無無が、先に目を覚ました。  頭を振って意識を強引に引き戻すと、すぐ隣に倒れている在山の肩を、生存を確認するように軽くさする。 「おい・・・在山・・・」
 さすられた在山が、重い瞼をゆっくりと持ち上げた。  二人はひどく重い体を無理やり起こし、呆然と周囲を見渡した。
「・・・壊れてるけど、事務所や」  無無が、掠れた声で呟く。 「え? 戻った?」 「おいおい・・・オレら、象に踏まれて死ぬ前の時間に戻っとるぞ。夢か何か知らんが、生きとるんや!」 「ラッキー」 「そやさかい、お前はなんでそんなにのんきにおれんねん! 九死に一生やぞ!」 「これ、完全にラッキーやろ!」

在山が安堵の笑みを浮かべた、その時だった。
「・・・う、ううううう・・・ん・・・」