列の先に何があるのか、霧に阻まれて何も見えない。 ただ、その「見えない何か」に正対してしまったら、もう二度と引き返せない。自分の人生という、あまりにも不出来な喜劇の幕が完全に下りてしまう。そんな、本能的な恐怖が背筋を伝った。
在山の、泳ぐような視線の動きに気づいて、無無も一瞬だけ横を見た。 無無の瞳の中にも、先ほどまでの勢いはなかった。あるのは、自分が積み上げてきた「そやさかい」という理屈が、死という理不尽を前にして何一つ通用しないという絶望だった。
次の瞬間、二人は同時に顔を見合わせた。 呼吸が重なる。 ――あかん。
理屈ではない。詐欺師として培ってきた「やばい空気」を察知する嗅覚が、同時に警告を鳴らしていた。
在山の、泳ぐような視線の動きに気づいて、無無も一瞬だけ横を見た。 無無の瞳の中にも、先ほどまでの勢いはなかった。あるのは、自分が積み上げてきた「そやさかい」という理屈が、死という理不尽を前にして何一つ通用しないという絶望だった。
次の瞬間、二人は同時に顔を見合わせた。 呼吸が重なる。 ――あかん。
理屈ではない。詐欺師として培ってきた「やばい空気」を察知する嗅覚が、同時に警告を鳴らしていた。
