*
アリスと契約して、ついに始まった念願の異世界『アルトクラン』生活。
だけど、順風満帆とは言いがたい。
アリスの実家のお店が、ジルハルト殿下の魔の手によって、潰れかけている。
つまり、閉業の危機。
これはまさに、星の大精霊と聖女による、初の共同作戦ね!
長旅を得て、私たちがたどり着いたのはアリスの故郷、ラトレ村だった。
「ここがラトレ村ね。いつも上空から見ていただけだから、こうして足を踏み入れるのは、何だか不思議な感じ」
私はつぶやき、前方の村を眺める。
建物の数からして、恐らく人口は多くないだろう。
周囲は緑が豊かで、村のものと思われる畑が広がっている。
「精霊の需要はありそうね」
私は表情を華やかせる。
街より村の方が、精霊の出番は多いと思うのだ。
精霊と接する機会が多い聖女の故郷。
それにルージュ王国の温暖な気候は、精霊の恵みとされているため、村の人たちはきっと精霊である私を歓迎してくれるはずだ。
そう信じたい。
「よし! まずは、私の働き口と住む場所を決めなくちゃ!」
「アウリ、わたしも協力するわね」
「……アリス、ありがとう」
アリスの簡素で温かい言葉に、私はじんとする。
心が嬉しさと幸せでいっぱいだった。
アリスと契約して本当に良かった。
感傷に浸っていると。
「アリス、久しぶりだな」
いきなり遭遇したのは、アリスの知り合いの男の子だった。
外見年齢はアリスと同じ、十五歳くらい。
輝くような栗色の髪に、宝石のように美しい瞳。
小柄で、あどけなさの残る顔立ちの男の子だ。
転生の間で、異世界TVのアナウンサーをしていた時に見たことがある。
アリスの実家の近くに住んでいる、サフラン・フォーラムくん。
愛され食堂のお得意様だ。
彼は魔道具師で、この村で唯一の魔道具工房を立ち上げている。
魔道具師とは、道具に魔法効果を付与できる、特殊な職業である。
魔法の概念を文字化する才能が必要で、誰でもできるわけではない。
この世界は魔道具を基盤に、生活が保たれている。
でも、ラトレ村は小さな村だから、値段が高い魔道具の売れ行きは悪い。
基本はレンタル専門で、畑仕事などに使用されていることが多いみたい。
「サフラン、お久しぶりです」
アリスが花開く笑顔で、丁重に頭を下げる。
そこで、サフランくんが右腕を庇っていることに気づいた。
「腕、どうしたんですか?」
「実はさ、荷物を運ぶ時にひねったんだよ」
「結構、腫れているみたいですね。ちょっと失礼しますね。『ヒール』!」
アリスが魔法を唱えると、サフランくんの右腕の腫れはあっという間に治ってしまった。
アリスと契約して、ついに始まった念願の異世界『アルトクラン』生活。
だけど、順風満帆とは言いがたい。
アリスの実家のお店が、ジルハルト殿下の魔の手によって、潰れかけている。
つまり、閉業の危機。
これはまさに、星の大精霊と聖女による、初の共同作戦ね!
長旅を得て、私たちがたどり着いたのはアリスの故郷、ラトレ村だった。
「ここがラトレ村ね。いつも上空から見ていただけだから、こうして足を踏み入れるのは、何だか不思議な感じ」
私はつぶやき、前方の村を眺める。
建物の数からして、恐らく人口は多くないだろう。
周囲は緑が豊かで、村のものと思われる畑が広がっている。
「精霊の需要はありそうね」
私は表情を華やかせる。
街より村の方が、精霊の出番は多いと思うのだ。
精霊と接する機会が多い聖女の故郷。
それにルージュ王国の温暖な気候は、精霊の恵みとされているため、村の人たちはきっと精霊である私を歓迎してくれるはずだ。
そう信じたい。
「よし! まずは、私の働き口と住む場所を決めなくちゃ!」
「アウリ、わたしも協力するわね」
「……アリス、ありがとう」
アリスの簡素で温かい言葉に、私はじんとする。
心が嬉しさと幸せでいっぱいだった。
アリスと契約して本当に良かった。
感傷に浸っていると。
「アリス、久しぶりだな」
いきなり遭遇したのは、アリスの知り合いの男の子だった。
外見年齢はアリスと同じ、十五歳くらい。
輝くような栗色の髪に、宝石のように美しい瞳。
小柄で、あどけなさの残る顔立ちの男の子だ。
転生の間で、異世界TVのアナウンサーをしていた時に見たことがある。
アリスの実家の近くに住んでいる、サフラン・フォーラムくん。
愛され食堂のお得意様だ。
彼は魔道具師で、この村で唯一の魔道具工房を立ち上げている。
魔道具師とは、道具に魔法効果を付与できる、特殊な職業である。
魔法の概念を文字化する才能が必要で、誰でもできるわけではない。
この世界は魔道具を基盤に、生活が保たれている。
でも、ラトレ村は小さな村だから、値段が高い魔道具の売れ行きは悪い。
基本はレンタル専門で、畑仕事などに使用されていることが多いみたい。
「サフラン、お久しぶりです」
アリスが花開く笑顔で、丁重に頭を下げる。
そこで、サフランくんが右腕を庇っていることに気づいた。
「腕、どうしたんですか?」
「実はさ、荷物を運ぶ時にひねったんだよ」
「結構、腫れているみたいですね。ちょっと失礼しますね。『ヒール』!」
アリスが魔法を唱えると、サフランくんの右腕の腫れはあっという間に治ってしまった。



