あの日、大阪・壮屋堺。いつものように「象売ります」と嘘を売り捌く事務所に、扉を蹴破って現れたのは、天井に届くほどの灰色の巨躯だった。あまりに巨大で、静かで、場違いな――。
「ありえへん。ここは大阪やぞ。サバンナやないんや!」
無無の叫びに、在山は感心したように呟く。
「死んだなあ。・・・あれは、今の時期に多い『季節の捨て象』だろうな」
「季節の!? 梨みたいな言い方すんな!」