「だから、そこも騙されてんねん!」
 在山はさらに説明を重ねる。
「象の身長は、りんご何個分ですか?って聞かれたこともあった。前向きに検討されてるやろ」
 無無は両手を振り上げ、ツッコミを叩きつける。
「そやさかい、キティと同じ測り方すんのがおかしいやろ! 馬鹿にされとるんや!」
 在山は肩をすくめ、得意げに言った。
「『りんご3個分です』って答えたら、信じてやんの。ワイワイ喜んどったで」
 無無は顔を真っ赤にして叫んだ。
「信じるかー! そうやさかい、馬鹿にされとるんやて!」

気配に気づいたのは、二人がまだ小競り合いをしている最中だった。
静かに近づく足音も、息遣いもほとんどなく、ただその存在がそこにあるだけで空気が少しざわつく。
「突然失礼します。天国か地獄のジャッジが、生前の行いだと思ってますか?」
声は抑揚がなく、耳に奇妙に残る。
在山は思わず振り返った。「あなたは・・・?」