転生したら、女神様の凡ミスに遭いました

元使者さんによる目玉イベント、『ルージュ王国の王家のここが変だよ』という、暴露トークショーも開催されることになっていた。
さらに何故か、私の名前を冠することになってしまった、『アウリ聖王国』の建国セレモニー。
精霊さんたちと人間が共生する、新しい国のお披露目も予定されている。
既にラトレ村の入口には、歓迎会のために朝早くから並んでいる人たちが見受けられた。
ラトレ村に行けない人たちは、既にテレビの前で待機している。
会話を弾ませて、放送直前のドキドキ感や期待感を共有しているみたいだ。
そうこうしているうちに時間は過ぎて、だんだんと歓迎会の時間が迫ってくる。

「前回の放送以上に、注目を浴びそうね……」

レポーターのアリスの表情は、少し緊張をはらんでいた。
食堂を繁盛させることから始まった、私たちの『異世界TV』という番組は、『世界放送』という極大まで広がっている。
テレビという未知の娯楽は、世界中の多くの人たちを虜にしてしまっているのだ。
日本では当たり前のテレビが、異世界『アルトクラン』では、こんなにも重みを持つものになっている。
それを実感しているのだろう。
そういう私も、本番前ということで少し緊張をはらんでいる。

アリスたちとともに、異世界TV放送前の最終確認(ファイナルチェック)をしたら、少し緊張がほぐれるかも……。

そう思っていたのだが、予想外の来客があり、事態は変わった。

『星を司る大精霊、アウリス・クロエ様、大変です!!』

テレビの精霊さんが緊急で割り込んでくる。

『ルージュ王国の国王様たちが、森の入口の前で、アウリス・クロエ様たちとの謁見を求めております!』
「ええっ!?」

予想外の出来事に、肝を冷やした。
思いがけない来訪者たちに、私たちは思わず、面食らってしまう。
ラトレ村へ続く森が、迷いの森と化していること。
そして私たちが、遠方の光景を見ることができる魔法を使えると見据えていたのだろう。
王様たちは敢えて、森の入口で私たちの謁見を求めたのだ。

「……無視するわけにはいかない。森の入口に行きましょう」
「そうね……」

事態を重くみた私たちは早急に、森の入口へと繰り出す。
そして、王様たちと鉢合わせた途端ーー。

「あなたが星を司る大精霊、アウリス・クロエ様か?」

探るような態度で、王様がそうつぶやいた。
私たちの正体がバレている。
王家の情報網、侮れない。
どうやら、私たちの身元は、既に調査済みなのだろう。
もはや、隠し通せる段階ではないみたいだ。