、私たちは消えない。ここに、確かに存在している。そして、これからも。
 夕日が、完全に沈んだ。空は、深い青色に染まっていく。星が、一つ、また一つと瞬き始めた。
「帰ろう」
 蒼太の声が、静かな空気を破った。
「また明日」
「また明日」
 私たちはその言葉を交わしながら、屋上を後にした。階段を降り、校舎を出る。校門を通り過ぎる。それぞれの家へと、帰っていく。
「また明日」
 その言葉が、どれほど尊いか。私たちは知っている。消えかけた私たちだからこそ、知っている。
 生きていること、ここにいること、誰かと繋がっていること。その全てが、奇跡なのだと。そして、その奇跡を、これからも大切にしていく。
 透明だった私たちへ。もう、あなたたちはいない。ここには、本当の私たちがいる。完璧じゃなくて、弱さもあるけれど、それでいい。それが、本当の私たちだから。
 これからも、生きていく。誰かと繋がりながら、誰かを見つけながら、誰かに見つけられながら。
 消えない。私たちは、消えない。ここに、確かに存在している。そして、これからも——
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 家に帰ると、私はスマホを開いた。特設サイトに、最後のページが追加されていた。
https://kieta-kyoushitsu.com/epilogue/final
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【透明だった私たちへ】
║ To Those Who Were Invisible

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここまで読んでくれて、ありがとう。
あなたは、5つの記憶のカケラを見つけた。
暗号を解読した。
選択をした。
そして、ここまで辿り着いた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もし、あなたが今「消えたい」と思っているなら。
もし、あなたが今「透明になりたい」と思っているなら。
伝えたい。
あなたは一人じゃない。
完璧じゃなくていい。
辛い時は「辛い」と言っていい。
助けて欲しい時は「助けて」と言っていい。
そして——
あなたは、消えないで。
ここに、存在していて。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【最後の二次元コード】 📱
■■■■■■■□■■■■■■■
■□□□□□■□■■□■■□■
■□■■■□■□□□■□□□■
■□■■■□■□■■□■■■■
■□■■■□■□■■□□■□■
■□□□□□■□□□■■□□■
■■■■■■■□■□■□■□■
□□□□□□□□■□□■□□□
■□■■■■■■□□■■□□■
□■■□□□■□■■□■■□■
■□■□■□■□■□□■■□■
□■□■□■□□■■□■□□■
■■■□■■■□□□■■□■■
□□□□□□□□■□■□□□■
■■■■■■■□□■□■■□■
■□□□□□■□■□□■□□■
■□■■■□■□□■□□■■■
■□■■■□■□■■■□■□■
■□■■■□■□■□■□□□■
■□□□□□■□□■■□□□■
■■■■■■■□□□■■□■■
https://kieta-kyoushitsu.com/certificate
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【記憶の探偵認定】 🎖️
あなたは、この物語の真実を見つけた。
5つの記憶のカケラを集め、
暗号を解き、
座標を推理し、
最後の選択をした。
あなたは、記憶の探偵です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
╔═══════════════════════════════════════╗

║ 【記憶の探偵 認定証】
║ Memory Detective Certificate

║ この証明書は、以下の者が
║ 物語の真実を見つけ出したことを
║ ここに認定します

║ 認定番号: #______
║ 認定日: 2024年__月__日

║ あなたの名前:
║ ┌───────────────────────┐ ║

║ └───────────────────────┘ ║

║ [認定証を発行する]

╚═══════════════════════════════════════╝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【あなたへのメッセージ】 ✉️
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
春野美咲より:
「ここまで読んでくれて、ありがとう。
私たちの物語が、あなたの心に
少しでも届いていたら嬉しいです。
完璧じゃなくていい。
辛い時は、辛いって言っていい。
あなたも、消えないで。
ここに、存在していて」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
桜井楓より:
「物語を読んでくれて、ありがとう。
誰かが辛そうにしていたら、
『大丈夫?』って声をかけてあげてください。
それだけで、救われる人がいます」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
柊蒼太より:
「気づくことの大切さを、
この物語から感じ取ってくれたら嬉しい。
誰かを見つけること。
そして、見つけられること。
それが、生きるということだから」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【最後の選択】 🎯
あなたは、この物語を誰かにシェアしますか?
[シェアする] [心に留めておく]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もし、シェアしてくれるなら——
#消えない教室
#透明だった私たちへ
このハッシュタグと一緒に。
あなたの言葉で、誰かを救えるかもしれない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【殿堂入り】 🌟
この物語を最後まで読んだ人たち
[殿堂入りページを見る →]
現在の認定者数: 2,891人
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ありがとう。
また、どこかで会いましょう。
消えない教室で。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【完】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 画面を見つめながら、私は微笑んだ。
 この物語は、ここで終わる。でも、本当の物語は、これから始まる。
 読んでくれた誰かの心の中で。そして、その誰かが、また誰かに声をかけて。
 そうやって、消えない教室は広がっていく。
 私は、スマホを閉じた。窓の外を見ると、満月が輝いている。
 明日も、また来る。そして、私たちは、ここにいる。
 消えない。
 透明じゃない。
 確かに、存在している。
 これからも。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【第6章 完】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━