転生したら、女神様の凡ミスに遭いました

サフランくんに『魔道具師』としての才能があると分かった時も、村の人たちは必死にお金を貯めて、ルージュ王国の王都へと送り出していた。
サフランくんにとって、ラトレ村の人たちはもはや、『本物の家族』みたいな存在だろう。
ひとりぼっちだったサフランくんの氷のような心を溶かしたのは、まぶしいほど温かいラトレ村の人たちだ。
サフランくんの出生は、詳しいことは分からない。
ただ、魔道具師としての才能があることから、その家系の生まれだと容易に想像できた。

「サフランくんは、自分の出生について、何か知っているのかな……」

私は途方に暮れたようにサフランくんを見つめる。
サフランくんの表情は穏やかだったけれど、笑みの奥にわずかなさびしさが混じっていたような気がした。
もしかしたら、サフランくんの過去はうなだれるしかないものかもしれない。