転生したら、女神様の凡ミスに遭いました



翌日、私は早速、自分の部屋で、アリスたちとともに、村の防衛計画を練ることにした。
名付けて、『アウリス会議』。
その名のとおり、同じ前世を持つ私たちだけが集まって行う会議のことだ。
もっとも、勇者リスアと魔王ウリは各地を回って忙しいため、テレビの精霊さんによる『オンライン通話』で参加してもらっている。
ミモザ帝国の双子姫ーー第一王女マリン殿下と第ニ王女リラ殿下は忙しいため、今回は欠席していた。

「村の治安の改善?」
「うん。最近、村で悪事を働く人たちが出没しているみたいなの」

予想外の難題に、アリスは顎に手を添えて唸る。

「確かに人出が多くなった分、問題も多発してきたわね」
「何か、いい方法はないかな?」

勢いそのままに、私は身を乗り出した。
藁にもすがる思いというのは、まさにこの時の私の気持ちを表しているのだろう。

「そうね。まずは、傭兵を雇うことが必須よね。欲を言えば、王都にあったような、衛兵詰所があれば、大助かりなんだけれど……」

アリスが王都の暮らしを思い出したように手をたたいた。

「衛兵詰所……! いいわね、それ!」

アリスの提案に、私は弾かれたように声を上げる。

「ただ、ジルハルト殿下のことが気がかりなのよね。食堂が大盛況だと知ったら、何か仕向けてくるかもしれない」

アリスの実家の食堂は、ジルハルト殿下に目をつけられている。
テレビ番組のことを知ったら、何かしらの動きがあるかもしれない。
重たい沈黙が部屋を包む。
アリスは決意を固めたように、静かに口を開いた。

「……それでも、わたしは自分の意思を貫くだけよ! 村には、手出しさせないわ!」

アリスの言葉に迷いはなかった。
既に、腹をくくっているだろう。
考え得る最悪の事態を覚悟して、その上で自分を貫こうとしている。
ラトレ村を全力で守っていきたいと願う、強い意思の表れだった。
すると、それまで沈黙を守っていた勇者リスアが口を開いた。

『私と魔王ウリの方針は明確だ。星の大精霊アウリと聖女アリス、及びラトレ村の者たちの手を煩わせそうな貴族や王族の介入をひたすら遠ざけることだ』
『うむ。我々は、おまえたちの味方となり、城壁となるつもりだぞ』

勇者リスアと魔王ウリは意気投合して、意見を出し合う。
さすが、勇者リスアと魔王ウリ。
ルージュ王国の動向に、動じている様子はなかった。

『星を司る大精霊、アウリス・クロエ様。聖女アウリス・リネット様。ルージュ王国に不審な動きがありました』

その時、テレビの精霊さんが慌ただしく会話に入ってくる。