肩先に、ポンポンと軽い感触が伝わる。しかし服の上からでも凍てつくような冷たさ――氷点下の鉄棒に触れたような、生気のない指先の冷気が骨まで染みた。
表情は変わらず、口角だけがわずかに上がった謎の笑み。目は笑っていない。
「まだ、天国か地獄のジャッジが生前の行いだと思ってる人がいるんですね」
無無は眉をひそめる。「天国か地獄のジャッジは、生前の行いでしょ!?」
闇売はゆっくりと、錆びついた歯車を回すように首を左右に振る。そのたび、首の奥から「ミシリ、ミシリ」という、人間からはおよそ聞こえない硬い音が漏れた。

 在山は、冷たさに震える肩をさすり、身を乗り出して問いかける。「で、あなたは・・・?」
答えは返ってこない。ただ、再び肩先にポンポンと指先の感触が伝わる。一度目より深く、冷気が血管を駆け巡り、心臓を一段ずつ冷やしていく。