「さすがに、この人数だと、ラトレ村にはおさまり切れないな」
「ふむ。なら、精霊たちのための新たな国を造るのも有りだな」
「新たな国?」
とても含みのある提案だったから、私は思わず、首をかしげる。
勇者リスアは満を持って切り出した。
「ラトレ村は精霊と妖精を敬う村だ。精霊たちとは縁のある場所。ならば、その次元の狭間に、精霊たちの国を造ればいい」
「精霊さんたちの国?」
私は予期せぬ提案に驚いてしまった。
どういうこと?
私の現在の気分を簡単に表現するとこうなる。
だって、現実感なんてなかったから。
ラトレ村の次元の狭間に、精霊さんたちの国を造るなんてあり得ない話だ。
とても信じられないことなのに、その話はまだ続いた。
「ミモザ帝国の双子姫ーー第一王女殿下と第ニ王女殿下は空間魔法のスペシャリストだ。ラトレ村を別次元につなげることも可能だろう」
勇者リスアはしきりにうなずいた。
「精霊たちのための国。これはあらゆる国家にとっての最重要課題だぞ。国のために、精霊たちを酷使する者たちがいる」
「うむ。精霊たちを欲する者たち。彼らから守るには、精霊たちの国を造ってしまうのが一番、手っ取り早い。精霊たちを守れる上に、住む場所も決まって一石二鳥だ!」
勇者リスアと魔王ウリの言い分に、私は口をぽかんとして立ち尽くす。
思いもよらない提案だったからだ。
だが、新たな移住先を斡旋してもらった精霊さんたちはご満悦状態だった。
『精霊たちの国……!』
『我々の国ができるというのか……!』
精も根も尽きた私とは裏腹に、精霊さんたちは歓喜に湧いていた。
さて、ここからどう出るかと、興味を引かれているみたい。
憧憬の眼差しで、私たちの出方を窺っている。
その瞬間、私の中で何かのスイッチが入った。
「そうね! 精霊たちを利用する者たち。そんな相手、こちらから願い下げだもの!」
自暴自棄になった私はこぶしを突き上げて力強く言った。
型破りなテレビ番組の放送に、精霊さんたちの大移住。
常識なんて、木の葉みたいにひっくり返してきた私たち。
これくらいで、動揺しているわけにはいかない。
事態は急を要するのだ。
そう感じた私は必死に声を張り上げる。
「言われるままに泣き寝入りするのは、精霊と妖精の名折れ! 精霊さんたちのための国を造って、酷使した人たちをきっちり見返してやらなくちゃ!」
『アウリ様。我々も、全力を尽くします!』
『これまた、革命。大精霊様と聖女様たちの力に不可能なことはないです!』
私の宣言に、精霊さんたちは口々にそう応えていった。
次第に気持ちが落ち着いてくると、改めて、自分が口にした言葉の重みを実感する。
とめどなく弾む胸を押さえて、私は深呼吸した。
「ふむ。なら、精霊たちのための新たな国を造るのも有りだな」
「新たな国?」
とても含みのある提案だったから、私は思わず、首をかしげる。
勇者リスアは満を持って切り出した。
「ラトレ村は精霊と妖精を敬う村だ。精霊たちとは縁のある場所。ならば、その次元の狭間に、精霊たちの国を造ればいい」
「精霊さんたちの国?」
私は予期せぬ提案に驚いてしまった。
どういうこと?
私の現在の気分を簡単に表現するとこうなる。
だって、現実感なんてなかったから。
ラトレ村の次元の狭間に、精霊さんたちの国を造るなんてあり得ない話だ。
とても信じられないことなのに、その話はまだ続いた。
「ミモザ帝国の双子姫ーー第一王女殿下と第ニ王女殿下は空間魔法のスペシャリストだ。ラトレ村を別次元につなげることも可能だろう」
勇者リスアはしきりにうなずいた。
「精霊たちのための国。これはあらゆる国家にとっての最重要課題だぞ。国のために、精霊たちを酷使する者たちがいる」
「うむ。精霊たちを欲する者たち。彼らから守るには、精霊たちの国を造ってしまうのが一番、手っ取り早い。精霊たちを守れる上に、住む場所も決まって一石二鳥だ!」
勇者リスアと魔王ウリの言い分に、私は口をぽかんとして立ち尽くす。
思いもよらない提案だったからだ。
だが、新たな移住先を斡旋してもらった精霊さんたちはご満悦状態だった。
『精霊たちの国……!』
『我々の国ができるというのか……!』
精も根も尽きた私とは裏腹に、精霊さんたちは歓喜に湧いていた。
さて、ここからどう出るかと、興味を引かれているみたい。
憧憬の眼差しで、私たちの出方を窺っている。
その瞬間、私の中で何かのスイッチが入った。
「そうね! 精霊たちを利用する者たち。そんな相手、こちらから願い下げだもの!」
自暴自棄になった私はこぶしを突き上げて力強く言った。
型破りなテレビ番組の放送に、精霊さんたちの大移住。
常識なんて、木の葉みたいにひっくり返してきた私たち。
これくらいで、動揺しているわけにはいかない。
事態は急を要するのだ。
そう感じた私は必死に声を張り上げる。
「言われるままに泣き寝入りするのは、精霊と妖精の名折れ! 精霊さんたちのための国を造って、酷使した人たちをきっちり見返してやらなくちゃ!」
『アウリ様。我々も、全力を尽くします!』
『これまた、革命。大精霊様と聖女様たちの力に不可能なことはないです!』
私の宣言に、精霊さんたちは口々にそう応えていった。
次第に気持ちが落ち着いてくると、改めて、自分が口にした言葉の重みを実感する。
とめどなく弾む胸を押さえて、私は深呼吸した。



