転生したら、女神様の凡ミスに遭いました



テレビ番組の名前は『異世界TV』。
テレビ番組の受信場所は、ラトレ村とミモザ帝国と魔王城付近、あとは転生の間のみ。
そして、ライブ中継型プロモーション。
つまり、生中継を流すことにしたのだ。
面白さを追求しつつも、私たちは万全を期すために慎重に打ち合わせを行っていった。
これは魔道テレビを配置してから、二週間後に放送された、実際のテレビ番組の内容である。

『こんにちは。皆様、いかがお過ごしでしょうか』

画面中央にはマイクを持った、異世界TVのアナウンサーの私が映し出された。
番組収録現場は、ラトレ村付近の森。
場所が特定できないように、森の中にしている。

『お昼の合間に、とっておきな情報をお届けする、異世界TVのお時間です。あなたの今、知りたい情報を楽しくお届けしますよ。では皆様、最後までごゆっくりとお楽しみください!』

その響き渡った声に、各地の人たちが手を止め、テレビ画面に目を釘付けにした。
魔道テレビが配置されている場所は、広場などの人目に引くところにしているからか、多くの人たちが足を止めた。

「な、なんだ、あれは? 魔道具か?」
「もしかして、勇者リスア様がおっしゃっていたテレビというものでは?」
「おい! 魔王様が薦めていたテレビ番組が始まったぞ!」

待ちわびた人たちが、続々とテレビ画面に視線を向ける。
勇者リスアのお墨付きだと言われたら、誰だって注目せずにはいられない。
それに魔王軍における、魔王ウリの宣言効果は抜群だった。

『放送第一回目の特集は、『新たな観光地、ラトレ村』。村に暮らす村人たちに突撃インタビューしてきました。では、ここで現場にいるレポーターさんを呼んでみたいと思います。レポーターさん? レポーターさん!?』

私がそう言うと、画面がラトレ村の畑道に切り替わる。
画面端には、『ラトレ村の名産品といえば?』というテロップが表示された。

『はい。こちら、ラトレ村です。本日は、ラトレ村の名産品について、突撃インタビューしたいと思います』

マイクを手にしたアリスは、村人たちへと目を向けた。
聖女だとバレないように、顔をフードで隠して変装をしている。
正体を隠し通して、このままレポーターとして徹するつもりらしい。

『すみません。ラトレ村の名産品について、お伺いしてもよろしいでしょうか?』
『ラトレ村の名産品かい? そうだね。やっぱり、麦やトマトじゃないかな』
『僕、食堂で、麦とトマトを使ったナポリタンをよく食べるよ!』

アリスがマイクを向けると、村の人たちが次々と名産品について話していった。

『ラトレ村の名産品といえば、麦とトマト。それを使った「ナポリタン」という未知の料理を知るため、私は食堂に潜入し、その人気の秘密を深掘りしてきました。ラトレ村にまつわる、美味しい伝説を検証します!』

アリスの弾んだ声と同時に、画面が食堂に切り替わる。