転生したら、女神様の凡ミスに遭いました

広場に漂う、重い空気。
それを変えるように、中にはジルハルト殿下の恥ずかしい性癖や、実はセコい裏話を暴露して、会場が大爆笑することもあった。

「マリモ鑑賞! なにそれ! あの王子、そんな趣味があったの!?」

女神様はその話を聞いて、ポテトチップスをふき出しそうになってしまったようだ。
大層、盛り上がった暴露トークショーが終わると、画面が切り替わり、アリスがいる王立学園の卒業パーティーが行われた会場の前が映し出される。

『こちら、ジルハルト殿下がいる王立学園の卒業パーティーが行われた会場です。こんな醜態をさらしたのに、いまだに再起の暴挙を企んでいるジルハルト殿下を突撃取材しますよ!』

マイクを手にしたアリスは胸をなで下ろしていた。
ついにジルハルト殿下の悪行が、白日の下にさらされたからだろう。
今回も聖女だとバレないように、顔をフードで隠して変装をしている。
正体を隠し通して、このままレポーターをするつもりらしい。

『あら? ジルハルト殿下を手引きした方々は……どうやら、宮廷魔道具師さんたちみたいですね』

アリスがそう口にした途端、ジルハルト殿下側の派閥、宮廷魔道具師さんたちの頭上に『今回の暴挙を手引きした黒幕』といった、キラキラしたエフェクト(字幕)が出た。

『では、ジルハルト殿下。すべてをさらされた、今の心境をどうぞ!』
『おのれ~!! すべては貴様らのせいだ!!』

アリスは逃げ場のないジルハルト殿下にマイクを突きつけ、彼の支離滅裂な言い訳を世界中に生中継する。

「うわ、言い訳ダサすぎ」
「画面から消えてほしいかも~」

女神様や視聴者さんたちからは辛辣な声が上がった。

『無礼な!』
『殿下に対して、その態度。不敬罪に値するぞ!』

レポーターのアリスの突撃インタビューを目の当たりにした、宮廷魔道具師さんたちが次々と騒ぎ始めた。
それでも渦中のアリスは済ました顔で、それを受け止める。
こほんと咳払いすると、肝心の本題に入った。

『それでは、世界中の皆さん、お待たせしました! ジルハルト殿下たちには、しかるべき処罰を受けていただきます!』
『なんだと!?』

凍りつくような冷たい声に、ジルハルト殿下は愕然とする。

『異世界TVのレポーター様!』
『星を司る大精霊様襲撃を狙う者たちを連行しに参りました!』
『なっ……!』

ルージュ王国の精鋭部隊が、次々と会場に雪崩れ込んできたからだ。
絶体絶命の危機。
それでも逃げ出そうとするジルハルト殿下だったが、彼の目の前に聖剣が突き刺さる。