転生したら、女神様の凡ミスに遭いました

『なんだと! もう、抽選結果が出たというのか!?』

会場に配置されていたテレビで、この放送を見たジルハルト殿下は、自分の企みが見抜かれた上に、世界中で見せものにされていると知って怒り狂っていた。

『では、どうぞ!』
『ありがとうございます』

私は順次、当選した人たちに機密文書を進呈していく。
その内容を見た人たちはみな、驚きの表情に染まった。

『なになに……。国の宝飾品を勝手に売り払って、遊興費の足しにしていただと? しかも、その罪を聖女になすりつけていた!?』
『聖女がもらうはずだった多額の報償金を横取りして、想いを寄せる公爵令嬢のためのプレゼントに費やしたらしいぞ!』
『なんと、愚かな行為を……』

国家転覆となりうる証拠の数々に、主賓として招かれていた王様は頭を抱える。
とんでもないことだ。
卑劣で唾棄すべき方法で、アリスに非道な仕打ちを繰り返してきたのだ。

「これよこれ! 悪役が成敗される、この瞬間が見たかったの!」

ちなみにこの時、女神様はポテトチップスを頬張りながら、興奮して画面にかじりついたらしい。

『早速、真相究明のために、元使者さんにインタビューをしてみましょう。これらはすべて真実ですか?』
『はい、真実です』

私の質問に、元使者さんは神妙な面持ちでうなずいた。

『そもそも、国の宝飾品を勝手に売り払うことは重罪です。だから、その罪をすべて、聖女様になすりつけたのだと思います』

その言葉を合図に、元使者さんによる目玉イベント、暴露トークショーが始まった。
ルージュ王国では、精霊さんと妖精さんは『国の財産』として扱われている。
だが、実際のところ、宮廷魔道具師たちからは『道具』としてしか見られていないという事実。
非道な実験を繰り返していたせいで、ルージュ王国の王都から、精霊さんたちが去ってしまったこと。
さらにはジルハルト殿下たちが、アリスを虐げたり、冤罪を被せて追放したこと。
次々と、世界中にジルハルト殿下たちの醜態と、廃嫡された事実がリアルタイムで暴露されていった。

『これが、ルージュ王国が衰退の一途をたどった原因です』

元使者さんはそのことを踏まえて、ルージュ王国が、今の現状になった原因はすべて、ジルハルト殿下と宮廷魔道具師さんたちにあることを訴えた。

『よもや、ここまでのことをしていたというのか……』

当然、今回のビッグゲスト、王様の反応もすこぶる悪い。

「聖女様をおとしめたジルハルト殿下と公爵令嬢は、絶対に許せないな……!」
「精霊様と妖精様がいなくなったのは自業自得だ! 精霊様たちに、なんて非道な仕打ちを……! 宮廷魔道具師たちは身勝手だ!」

視聴者さんたちからのジルハルト殿下たちへの批判が殺到する。
特に、聖女を重んじる、教会関係者さんたちは重い厳罰を求める声が上がった。