「……なによ、それ」
アリスはキッと、画面の中のジルハルト殿下を睨みつける。
「それはわたしのセリフよ! わたしも好きで、あなたと婚約したわけじゃない!」
アリスは憮然とした態度で言い返した。
婚約破棄された時も、そう口にできたら良かっただろう。
しかし、王太子相手に言い返すことができるはずもなく、アリスはただ殊勝なふりをして頭を下げることしかできなかった。
だが、ここはラトレ村。
テレビ画面に映し出されているだけで、ジルハルト殿下たちはこの場にいない。
積み重ねた我慢が爆発したのだろう。
「殿下。あなたと婚約してから、本当に踏んだり蹴ったりの人生だったわ!」
アリスは幼い頃から聖女として、ルージュ王国に尽くしてきたのに、突如、ジルハルト殿下から婚約破棄を言い渡された。
しかも、偽聖女のレッテルまで貼られて、王都から追放されてしまった。
渦中の人物、ジルハルト殿下は今もなお、アリスが偽聖女で、聖女をたばかった罪がいかに重いのかという口上をだらだら述べている。
だが、そんな言葉も耳に入ってこないくらい、私たちは頭に来ていた。
『言われのない罪で、聖女を追放する王太子。本当に、ろくでもないな!』
『やはり、ルージュ王国の王城だけは我々、魔王軍が総攻撃で破壊しておいた方が良さそうだ!』
勇者リスアの言葉に力強くうなずくと、魔王ウリは物騒なことを告げた。
魔王軍の総攻撃。
考えるまでもない。
小国、ルージュ王国の王城は、すぐに壊滅することになるだろう。
下手をすれば、ルージュ王国そのものが大変なことになるかもしれない。
だが、ジルハルト殿下は難癖をつけて、『聖女アウリス・リネット』を罠に嵌めて虐げた。
それはアリスだけではなく、『11人のアウリス』全員を敵に回したことになる。
ルージュ王国の未来はもはや、風前の灯だろう。
口火を切ったのは、テレビの精霊さんだった。
『聖女アウリス・リネット様。その、申し上げにくいことなのですが……』
その言葉に、アリスは表情を曇らせる。
私と同じく、嫌な予感を覚えたのだろう。
そして、嫌な予感は見事に的中してしまう。
『実は、ラトレ村が賑わっていることを不審に思ったジルハルト殿下が、ラトレ村に騎士爵の調査官たちを向かわせているようなのです』
「やっぱり……」
テレビの精霊さんの報告に、アリスはぎこちなく笑う。
人気が減ったラトレ村は、さらに貧しくなっていくはず。
ジルハルト殿下はそう踏んでいたのだろう。
だが、アリスは私、星を司る大精霊と契約して、村を大きく復興させた。
それを不審に思ったジルハルト殿下は、本格的な調査に入ったのだろう。
アリスはキッと、画面の中のジルハルト殿下を睨みつける。
「それはわたしのセリフよ! わたしも好きで、あなたと婚約したわけじゃない!」
アリスは憮然とした態度で言い返した。
婚約破棄された時も、そう口にできたら良かっただろう。
しかし、王太子相手に言い返すことができるはずもなく、アリスはただ殊勝なふりをして頭を下げることしかできなかった。
だが、ここはラトレ村。
テレビ画面に映し出されているだけで、ジルハルト殿下たちはこの場にいない。
積み重ねた我慢が爆発したのだろう。
「殿下。あなたと婚約してから、本当に踏んだり蹴ったりの人生だったわ!」
アリスは幼い頃から聖女として、ルージュ王国に尽くしてきたのに、突如、ジルハルト殿下から婚約破棄を言い渡された。
しかも、偽聖女のレッテルまで貼られて、王都から追放されてしまった。
渦中の人物、ジルハルト殿下は今もなお、アリスが偽聖女で、聖女をたばかった罪がいかに重いのかという口上をだらだら述べている。
だが、そんな言葉も耳に入ってこないくらい、私たちは頭に来ていた。
『言われのない罪で、聖女を追放する王太子。本当に、ろくでもないな!』
『やはり、ルージュ王国の王城だけは我々、魔王軍が総攻撃で破壊しておいた方が良さそうだ!』
勇者リスアの言葉に力強くうなずくと、魔王ウリは物騒なことを告げた。
魔王軍の総攻撃。
考えるまでもない。
小国、ルージュ王国の王城は、すぐに壊滅することになるだろう。
下手をすれば、ルージュ王国そのものが大変なことになるかもしれない。
だが、ジルハルト殿下は難癖をつけて、『聖女アウリス・リネット』を罠に嵌めて虐げた。
それはアリスだけではなく、『11人のアウリス』全員を敵に回したことになる。
ルージュ王国の未来はもはや、風前の灯だろう。
口火を切ったのは、テレビの精霊さんだった。
『聖女アウリス・リネット様。その、申し上げにくいことなのですが……』
その言葉に、アリスは表情を曇らせる。
私と同じく、嫌な予感を覚えたのだろう。
そして、嫌な予感は見事に的中してしまう。
『実は、ラトレ村が賑わっていることを不審に思ったジルハルト殿下が、ラトレ村に騎士爵の調査官たちを向かわせているようなのです』
「やっぱり……」
テレビの精霊さんの報告に、アリスはぎこちなく笑う。
人気が減ったラトレ村は、さらに貧しくなっていくはず。
ジルハルト殿下はそう踏んでいたのだろう。
だが、アリスは私、星を司る大精霊と契約して、村を大きく復興させた。
それを不審に思ったジルハルト殿下は、本格的な調査に入ったのだろう。



