在山は記憶を繋ぎ合わせるように淡々と続ける。 「夏祭りの景品の象を、ガキが『パオちゃん』って可愛がるねん。でも団地のベランダじゃ飼えんくなって、親に『捨ててきなさい』って言われるんや」 「・・・象を?」 無無の脳は理解を拒絶したが、在山は遠い目で頷く。 「そやさかい、どこの縁日で象売っとんねん! 金魚すくい感覚で持ち帰るな! ポイどころか体育館がいるわ!」 無無は頭を抱えた。「世界が間違ってるわ・・・」 死の事実より、象を「季節の行事」で片付ける在山の狂気が、無無の理屈を粉砕した。
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